僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
楽しい宴会のような鍋パーティも終わりを迎え、身体をポカポカにしつつお腹を満腹に満たした皆を見つつも一人鍋や皿を洗い続けている龍牙。皆が食休みをしている間にさっさと作業を始めてしまってあっという間に終わらせてしまい女性陣が洗い物に取り掛かろうとしていたらしれっと龍牙がもう終わらせたよと言うので思わず目が点になるのであった。
「ちょっと龍牙君ったら手が早過ぎない!?」
「早くに片づけた方が気が楽だからね」
「龍牙ちゃんって夏休みの宿題とかも早めに終わらせるタイプじゃない?」
「あ~……そう言えば出されてた課題は貰ってから1週間で終わらせてたな……」
『早っ!!?』
と行っても龍牙の場合の課題は根津が出した課題で学校から出された物ではない。当時は個性の関係でいじめが行われる事も考えられたので根津主導の自宅学習での課題だったのだが、当然普通の中学校レベルの課題ではなく相当に難しい筈の課題であった。
「それじゃあ夏休みとかは遊びまくれたの!?うっわ私とか全体無理だよそれ、凄い羨ましい~!!」
「いや師匠との訓練があったから終わらせるのに1週間やるからそれまでに終わらせろって言われてた。出来なかった訓練を5割り増しって言われたから」
『ああっ……ごめん羨ましくない』
まあ龍牙の保護者を考えれば夏休みずっと遊べていた訳なんてない、当然夏休みだろうと訓練がなくなる訳が無かった。というかこの時に龍牙が未だに師に対して根を持ち続けている訓練である無人島での訓練が実施された本人的には忌まわしい時期こそが夏なのである。
「それにしてもお皿とか全部もうしまってるけどどうやって乾かしたの?」
「黒炎のちょっとした応用、黒炎で温めた空気を温風として当てて乾かした」
「何その斬新過ぎる個性の応用」
「最早一家にお一人龍牙ちゃんね」
そんな言葉を受けながらも龍牙はその場から退くように立ち去って部屋へと歩んでいった。途中友人達からの料理の腕の良さの称賛に応えながらも部屋へと戻り窓の外の空を見上げてみると変わらない満天の星空がそこにある。
「……綺麗な星空だな」
自分にとって見上げた星空は夢、夢は星空。手を伸ばしても届くかどうかも分からない煌びやかな光、本当にそんな夢になれるのかも分からずにただ我武者羅にそこを目指して鍛錬を重ね続けてきた。承認欲求から来る目標と憧れる最高のヒーローに重ねた夢に一歩でも近づきたかったために走り続けた。だけど今の自分にとって星空はもう既に全く別の象徴として形を変えていた、星を見ると想起するあの日の夜を―――
「えへへっ来たよ龍牙君」
「待ってたよ葉隠さん」
鍵は掛けていたがそれを合鍵で開けて入ってきた彼女は少しだけ照れるような動作を取ってから姿を露わにして笑顔を浮かべて笑いかけた。そんな彼女へと向けて振り向きながら同じように柔らかな笑みを投げかける。
―――彼女と繋がり合ったあの日の夜が思い出される。
「空見てたの?」
「ああ、良い感じに晴れてるからね」
隣に立った葉隠は同じように窓の外に広がっている星空を見る。部屋の灯りを付けなくても星の輝きと月の灯りだけで十二分に見える、それに星空の灯りで照らされているというのは中々にロマンチックな響きと雰囲気に包まれているこの空間に二人は悪い気分を持ってはいない。
「昔、見上げた空は俺にとっての憧れだったんだ」
「空が?」
「星空の輝き、かな。手を伸ばしても届きそうで届かない、伸ばす事は出来ても掴む事なんて出来ない光。それに自分を映してた」
「でも今は違う、でしょその言い方だと」
「流石、相変わらず察しが良いね」
今は違う。自分の個性で苦しんで不安を抱き続けていたころとは違う、自分は大きな希望と理解を得て前へと進み続けていく。ドラゴンライダー・リュウガ、世間一般でこの名前は既に次代のスーパーヒーローの筆頭株として認識されるようになっている。多くの人から認められている、多くの人から憧れ求められるような存在になっている。あの時の
「夢を星に宿して浮かべてた、星は決して届かない。だけどそんな星は流れ星になって俺の手に降りてきた。俺の夢はもう星じゃない」
「詩人だね、凄いロマンチックな言い回し。流石龍牙君」
「昔師匠の知り合いのプロヒーローが言ってた言葉の引用みたいなもんだけどね、なんか女性は星だとか言ってた気がする」
そのヒーローはオルカが手合わせの為に連れてきたのだが……些か女好きが過ぎる所があった。女性を星に例えて本来手が届かないからこそ口説いて流れ星にして共に歩むという持論を自信満々に龍牙に語っていた。まあ肝心の龍牙は全く理解していなかったのだが……尚そのヒーローはオルカに何を教えているんだとボコボコにされた。
「俺にとってこの星空を見て抱くのはたった一つだよ、葉隠さんとのあの一時だよ」
「―――いきなりそう言う事を言うのはずるいよ」
唐突な言葉に一瞬呆けると直後に顔が真っ赤になる、顔を反らしてそれを見られないようにしつつ片手肩を叩いて軽く抗議をするが決して悪い気持ではない。それだけ自分とのあの日の事を大切にしてくれているという事の証明でもあるのだから。
「ごめんでも俺にとってそれだけ君との思い出は特別なんだよ。色んな意味で君は初めてを貰っちゃったからね」
「ちょっちょっとその言い方やめてよ!?私がなんか龍牙君にイケない事をしちゃったみたいじゃない!?ああでも絶対的にしてないとも言い切れないから尚悪いというかその……!?」
「なんか自爆してるよ」
「うぐっ!?うぅぅぅっ~もう龍牙君の意地悪~!!!」
「痛い痛いごめんごめん待ってホントにいってぇ!!?」
自らの自爆だが、それによって半ば暴力的な気分になって八つ当たり気味に両手で拳を握り込んでそのまま龍牙へと振う。本人としても突然の事で困惑するが割かしマジで痛いのか声を上げてしまう。漸くそれをやめた彼女だが涙目になりながら
「いやそのごめんって……お詫びに何か言う事とか聞くからさ……」
「……ホントに、何でもいいの?」
僅かながらに強い言葉の圧に龍牙は出来る限りならばと付けながらも精一杯に務めさせていただきますと答える。そんな姿勢に機嫌がすっかり良くなったのか笑顔を作りながらも葉隠は意地悪気な笑みを作った、瞬間龍牙はやっちまったか!?と後悔の念を抱くのだがそれは正解のような不正解のような状態になった。袖を引っ張るベットへと案内すると共に腰を下ろさせられると―――彼女の胸へと誘われるように抱かれた。
「えへへっ……暫くこのまま大人しくしててね♪波動先輩にはずっとこうされてるって聞いたから私もやってみたかったんだ♪」
「いやねじれ先輩の場合はどっちかと言ったら撫でる目的……」
「良いから良いから♪」
何処か嬉しそうな彼女の声に龍牙も本当にこれで良いのかと思いつつも取り敢えずそのまま、彼女の想うがままにされる事にした。柔らかな感触が頭部全体を包みつつも暖かく、甘く優しく動かされる彼女の手の感触に酔いそうになってしまう程の陶酔感が襲ってくる。途轍もなく甘美で快感に満ちている瞬間に龍牙は思わずそれをもっと味わいたくなったのか、腕を回して抱き寄せてしまう。
「んっ……気持ち、良い?」
「凄い、落ち着く……気持ちよくて暖かくて……ぁぁっ駄目、これ以上は抜け出せなくなりそう……」
「良いよ抜け出せなくなっても私は……私も凄い幸せだよ龍牙君をこうして抱きしめてられる……今は、私が貴方を独り占め……」
甘い吐息が漏れる、熱を強く帯びた吐息は熱で蕩けながら抱きしめられている彼へと振りかけられる。
「貴方を本当の意味で独り占めできるこの時間が、瞬間が今凄い幸せ……ねぇ龍牙君、好きな時に甘えてね。龍牙君は今まで辛い道をたった一人で歩き続けた。休みたいときには確り休まないと……だからね、甘えたくて癒されたいなら何時でも呼んでね、私が貴方を癒すから、その為なら私は何でもするよ。龍牙君の為なら」
「葉隠さん……そんな事言われたら俺は多分、遠慮なく君に甘えちゃうよ」
「甘えてよ、好きな時に―――二人っきりになって甘い愛に溺れようよ」
「―――それも、良いかも……」
不意に顔を上げながら彼女の頬にそっと手を添える、その手の暖かさをより感じるようにその手に自分の手を重ねながら互いの愛しい体温を感じる。額を合わせながら吐息が混じり合って融け合って一つになるような距離で二人は呟いた。
『大好き』
そのまま二人は導かれるように互いの距離をゼロにして唇を重ねた。お互いが初めて行う深いキスだった。
(´゚Д゚):;*。:;ガハッ
……自分で書いてなんだけど何だこれ、いやなんだこれ……ちょっとエッチな雰囲気の二人が見たいというご意見合ったから書いてみたけど何これ……やばい龍牙そこ代わって。マジで。此処の葉隠さんの見た目シャルロット・コルデーなんだぞテメェシャルロットに何して貰ってんだというか想像してみると葉隠さんが凄い可愛くてやばいんですけどかぁぁぁぁ!!!!
兎に角一言―――
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