僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
「いやぁ今日も大変な現場やったぁ……」
「そうね……今日は特に大変だった気がするわ……」
リューキュウ事務所へと帰還したウラビティとフロッピー、気だるげそうに椅子へと腰を下ろしつつも全身に纏わりつく疲労感が鉛のように感じられる。遭遇したヴィランの個性がそれほどまでに凶悪だったことから言える事、改めてプロの現場は命懸けだという事がひしひしと伝わって来た。
「お疲れさん、お茶いるかい」
「あ"っ~いるいる~……」
「ウラビティ、乙女が出しちゃいけない声出てるぞ」
「でも気持ちは分かるわウラビティちゃん」
と差し出されたお茶を口にする、熱が籠っていた筈の身体は寒さと汗の相乗効果で何時の間にか酷く冷えていた。そんな身体を優しく暖める緑茶の暖かさが有難かった。
「流石リュウガちゃんね、全然堪えてなさそうね」
「こう見えて結構疲れてるんだよ、隠すが上手いだけだよ」
「余裕綽々にしか見えへんよぉうちぃ」
完全にダウンしてしまっている彼女の言葉に苦笑いを浮かべつつも平気そうな顔をしてお茶を啜りながら携帯に来ていたメールをチェックするリュウガ、矢張り場数と経験が物を言っている。肉体的な疲労はリュウガの方が強いだろうが精神的な疲労に関しては二人の方が上回っている。病は気からとはよくできた言葉である。そんなリュウガへとリューキュウが言葉を掛けた。
「リュウガ、今日のは良かったわよ。上手く二人とコンビネーションが取れてたわ、一人で突出しなくなったわね」
「有難う御座いますっと言っても今回は二人が居なかったら本当に上手くいかなかったでしょうけどね」
光を放つ個性を持つヴィラン、しかも相当練度が高いのかただ閃光を放って視界を潰すだけではなく一点に光を収束させてレーザーのようにして光を放って攻撃を行ってくるとんでもなく危険な相手であった。そんなヴィランを相手にリュウガはウラビティとフロッピーに協力して貰い、即席のコンビネーションアタックを掛ける事になった。
リュウガが相手からのヘイトを集めるように目立った行動を取った上で『反射龍鏡』を展開する、鏡の特性を持つそれに光が当たると当然のように反射をする。これで相手はリュウガに注目するようになる、そこをウラビティの"
自身の光を反射される事を警戒してリュウガへと視線を向け過ぎたヴィランへウラビティが瓦礫を浮かせたうえでそれに乗り、フロッピーに蹴り出して貰い一気に接近。リュウガへの警戒のお陰で反応が遅れたそれに対して職場体験で学んだ
「あの場合だと俺は逆に警戒されすぎちゃって抑止が機能しすぎちゃって何も出来ないんだよなぁ、だから二人が上手くやってくれたおかげです」
「ウフフッそうね、ウラビティとフロッピーのお手柄ね」
そんな言葉を受け取って素直に嬉しそうする二人を見つつ、リューキュウは大きく変化している龍牙を注視した。やろうと思えばリュウガ一人でもなんとかできただろう、彼の出来る範囲内で、無茶もなく出来る事。だがリュウガは素直に二人に助けを求めて協力した。以前と比べて明確な変化が起きているように思える。些細な事かもしれないが迷う事なく自分で行けると判断しても誰かに助けてを求めるようになった。端的に言えばチームワークを重視するようになったというべきだろう。
「それにしても……ケロッとし過ぎやない?」
「ケロケロ、そうねそれは私の役目なのよ」
「いや流石にそれは冤罪だ、意義あり」
と軽く笑いを飛ばしながらも明確な変化があるとリューキュウは思う。一度、雄英に戻って何かがあったのかもしれない、彼にとってとてもいい事があったのかもしれない。そう、例えば―――好きな人が出来て、その子と約束をしたとか。
「リュウガ君~……報告書書くの手伝って~……」
「まあ手伝う位なら……というかウラビティ、なんか溶けてない?」
「身体が重いよぉ~……」
「今汝が感じているものこそプロの責任の重さ成り、そんな所かしらね」
「リューキュウ、それってギャグかしら?」
とろけてしまったウラビティに力を貸しながら報告書を仕上げていくリュウガ、一通り報告書を仕上げ終わるとリュウガは携帯を開いて届いていたメールに目を通しつつ来ていた一通を開きながら口角を緩めた。
『私も大活躍ッお互いに頑張ろうね!!』
と満面の笑みを浮かべながらピースサインを作っているインビジブルガールこと、葉隠の姿がそこにあった。単純に素顔を見せてくれているだけではない、もうその素顔は自分にとっては特別な物であり特別に自分に見せてくれているような物。その笑顔が自分に力を与えてくれる、そんなエネルギーが彼女にはある。
「……本当に可愛いな、葉隠さんは……いやもう呼び方とか変えた方が良いんだったな―――透さんって呼んだ方がいいのかもな」
次回、葉隠さんと龍牙の二人っきりを書きたいと思います。