僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
新年、楽しいパーティの直ぐにやってくる新イベント。新しい年を祝う為に様々な催しが行われる、それは雄英でも例外ではなく学生寮では生徒達主導の新年あけましておめでとうございますパーティが開かれておせちを食べたりお餅をついたりと様々な事が行われている。当然雄英女子たちの着物姿も拝めている……のだが肝心要となっている葉隠は普段と変わらずに透明のままだった。
「如何したの葉隠ちゃん、龍牙ちゃんがいないからやっぱり寂しい?」
「ううんそんな事ないけどやっぱり龍牙君がいないと不安かなって、主に峰田君と上鳴君の盗撮が」
「「しねぇよそんなこと!!!風評被害になるからやめろぉ!!!」」
そんな認識を持たれている時点ですでに危険な段階になっているのは二人は気付いていない、というかA組もB組の女子からも二人は避けられている節があるので完全に手遅れである。
「だが龍牙がこの場にいないのは残念だ、奴手製のお節や雑煮の礼を言いたかったのに」
常闇の言葉には皆が同意している、自分達が用意しようとしていた筈のものが朝起きたらすべて用意されていた。同時に添え書きが置いてあるそこにはこう書かれていた。
『師匠からの呼び出しで出てくる、ごめん皆で食べてね。ついでにお年玉も置いて置いたから、今年もよろしくお願いします!! By 龍牙』
「普通、ダチからダチに送るのをお年玉って言うのか?」
「分からぬ。だが受け取る訳には行かん、5万など受け取れるか」
別に龍牙の金銭感覚が可笑しいわけではない、根津やギャンクオルカから貰っていた時には毎回毎回この金額だったのでそれに合わせただけである。因みにクラスメイト全員分包んであるが、龍牙の預金には全くダメージが無いというのも驚きである。因みに白鳥や壊理ちゃんにも確り送ってある。
「しっかし新年からお師匠様の呼びかけに答えるってどんだけあいつ師匠尊敬してんだよ」
と瀬呂の言葉に周囲が同意するが、同時に普段からギャングオルカの事を崇拝するレベルの尊敬を向けている龍牙を見ているので別段妙な事ととも思わなかった。そんな一方で葉隠は空を見上げながら本当の事を知っているかのように言葉を紡いだ。
「―――帰ってきたら一杯いやしてあげるからね……龍牙君」
―――ゴアアアアアアアアア!!!!
山間部に響くは雷鳴の如き龍の咆哮、同時に木霊する爆裂音と天高く昇る爆炎。その中から飛び出すかのように脱出する対の影。
「はっはぁっ!!やっぱりいいなぁっ!!お前凄くいいぞぉ龍牙ぁ!!!」
「お褒め頂き感謝の極みぃ!!!」
瞬間的に素顔を出しながら吐き出す血、既に最強形態であるビヨンド・ザ・リュウガの状態へとなっている龍牙だが……既に鎧に多くの亀裂と無数の打撃による歪み、それらを修復するような黒炎が身体中に奔り続けている。一撃一撃が身体の芯にまで響いて揺るがす、尋常ではない重み―――だが耐える事は出来る。
「この程度で俺がやられるかぁぁぁぁ!!!!!」
「はっはぁっ良い声で鳴くじゃねえか龍牙ぁ!!ならこれは如何だぁぁ!!!!」
瞬時に龍牙の眼前へと移動、それを予測しドラゴン・ストライクで迎え撃つがそれよりも遥かに軽快に懐へと這いこみながら隕石激突のような衝撃と音を巻き起こしながらの一撃が、肩へと墜とされた月の一撃が炸裂する。
「グァァッ……ゴアアアアアアアア!!!!!」
最早人語すら介さぬ黒龍、目の前の兎、ミルコの一撃を受けながらその身がクレーターへと押し込まれていくかのように抉れ、大地が変形する中心地に立っている。ミルコの必殺技である一撃を受けながらも意識を保っているどころか膝すら屈さない頑強さ、身体の鎧が砕けていくがそんな事知るかと言わんばかりに身体を抉るように入っているミルコの足を龍の顎で捉えた。
「捕ぅまエぇタぁッ……!!!」
赤い瞳が輝きを増しながらも顎の力が増す、そしてミルコを離さぬようにしながらそのままお返しと言わんばかりに全力で跳躍しながら渾身の力でまるで大地を割るかのような一撃を放つ。
「ぐっ―――がぁぁっ!!!」
大地にクレーターを作るのではなく文字通りの地割れを引き起こす一撃を受けて思わず吐血をするが、黒龍の怒りは収まらない。逆鱗に触れたかのように激昂しながら続けざまに何度も何度も地面へとミルコを叩きつけていき、そして岩壁へと投げ付けた所へ全力の飛び膝蹴りを放つ。だが―――
「ただで喰らうかよぉ!!!」
「ガハァッ……!!!」
完璧なタイミングでのカウンターが龍牙の顎へと炸裂した、浅くしか入らなかった一撃と顎へと完璧にヒットしたそれとは遥かに威力が違う。そして頭部の装甲も完全に崩落し素顔が剥き出しになると気合を込めた一喝と共に激突した岩壁から脱出しながら龍牙の頭を掴んだまま、岩壁に押し付け、足に渾身の力を込める。
「さあ今度はアタシの番だ……味わえぇぇぇぇッッ!!!!」
全力の跳躍の勢いのまま岩壁をそのまま抉るかのように龍牙を押し付けたまま走り出していく。龍牙の顔面で岩肌を削るという一切の容赦のない攻撃、それを鎧を修復する黒炎が辛うじて保護膜になっているがそれでもミルコは止まらない。狂気にも見える程の笑顔を浮かべたままで龍牙への追撃の手を緩めない。そして岩壁の終わりが見せてくると押し込みながら追撃の蹴りを加えて岩壁から蹴り飛ばす。
「ガハァッ!!」
「おら如何した、流石にもうダウンかぁ……!?」
「―――じゃねぇだろうがぁ馬鹿ミルコォォォ!!!!」
と何処からともなく飛んできたフェニックスロボのビルドがミルコへとアームを叩きつけながら地面へと押し付けて拘束する。
「な、何しやがんだ戦兎テメェ!!?」
「こっちの台詞だ馬鹿野郎!!お前龍牙を殺す気でもあんのか!?こちとらオルカに止めて来てくれって言われて飛んできたんだよ!!!テメェ通信入れてたの気付かなっただろ!!?」
とんでもなく派手な戦闘を行い続けていたのだが、これはれっきとした龍牙の訓練なのである。同時にミルコのも含めているがそれは限界突破訓練、全力全開の力で戦って己の壁を打ち破るための物。といっても訓練なので危険と判断としたらギャングオルカと戦兎がストップをかけるのだが……幾らストップをかけてもミルコが止まらなかったので大慌てで戦兎が飛んできたのである。
「……そう言えば妙に耳元がうるせぇから通信機、ブチ取ってぶん投げた記憶が……」
「それがやめろって通信だったんだよ大馬鹿ミルコォォオオ!!!」
―――ガハァッッ!!!
その時、一際巨大な吐血をして龍牙は倒れこんでしまった。意識こそあるが息も絶え絶えで指一本動かす事も敵わぬほどに衰弱しているのが見て取れるほどの超重症にミルコも顔を青くし戦兎もあからさまな程に身体が震えている。
「ギャアアアアア龍牙ぁぁぁああああ!!?確りしろぉぉ!!?」
「―――かひゅ……かひゅ……」
「わぁぁぁ本当にごめん龍牙お前との戦闘が楽しいばっかりにぃぃ!!戦兎お前フェニックスロボなら治療出来るんじゃねえのか!?」
「そ、そうだった!!お前こんな時は頭良いな筋肉馬鹿なのに!!」
「うるせえさっさと治療しろぉ!!!」
と二人はギャアギャア騒ぎながらも大慌てでフルボトルの力をフル活用して龍牙の治療に当たるのであった。そしてそこへギャングオルカが到達した時にはなんとか治療が完了して普通に立ち上がる龍牙とそれに対して泣きながら抱き付いて謝るミルコとそんなミルコに説教する戦兎という光景が出来上がっていた。
「―――ミルコ貴様……ヒーローが通信を聞き逃すなど言語道断だぁ!!これから貴様をみっちり扱いてやるから覚悟しておけぇ!!!」
「おい本当に龍牙マジでミルコ許すのかよ」
「だって師匠に負わされた最大の負傷よりマシですよ、あの時はマジで意識飛んでマジで死ぬと思いましたもん」
お久しぶりです!!こちらも復活です!!
久しぶりにヒロアカを読み直していてちょっと漫画的な表現を部分的に入れてみました、ミルコの技のあれですね。不評であればすぐに手直しはするつもりです。