僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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ドラグーンに説き伏せられる黒龍

「それで此処まで来ちゃいましたけど何がという訳なのか説明願いますよリューキュウさん」

「おっと今はオフなのよ、龍子でお願いね」

「アッハイ、龍子さん……なんかごっちゃになりそう」

 

そんな訳で久しぶりのオフ、それを満喫する為に私服に着替えて変装の為に伊達眼鏡までバッチリ掛けてきたリューキュウ、竜間 龍子は同じく私服にサングラスを掛けていても分かる程に困惑の表情を浮かべている龍牙へと視線を移しながらも何処か悪戯心をくすぐられる。

 

「オンとオフの切り替えもプロになったら重要よ。何時までも気を張り続けていたら休めないんだから」

「それは分かってますよ、師匠との訓練でも気を付けてた事です、休める時に最大限休まないと死にますから。精神が」

「精神が……」

「精神が」

 

此処で出されるのも相変わらずギャングオルカとの訓練の事、全方位への注意と警戒をしなければならない耐久訓練で何時どのようにして休むのか、そしてその休む時間をどう活用するかを求められていた為に龍牙は身体と精神の切り替え方と会得している。休もうと思えば一瞬で身体が崩れて眠ってしまう程度の事は出来る、というか強要されたので出来るようになったと言った方が正しい。

 

「(改めて本当にギャングオルカの教育が利きすぎちゃってる感じがするわね……これは遠回しに何かを伝えようとしても無駄ね、全部教育で得た物で打ち消されて何も理解してくれない―――ストレートに伝えるしかないわね)」

 

龍牙はギャングオルカと根津に救われ、この二人からヒーローとは何か、何をしてヒーローたらしめるのか、そして必要なスキルは何かといった物らを学んできた。それが今の彼を形成したのは間違いないだろう、だが龍牙にとっての二人はある種の神格的なイメージの中になるのかもしれない。絶対的な存在である尊敬し敬い、憧れとして目指すものが二人。だからその二人から学んだことを遵守し、龍牙の行動方針の第一優先事項にも成り得ている。それを上手く使って話をするしかないだろう。

 

「単刀直入に言うわね龍牙、貴方はこのままだと確実にダメになるわ」

「えっ―――」

 

そんな言葉を龍子のオフに付き合っている龍牙が漏らしてしまった。見通しの良い丘の上から遠くに見える海を眺めながら潮風に心地良さを覚えている時に突然足元に巨大な穴が発生しそこに突き落とされたような気分になった。なぜそのような事を言われるのか、だがあのリューキュウが意地悪などで言うとは思えない、何か自分に原因があるのかと龍牙が思考を巡らせる中で龍子は素直に言った。

 

「貴方は正しい事を、正確で的確な事をし続ける事だけが良い事だと思ってる?」

「はい」

「そう……それじゃあ貴方が可能だと判断して事故現場へと突入するわね、結果として貴方は助けられないと思われていた人たちを助ける事に成功するとする……でも同時に怪我をする」

 

もしも、言葉の理論の中にしか存在しないIFの展開、だがあり得てしまうかもしれない話を聡明な龍牙の頭脳はそれらの光景を鮮明なイメージで形にしてしまう。

 

「そして立て続けに火災が起きるわ、周囲で対応出来るのは貴方だけ。貴方は恐らくこう思うわ、自分なら行ける。自分が少し我慢すればいい、それで貴方はそこに突入して人を救った。傷を負いながらも貴方はそれをし続けていく……そうじゃないかしら」

 

真っ直ぐと見つめてくる龍子、オフと言うには酷く鋭く凛々しい瞳と言葉が重く胸へと圧し掛かってくる。彼女から言われた言葉を咀嚼しながら思考をするが恐らく、自分はその通りに行動するだろう。間違いなく行動を起こす、負った怪我の具合にもよるだろうが酷くても黒龍の鱗による補強と脳無との戦いに比べたら問題ないだろうと判断して確実に動くだろう。

 

―――お前が動けば確実に救える命を不確実にするのか。

 

自分が動けば助けられる、そんな命がある。やればいい、苦しくても救える。そんな命があるならば必死に手を伸ばして抱き寄せて危機から救い出すだろうと思う。ほぼ間違いなく、そうするだろうと確信的な思いがあった。肯定するような頷きをすると龍子は溜息混じりにやっぱりと溢す。

 

「職業体験の時言われました、お前が動けば確実に救える命を不確実にするのかって。目を開いていれば救える筈の命があるのに閉じただけで救えなくなるなんて俺は嫌です」

 

気高く崇高な意志、龍牙に秘めている大きな物。オールマイトに重なるような物を持っていると言ってもいいかもしれない。だが同時にそれはオールマイトが内に秘めている狂気的な思想にも酷似している、人間は良くも悪くも利己的な生き物なのである。他よりも己を優先する、それが生き物の本質。だが時たまそれすら上回る程に頑強で揺るがない意志を持って他を救おうとする者がいるのである。オールマイトもそれに当たる。他人の幸福こそが自らの幸せと言い張れる人にとっては狂っていると断言出来るほどの善性を持ってしまっている人間、龍牙もその類に近い。

 

オールマイトほどではないだろうが酷く近しい存在である事は間違いないだろう。ある意味でギャングオルカの言う通り時代のヒーローを担うに相応しいだろう、オールマイトと言う存在を真似て言うなれば。

 

「……龍牙、貴方の行動は一般的に言えば無茶よ。幾ら貴方が自分の実力を完璧に把握して問題ないと判断してもその行動が他へ及ぼす影響は大きい。無茶をすればするだけ不安を与える、そこを言えばオールマイトは別格ね、不安なんて全くないし」

「それは……」

「でも貴方はオールマイトとは違う、別のヒーローなの」

 

リューキュウも思うがこうして話せば話すだけオールマイトの規格外さを認識させられる、やっている事は龍牙と似ている、いやほぼ同じなのにこの認識の差は何なのか。オールマイトが無茶をしても大声で不安を笑い飛ばすからだろうか、それとも長年の活躍と実績が紡ぎ上げた結晶だろうか。

 

「無茶をしなければいけない時だってあると思うわ、でもせめて誰かと一緒に居る時は一緒に戦って欲しい。貴方はワンマンアーミーなんかじゃない、貴方を支えて一緒に歩んでくれる人が必ずいるのよ。それだけは良く分かってね」

「……はい、すいませんでした」

「今私に謝れても困るわね、これからそれを示して欲しいわね」

「はい」

 

少しだけ明るくなったそれを見て龍子は少しだけ安心したように胸を撫で下ろしながら今度こそオフを満喫しようと彼を連れだしていく。込み入った話はもう終わり、これからは単純に楽しんでいこうと。

 

「……」

 

そんな隣で神妙なそうな顔つきを龍子に見せないようにしながら龍牙が独りで―――

 

「俺は……」

 

迷ってしまっていた。




割かし難産で遅くなりました。というかリューキュウ姉さんは龍牙を狙わない事を明言してるのでその辺りを調節したりが難しくて……というかやっぱりに私の純愛は無理があると思い始めた今日この頃。だってピクシーさん辺りがはっちゃけて恋愛するのは行けるようん。だってピクシーさんだし <ドウイウイミダァ!?

でも葉隠さんは……ガチの純情乙女ですから、どうやって動かすのか、それからなんか悩みが伝播して恋愛描写ってどうすればいいんだって事になってます。だから恋愛描写練習用の作品一本書こうなぁとガチで今思案中です。それが活動報告で出したあれです、分かる人には分かるあれ。まああれも私の本性駄々洩れのあれですけど。

誰か私に恋愛描写の書き方教えてくれ、出ないとドッロドロの恋愛関係に挟まれて破滅する主人公がこの先生まれるぞぉ~!!早くして、間に合わなくなっても知らんぞぉ!!
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