僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
「『悪の野望を叩き潰す龍の戦士、吼える!!』だって凄いカッコい見開きだね」
「いや……映り悪いよやっぱり。通常時に写真撮られるとやっぱりあれだなぁ……」
記事の見開きとして掲載されている写真を見つめながらも苦言を漏らしてしまう。特定の物質と同化して巨大化系個性を持つヴィランを内部から食い破るかのように黒龍を引き連れながら咆哮を上げているリュウガの姿がある。もう自分の写真写りの悪さの解消はやりようがないのでせめて写真を取るならある程度マシになっている形態の時にしてほしいと声を大きくして言いたいのだが、その状態になるのが必要になる程の相手と戦う事になる事を意味するのでヒーローを目指す者としては如何なのだろうかと言葉に詰まってしまう。
「それにしてもまた無茶しちゃったの?」
「いや無茶をしたというか……あれも作戦だったんだよね、外から炎を幾らぶつけても無効化されちゃうなら内部から直接温度を変化させてやろうと思って。一応リューキュウに相談して万全のサポートを敷いて貰ってたから」
周囲から注意を引いて貰っている間にドラグブラッカーを伴って巨大化したヴィランの中心へと食い破るかのように突撃し、その中心部にいたヴィランを拘束した上で黒炎の一撃を炸裂させてノックアウトしたというのが顛末。それで無力化されたとしてもブリザードとマグマを交互に浴びせて強引に破壊するという手もあったのだが、龍牙的には未だにブリザードとマグマの出力調整に慣れないのか出来れば切りたくなかったので安心した。
「俺の方はもう良いさ、そっちだって青山や芦戸とチームプレイで活躍してるらしいじゃないか」
「えへへっ~サポート頑張っちゃってます!!」
と笑顔を浮かべながらダブルのVサインを向けてくる葉隠に微笑みを向ける。明日から遂に新学期が始まる、怒涛の一年次も残すところ後3か月となってくる。その為に一旦インターンから戻った龍牙は雄英の寮の自室へと返って来たのだが―――そこで自分を出迎えてくれたのは葉隠であった。彼女がいる事に龍牙はまるで驚く事もなく当然のように受け止めていた。
「そっちはそっちで大変だったんじゃないの?」
「うんまあね、私の個性だと出来る事があるって結構なお役目貰えちゃって結構忙しかったかな。いやぁ人質がいる建物への
葉隠はヒーロービルボードチャートにてナンバー10にランクインしているベテラン実力派、具足ヒーロー・ヨロイムシャの下で芦戸や青山と共にインターンに励んでいる。そんな彼女は基本的に芦戸や青山とのチームプレイなどに磨きをかけながら互いを補いつつも己に何が出来るのかを把握しながら経験値の蓄積を目的にしていったのだがその中でも際立った活躍をしていたのが葉隠だった。
姿を見せないまま敵陣へと深く切り込んで情報収集する事が出来るという特性は非常に有力。その為か、度々発生した人質を取った凶悪な立て籠もり事件において彼女は度々敵陣へと潜入して情報収集を責務として単独潜入任務を与えられた。そしてそこで見事な情報の確保、時には脅迫として準備されていた爆弾を探し出してこっそり外に運び出すという事までやってのけた。
「情報を手に入れたりするには透明化出来る人が一番適任だからね」
「まあそれは分かってるんだけど、私戦闘能力的には低いのにお願いされるからもうね……だからヨロイムシャさん経由である人から近接格闘術を教えて貰ったの、結構筋が良いって褒められたんだよ」
「へぇっ……前に護身術程度は出来るって聞いたけど」
「そのお陰もあるかなぁ……それで今やそれなりの近接戦闘が出来るように成っちゃいましたエヘン」
自慢げに胸を張りながら笑みを浮かべている葉隠、潜入に適している彼女へとその個性を更に活かす為の技術が与えられたという。それが一体どんな物なのかと気になるが、それは明日行われる授業にて披露するつもりなので今ここで教えてくれなかった。
「それじゃあまた今度のお楽しみって事かな」
「うん、そういう事だよ」
「意地悪だなぁ」
「女の子は好きな男の子に対してはいつも意地悪な物だよ」
「―――そういう事をストレートに言うのはずるくないかな……」
そう言いながらも龍牙は顔を赤くしながらも彼女から視線をそらした、そんな彼を見つめながら葉隠は嬉しそうにしつつ隣に座り直すと彼の肩へと頭を預けるように体重を掛けた。驚くように身体を震わせたそんな反応を楽しむようにしながら身体を預けた。
「……暖かいね龍牙君」
「あ、ああそうだね……」
「私幸せだよ、今こうして居られるだけで本当に幸せで嬉しいの」
当たり前となりつつある彼女の素顔、だがそれは基本的には龍牙にしか見せないようにしている。その意図も彼も理解している、理解しているからこそその素顔を見るたびに照れてしまいそうになってしまう。そんな反応を楽しむようにワザとそれを言葉と行動で示しながら自らの想いを告げる。そんな彼女に応えるように―――そっと彼女の背中へと腕を回して肩を抱く。
「……俺も幸せだよ、胸がポカポカして暖かくて嬉しくて……言葉にするのも難しい位に―――堪らなくね、葉隠さん」
「有難う龍牙君、えへへっ……何だろうね、笑顔が止まらないね♪」
―――すいませんこれ以上書いたら私が死ぬ。