僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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新学期を迎える黒龍

冬休みもあっという間に終わってしまい、遂に始まった新学期。この冬を乗り切るとまた一つ年を越す。年度を越えて2年生となってまた一つの階段を登り切る事に繋がっていくのである。そんなその日の授業は実践報告会、冬休みの間に行ったインターンや自主練などで得た成果や課題の共有を目的とした授業である。それぞれが様々なヒーローの下でインターンを積んできたのでどんな成果があるのか、楽しみな一面もある。

 

そんな授業を担当するオールマイト、本来担当する筈の相澤とマイクは急用が入ってしまったらしく突然のピンチヒッターであったが特に問題もなく授業は進められていく事になった。

 

「ッシャ!!」

「おおっ今何やったんだ葉隠!?」

 

成果発表の相手としてロボヴィランが用いられ、それらが向かってくる中で同じインターン先である青山と芦戸と共に成果を見せ付けていく中で個性の関係で腹痛が起きた青山の背後から飛び掛かってくるロボヴィランを投げ飛ばしながら駆動部の接続部位を狙ってナイフのような物を差し込んでロボヴィランを行動不能にしてしまう葉隠。余りにも流麗な一連の動作に驚きの声が上がってしまう。

 

『死ネ人間!!』

「たぁっ!!」

 

迫ってくる鋼鉄の一撃を受け流すように身体の上で転がしながら相手の懐に潜り込みながら脚部を蹴って不安定すると自重を利用して地面に叩き伏せて先程と同じようにナイフを突き刺した。直後にロボはスパークをしながらショートしてしまったのか動かなくなる。

 

「素晴らしいな、葉隠少女のはもしかしてCQCかな」

「はいっと言ってももっと練習必要なレベルなんですけどね」

 

照れながらも褒められた事に嬉しそうにする葉隠がインターン先で教わった近接格闘術というのが"クローズ・クォーター・コンバット(Close Quarters Combat)"俗にCQCと呼ばれる近接格闘技術。天然のステルス迷彩を保有する彼女が単独で情報収集をするうえで最も問題視されるのが彼女自身の戦闘能力、お世辞にも高いとは言えないそれを補う為に体得を薦められたのがこのCQCだった。

 

「後これは見た目ナイフなんですけどスタンガンなんです、これなら私の非力さをカバー出来るって」

「うむ、実によいアイテムによるフォローの仕方だ」

 

女性ヒーローが勅撰する問題の多くが女性ゆえの力不足、所謂パワー不足である。単純な筋力で劣る場合が多くそれらをアイテムや技術で補う場合が多い。葉隠もそれに辿り着いたのだろう、まあ中には男顔負けの超スペック持ちの女性ヒーローもいるのだが……。

 

「でもまだまだ力が強い相手だと流しきれなくて逆にピンチになっちゃうので素直に逃げるしかないんですけどね、龍牙君今度練習に付き合って貰えない?」

「ああいいよ」

 

まだまだ発展途上なので葉隠の技術では流せる力にも限度がある、これからも技術向上の為の練習は必要になってくる。その為にも龍牙の助けを借りる事にするのだが―――それも勿論打算的な狙いは存在しており、龍牙には悪戯気にウィンクを飛ばしてくる彼女の姿が目に見えていた。そんな龍牙へと障子と耳郎が歩み寄って来た。

 

「あれ耳郎ちゃんに障子君如何したの?」

「いや改めてお礼を言っておこうと思ってさ……」

「龍牙、俺達が今日再び雄英で授業を受けられているのもお前がギャングオルカに確り話を通しておいてくれたおかげなんだ……」

 

と言われて頭の上にハナテマークを浮かべている葉隠とは対照的に思わずあ~……と言いたげな顔になって同情的な表情になってしまう龍牙。そう言えば二人は師の下でインターンに励んでいるのであった。それだけなら大袈裟ではないか、と言いたくなるだろうがその事務所にいる最恐最悪のサイドキックの事を考えるとそうも言えなくなってくるのである。

 

「え、えっとどういう事なの?」

「……俺達は王蛇に目を付けられてしまってな、気に入られてしまったんだ……」

「お、王蛇ってあのヴィラン顔負けのダーティヒーローじゃなかったっけ……?」

 

以前龍牙にギャングオルカの事務所ではどんな指導を受けるかと聞いた、ほぼその通りの指導方針が行われて障子も耳郎も大きく成長してオルカとしても出来る事ならばすぐにサイドキックに入ってほしいと思えるほどの人材になったのだが……それがいけなかった。それがオルカ最強のサイドキックである王蛇の興味を引いてしまった、引いてしまったのである。

 

「いやぁもうあれやばいわぁ……蛇に睨まれた蛙ってあんな感じなんだろうね……」

「王蛇の瞳はやばい、狂気と殺意に溢れている瞳の中にしっかりとした理性があるのにその理性すら狂っている。とにかくあの男に俺達は目を付けられたんだが……パワーコングさんが中心になって俺達をフォローしてくれたりギャングオルカが率先して自分の出先に連れて行ってくれたおかげで王蛇との遭遇は少なくなかった……」

「うわぁ……」

「まあ王蛇さんだからなぁ……俺でもあの人と戦うなんて絶対嫌だからな」

 

前以て龍牙が師匠だけではなくパワーコングや職場体験の時にお世話になったヒーローや事務員に声を掛けてフォローをお願いしていたので障子と耳郎のフォローの体制が完璧に整っていた。故に二人は王蛇からの被害を受ける事は殆ど無かった。

 

「どんだけやばいの王蛇って……」

『控えめに言ったヒーローの皮を被ったヴィラン』

「それ絶対にダメな奴だよね!?」




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