僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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EP EXTRA Unknown:チカイ、チガイ、セカイ!!

「全く別の世界、時代からやって来たねぇ……パッと言われて信じられないんだがさっき見せて貰ったこのデバイス……確かに今の俺でも作れないような代物、真実とみるしかないだろうな」

「パラレルワールド……って奴ですね」

 

マグマヴィラン、ヴィランネーム:マグマ・ドーパントを確保した戦兎と龍牙はそれを警察へと引き渡すと自分達が助けて4人組から是非とも話をしたいと言われたので場所を移して話を行う事にしたのだが、そこで語られたのは驚きの言葉の連続だった。異世界の存在、そして異なる時代の話にそこにも戦兎が存在していたという事。だがそれを簡単に信じる二人ではなかったのだがウォズと名乗る男から異世界の戦いの一部を見せ付けられた、そこでは戦兎がビルドへと変身して敵と戦っている光景を見せ付けられ、ソウゴからこれを解析して見てと渡された手に収まる程の時計のような物……それらを総合して話は信じられると判断するに至った。

 

「やっぱりそっちの戦兎は俺達があった戦兎と違いは殆ど無いみたい、俺が初めて会った時の戦兎も同じような事を言ってたよ」

「ビルドになってると言い、俺は世界が変わっても俺って訳か……ああいやそっちだと仮面ライダーって言うのか。まあ大差ないだろ、まあビルドは俺が、俺自身の力で一から作ったから俺の方が凄いと思うけどな!!」

「こっちの戦兎が聞いたらなんていうかなぁ……」

 

と少し気まずそう笑っているソウゴ、彼は向こう側の戦兎とは短い時間だったがそれなりに親しかったゆえにここの戦兎がほぼ完全に同一人物だと理解出来る故にこの言葉をそのまま届けたらどんな反応をするのか思い当たる。まあ伝えたりはしないのだが……。そんな中で優雅に紅茶を嗜んでいるウォズがゲイツを嗜めるように言葉を掛ける。

 

「ゲイツ君、少し落ち着いたらどうだい。流石にそこまで敵意にも似た物を彼に向けるのは失礼という物に当たるよ」

「おい龍牙に文句があるなら相手してやるぞ」

「ちょっと戦兎兄さん……」

「いや、済まない。だが……少し思う所があってな」

 

頭を下げつつ紅茶を口へと運ぶが、熱さで声を上げるゲイツ。彼は此処に来るまで龍牙に何処か怪訝そうな瞳を向け続けていた。龍牙は何か気に喰わない事をしてしまったのか謝罪しているのだが、ゲイツからから帰ってくるのは何処か煮え切らないものばかり、こうしてようやく謝罪をされたが此処で龍牙はもしかして向こう側の自分が何かをしてしまったのかと思い辺り頭を下げる。

 

「すいませんもしかしてそちらの俺がそちらにご迷惑を……」

「あっその違うの龍牙君、別に貴方が私達に何かをしたって事じゃなくてその貴方の変身した姿が、そのさっき話したアナザーライダーの一人に余りにそっくりなだけで」

 

アナザーライダー。ソウゴ達の世界で敵対していた此方で言う所のヴィラン。それらは本来ある歴史を捻じ曲げ、正規のライダーの力を奪い捻じ曲げた末に生まれる存在。アナザーライダーは元の仮面ライダーに成り替わる形で歴史改変を行い、名実ともにその歴史における本物の仮面ライダーとなる。ビルドもそれよってアナザービルドとして改変された事もあったとの事。そして龍牙の姿は所謂アナザーリュウガに瓜二つなのである、名前も同じなのでソウゴ達からすればややこしく困惑するばかりだった。

 

「そのアナザーリュウガのに本当に龍牙そっくりなんだよ!!いや本当にびっくりしたよ」

「ああよかった、俺の姿が怖くて驚かれたわけじゃなかったんだ……」

「そ、そこなの……?」

「だけど敵と一緒な姿ってだけでそんなに敵意向ける事ないだろ」

 

戦兎にそう言われるとバツの悪そうな顔をするゲイツに悪戯心が働いたが流石に言わない方がいいかなと微妙な顔をするソウゴに対して代わりに私が説明しようじゃないかとウォズが申し出る。

 

「彼、ゲイツ君はアナザーリュウガと激しい戦いを繰り広げていた。だがアナザーリュウガの反射能力や格闘能力に酷く苦戦した。加えてアナザーライダーは先程言った通り、核であるアナザーウォッチを破壊しなければならない」

「正規のライダーからその力とかを奪ったのがアナザーウォッチって奴ですよね」

「その通り」

 

だがアナザーリュウガはアナザーリュウガを撃破するには必然的にリュウガの力が宿ったウォッチ、ライドウォッチ必要となるのだが、とある理由からリュウガライドウォッチは絶対に入手できない為、アナザーリュウガを撃破する手段は実質存在しない。故にゲイツは自分の命と引き換えにリュウガを撃破しようとしたのだが……それが失敗しゲイツは一度死んでしまっている。

 

「しかしそれは我が魔王の力によって時間が逆転し、無かった事になりアナザーリュウガはジオウの力によって撃破されたという訳さ。これでゲイツ君の事情も理解して貰えないかな」

「いえ良く分かりました、それなら俺に対してそれを向けるのも理解出来ますし俺も許容できます」

「すまない、俺も分かってはいるのだが……」

 

ウォズを忌々し気に見つめるがその前に龍牙からの言葉を受けた釈明しなければと、頭を下げる。それを見てウォズは微笑みながら再び紅茶を口へと運ぶ。ツクヨミはウォズの行動に少しハラハラしながらも溜息を吐きながら龍牙に改めて謝罪する。

 

「んで話を戻すがお前達はこっちにそのヴィランを追いかけてきたって訳か」

「はい。本当は私達が決着をつけるべきなんですが……こちら側の世界については全く分かりません、ですのでお力を貸していただけないでしょうか」

「まあそんな話を聞いてNOなんてヒーローとしては言えないよな」

「ですね」

 

じゃあっ!!と顔を上げて喜ぶソウゴに戦兎と龍牙は頷いた、凶悪なヴィランの存在を伝えてくれたというだけでも十二分に役に立つ情報。ならば次はそのヴィランを確保する為に行動を起こせばいい、そしてその為に彼らと協力する。加えて彼らだけでは他のヒーローから余計な厄介を受けたりヴィジランテ扱いされて面倒な事になりかねない。ここは手を組むのが合理的という物だろう。

 

「宜しくね戦兎に龍牙!!」

「此方こそ、宜しくねソウゴ」

 

 

―――さて、そろそろいただきに行こうか……黒龍の力を、あのライダーの力ならきっとジオウ達にも勝てる……。


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