僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
〈ジカンギレード!ケン!!〉
時の王者、ジオウが使う得物はジクウドライバーから出現した
「此処でケリをつける、今度こそ確実に!!」
「出来るといいなぁ……!!」
「やるんだよ、俺がそれを手伝う!!」
ジオウは咄嗟に身体を屈める、とその背後から黒炎が放射されアナザーライダーを焼いていく。前に飛び出したジオウで隠れていた龍牙が援護の黒炎を飛ばした、それに怯んでしまった隙を突いて足を掬うように剣を振るって相手を転ばせる。ジオウの視野角は270を誇る、背後で動きながら構えを取っていた龍牙の動きは途中まで見えていたのでそこから次を読み取る事は多くの戦いを積んできたソウゴには容易い事。
「だぁぁぁっっ!!」
転ばせ体勢が崩れたアナザー電王へと刃を突き立てる、だがその刃は身体を庇う様に差し出された腕によって防がれてしまう。刃が腕を貫通するが胴体へと到達する前に停止する、激痛に悶える事もなくジオウを殴りつけて強引に引かせながら刃も同時に抜かせる。立ち上がりながらも構えを取るアナザー電王に対して今度は龍牙がジオウのバックアップの為に斬りかかる。
「いい加減観念したらどうだ、もうお前も限界が近いんじゃないのか!?」
「―――さあ、如何かな」
ドラグセイバーを受け止めながら不敵に笑うが龍牙にはそれが虚勢にしか見えない、先程の力はこの世界から来る前に所持していた物だがそれがここに来て崩壊した。それはソウゴ達との戦いによるダメージによる影響が大きく徐々に身体が崩れ始め、力の保持が難しくなっている事に他ならない。
「だがライダーですらないお前に負ける程に俺は弱くはない!」
「ぐっ!!」
急激に力が増すかのようにドラグセイバーを押し込んでくる、それを受け流すが次々と我武者羅に剣を振るって来るがその一太刀一太刀が酷く重く感じられる。一太刀一太刀が大質量の大剣で斬りかかってくるかのような凄まじさを感じる、だが龍牙とて10年間剣を握り続けてきた男。そう簡単に手玉に取られる訳には行かない。全身に力を込めながら振り下ろされてくるそれらを上手く捌きながら龍頭に力を集中させた。
「腕部集中……ドラゴン・ストライクゥ!!」
「ぐぁ!!?」
「今だっ!!」
軽く打ち上げられたアナザー電王、そこへ駈け込んでくるジオウ。龍牙は軽く身体を下げ、ジオウはそれを踏み台にしながら勢いを付けた跳び蹴りを叩きこんだ。それによって吹き飛ばされるアナザー電王は大きなダメージを受けながらも未だに健在だった、矢張りアナザーライダーを倒すにはオリジナルのライダーの力で対抗するしかないらしい。如何するのかとジオウを見ると、彼は大丈夫といいながら腕に着けていたウォッチの一つを取り、起動させた。
それをジオウのライドウォッチが入れられているのとは反対側にへとセットする、そしてジクウドライバーを回転させそれを起動させる。それによって起こるのは嘗て時を駆ける電車に乗車し特異点と呼ばれる性質を持った少年と共に時の運行を守った怪人から譲り受けた力。それが今発動する。
鳴り響くのは列車が到着を知らせる音色、ジオウの背後からレールのようなエネルギーが足元へと敷かれていく。そしてそのレールを通って赤い列車が駆け抜けてくる、その列車こそ時の電車"デンライナー"。デンライナーはジオウを通り過ぎていくと次第のデンライナーの色が抜けていくかのように透明な物へとなっていく。そしてその中でジオウはそのエネルギーを受けて列車の鎧を身に着ける。
仮面ライダージオウ・電王アーマー。電王の力を受け継いだ姿、この姿ならば確実にアナザー電王を屠る事が出来るだろう。その手には電王の刃であるデンガッシャーとジオウの剣であるジカンギレードが握りしめられている、それを見た龍牙は笑いながら隣に立つ。
「さあ、龍牙行くよ」
「決めてやろう」
「うん、よぉし行こう行こう行こう~!!」
此処で本来の電王ならばちげぇだろうが!!と叫んでいた事だろうがそれは与り知らぬ事、駆け出していくジオウと龍牙は立ち上がったアナザー電王へと次々と連携の取れた剣戟をぶつけていく。
「だぁぁりゃああ!!」
「だぁっ!!」
鋭く振るわれた剣を再度翻しながら短刀を受け止める、そこを的確に突くようにデンガッシャーの刃が次々と決められて行く。豊富な経験がある二人、そして互いが互いの動きを予測しあいながらジオウが前に出れば龍牙はその隣に立ちながらも相手の動きを阻害する。ジオウが引けば代わりに龍牙が前進し足止めを行い、ジオウは次の攻撃の準備に入る。抜群の呼吸が確実にアナザー電王を追いつめ始めていた。
「グアアアアッッ……負けるか、負けるものかぁぁっっ!!」
「「だぁあああああああああ!!!!」」
叫ぶそれへと同時に決められた回し蹴り、大きく吹き飛ばされるアナザー電王は既に限界を迎え始めているのか装甲の各部が崩壊し始めていた。既に過去にジオウだけではなくゲイツやウォズといったライダーに追いつめられ、命からがらこの世界に逃れた来た身。それが特攻を持つ電王の力によって大きく揺るがされている。
「決めるよ龍牙!!」
「分かった!!」
龍牙は自らの剣を置きデンガッシャーのみを構えたジオウに合わせるようにドラグセイバーを構える、そしてそれに黒炎を纏わせ刀身を伸ばすように炎の刃を形成する。そしてジオウはドライバーにあるウォッチのボタンを押し必殺の時へと移行する。
全身からエネルギーが激流のごとく溢れ出していく、それらはデンガッシャーへと稲妻のように走っていく。エネルギーの供給を受けたデンガッシャーの刃はそれらを纏ったまま射出される。
「いっけええええええええ!!!」
「だあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
共に振るわれた剣ら、
「グアア、ギュアアアアアアア!!!」
大きく斜めにアナザー電王を切り裂いた刃は一度地中へと潜ったが直ぐに飛び出すと今度は真横に飛び切り裂く。そして最後には頭部から真っ二つに引き裂くかのように自らを切り裂いた、斬り口を焼くかのように黒炎が走った身体は小規模の爆発を起こしながら、大爆発を引き起こした。そして爆炎の中からは稲妻のような光が抜けて行き、その光は電王ライドウォッチへと吸い込まれていく。それを確認したソウゴはガッツポーズを取った。
「よぉし倒したぁ!!」
「ふぅっ……これで一件落着って奴か……」
何とか無事に倒せたことに一息を吐く龍牙、ジオウのお陰で有利に立ち回る事が出来ていたがジオウが居たからこそ取れた勝利だと剣を交えた龍牙は確信した。
「本当に有難う龍牙、凄いお世話になっちゃったよ」
「俺は何もしてないよ魔王様」
「最善最高の魔王ね」
と笑い合った二人、これにてソウゴ達がこの世界に来た目的は完遂された。これでソウゴ達は元の世界に戻る事が出来る。出来ればもう少し一緒に居たいなという気持ちもあるがそれは我儘だろうと思った直後だった、身体が重くなってきた。流石に疲れたのかと思ったが違う、身体が重くなったのではなく身体全体の動きがどんどん鈍く遅くなっているのである。
「何、だこれ……身体が動かない……!?」
「これって重、加速……!?まさか、なんで……!?」
―――詰めが甘かったな、ジオウ。
龍牙の背後から声がする、あり得ないいやあり得てしまっている。その声の主は先程自分達が倒したアナザー電王の声だった。その姿はもうボロボロになり何時朽ち果てても可笑しくないような姿だがまだ健在していた。
「お前、なんで……!?これはアナザードライブの……!!」
「残していたんだよ、これもこれっきりだが充分……リュウガ、貰うぞ。お前の力を―――!!」
それが手に持っていたのはアナザーウォッチ、それはアナザーライダーを生み出すライドウォッチ。ソウゴはその狙いに気付けたようだが身体が動かずにそれを止めらない。アナザーウォッチは龍牙の身体へと押し当てられる、するとアナザーウォッチは妖しく輝きながら起動するが、奇妙な音を立てる。
「矢張りライダーの力とは違う、だがほぼ同質だ。出来ん事は無い、ムゥン!!」
「ガアアアアアアア!!?」
「龍牙!!!」
龍牙は全身から力が抜かれていくかのような感覚を覚える、激痛と共に身体に稲妻が走り個性が強制的に解除されてしまった。そしてアナザーウォッチは妖しく輝きながらも何処か不安定そうに震えているが、それを無理矢理押さえ込むように握り込むとウォッチは姿を変えていた。
「さあ続けようかジオウ……戦いをな」