僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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厄介事が舞い込み、望む黒龍

遂に冬休みも終わって通常の授業も始まった、と言っても何も特別な事などは無く唯々単純な繰り返しの日々に戻るだけの事。その中に意味を見出し、真の力を引き出していくのかは人それぞれという事なのだろう。龍牙もそれは例外ではなく己に課せるだけの量の日に日に増やしつつも肉体の許容量(キャパシティ)を増やしつつ更に向こうへと目指して鍛錬をやめない。

 

「おい龍牙、お前さんあてに荷物来てるぞ」

「ヘイパス」

「ほいパス」

「サンキュ……ボッシュート」

 

と投擲されたそれを逆立ちしながら片腕で腕立てを行う所謂囚人トレーニング中の龍牙、足の上に乗せられている重りもあるので片腕でそれを受け取って確認すると開けられている窓から投げつつ黒炎で完全に塵とさせて無へと帰してしまう。

 

「おいおい良いのか、燃やしちまって」

「良いんだよ、くだらない内容だからな」

「どんな内容だよ、お前が燃やすって普通に気になるんだけど」

 

と興味を持つ瀬呂らに問い質されるのだが龍牙的にはこたえる気は皆無。なので無言を貫き通していると瀬呂らも諦める―――と思っていたのだがそこへ丁度帰って来た常闇が自分宛の荷物と一緒に持って来たと思われる物をダークシャドウを使って龍牙へと差し出した。

 

『龍牙、オ前サン宛ミタイダゼ』

「悪いなダークシャドウ、面倒掛けたな」

「この程度気にするな」

 

受け取りながらもそれを見てゴミに等しい物ならば即座に燃やしてやろうと思ったのだが、如何やら今度はそうはいかない類の物であると分かると腕立て伏せをやめて体操選手のように輪のように転がって立ち上がりつつ、それを睨みつけた。

 

「……」

「如何したんだよ龍牙、何が来たんだよ」

「プライバシーだ、まあ言える範囲で言えば……」

『言えば?』

「有名税だな。ありがとな踏陰、共同冷蔵庫におやつに作ったアップルパイが残ってるから食ってくれ」

「謹んで頂こう、赤き果実は我の好物だ」

 

と何処かウキウキしつつも共同冷蔵庫へと向かってダークシャドウを走らせていく常闇を尻目に龍牙は自室に戻りながら携帯を手に取って根津へと連絡をした。

 

「父さん、今大丈夫かな。今ある荷物が俺に届いたんだけど……何これ」

『……ごめん龍牙、僕が力不足なばっかりに……』

「これってあれですよね……見合いの申し込み……」

 

そう、龍牙にやって来たのは見合いの申し込みの手紙なのである。以前の冬美さん以来になるこれだが、実はちょくちょくこれらの類の申し込みは龍牙に対してはそれなりに送られてきていた。頭角を現せば現す程に龍牙の力を欲する者達からの勧誘染みた行為は加速度的に増してきた、そして九州での一件が起爆剤となったのか一気に増えた。それを根津やギャングオルカの力で塞き止めているのだが……流石の二人でも止めきれない事もある。

 

『僕も何とかしようとはしたんだけど……如何やら政府に手を回してそこから申請されたらしいんだ、僕もある程度ならば国への影響力はあるけど絶対的じゃないからね……やられたって気分だよ』

「高々見合いの為にそこまでするっていうのが俺からしたら理解の範疇の外ですよ……んで俺はこれ出た方が父さん的には助かりますよね、政府に対するアピールもありますしそこを突いてなんやかんや出来ますし」

『嫌だったら嫌って言ってくれていいよ、君には既に葉隠さんっていう彼女さんがいるんだからね』

 

それを言われると恥ずかしくなるのか頬を欠く、根津としては愛する息子である龍牙に相手が正式に出来た事は酷く喜ばしい。本当に細やかな願いとしては息子の結婚式に出席して、それを祝福したいと思っているので万々歳。なので今回のような見合いの申し込みも立場的には受けて欲しいのもあるが、父親として子供が拒否すれば全力で立ち向かうつもりでいる。

 

「こういう事になる事自体は予想してた、ミルコ姉さんからも入院した時に注意しとけって言われた。その為に父さんに作法とか色々教えて貰ったんじゃないですか。それに―――俺は葉隠さん一筋だよ」

『おいおい僕に対して惚気るのかい?参ったね、まさか息子にこんなことをされるなんて思っても見なかったよ。分かった、この話は受ける方向で進めておく。でも何かの為の備えとして戦兎にも声を掛けておくよ』

「俺の方もヴェノムに同化して同行して貰うように話を通しておきます、そうしておけば最悪腹をぶち抜かれても生きていられますから。毒物の類は師匠のお陰で利きませんし」

『まさかやりすぎだと思ってた対毒物訓練が効果を成すなんてね……あの時だけだったよ、僕が本気でギャングオルカを殴り飛ばしたのは』

 

ヴィランへの個性対抗訓練の一つ、そして根津が話を聞いた時に顔を真っ青にしてリカバリーガールと共にギャングオルカに詰め寄って大説教をかました訓練が対毒物訓練。生物にとって共通にして大敵である毒、それに対する抵抗力、免疫力を付ける為の特殊訓練。その訓練方法というのは非常に単純明快―――毒を摂取した後に解毒薬を飲んでいくのを繰り返す。以上。

 

『龍牙、生物である以上最も利く攻撃が何か解るか』

『生物……えっと、病気?』

『うむっ正解でもあるが不正解だ。毒だ、生物である以上に効力がある物を探すのは難しい。故に今回はそれに対する知識などの特殊訓練だ』

『ばっちゃんとかの特別授業って事ですか?』

『戯け、リカバリーガールにも都合があるのにそんな事が出来るか馬鹿弟子。此処に各種毒類とその解毒薬を準備した。これらを交互に服用しろ』

『そんな訓練ってありなんですかぁ!!?』

 

それで本当に耐性が付くのか甚だ疑問だったが、龍牙の個性の関係ゆえか、それとも人体の神秘なのか、龍牙は毒に対して強くなった。その関係か媚薬系に対しても強くなったのは完全な誤算だが今回は良い方向に働く事だろう。なので実は王蛇とはそれなり上手く戦えるのだが……王蛇の毒はそれすら貫通しかねない程にやばい毒という異常性を持っているのでオルカも全力で戦わせる事はさせたくないと思っている模様。

 

「にしても……見合いって結局冬美さんとの形だけのしかやらなかったけど……見合いって一対一じゃないのか……?なんか双子の美人さんの写真がある……どっちと見合いするんだ俺」

 

そこにあったのは煌びやかな金髪に美しい笑みを浮かべた美女と僅かに灰色が掛かったような艶やかな銀髪に何処か不満そうで不機嫌そうな表情を作っている美女がそこにあった。何処か不安が駆け巡る中、龍牙は唯々それに臨むだけだと思いながら思いを馳せた。




思いのほかFateのステータスが高評価でビビっております。これはヴィランサイド龍牙も需要あるか……?
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