僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
「本日は心より感謝させて頂きます黒鏡さん、こうしてお会い出来た事を心より感謝申し上げます」
「此方こそお会い出来て光栄です」
「よくもまあ会おうとも思ったわね、天下の雄英生にして今を煌めく黒龍様なんてお忙しいでしょうに」
見合いの会場は奇しくも以前冬美との偽装見合いとの場に使われた料亭が指定される事になった、そこがずば抜けて格式高い料亭というだけではなく様々な理由などが絡んでいると知った時に、龍牙は改めてエンデヴァーの力などを実感しつつ未だ貧乏性がある自分が行くには辛すぎる場だと頬を引き付かせた。そして本日の見合いの相手との挨拶を交わす……。
「忙しいと言えば忙しいですね、ですがその程度の事で人と会う約束を無碍には致しません」
「ふぅん……」
「ちょっと……そんな失礼な物言いはダメですよ……」
「何よこの位いいじゃない、下手に気取るよりも素を見せ付けた方が心象が良いって言ったのは姉さんじゃない」
「だからと言ってやり方にも方向性という者が……」
あからさまな程に不機嫌ですと言いたげな表情で姉を睨みつける白い肌と相反するように黒いコーディネートで統一している弧弓 竜汝。そんな妹に正直で居た方が良いだろうとアドバイスはしたがもっとやり方があっただろうと叱る柔らかく暖かめの色の服の優しそうな弧弓 聖。
「申し訳ありません黒鏡さん、妹が失礼を……」
「お気になさらず、私のクラスメイトには誰彼構わずに暴言を散らす凶暴性の塊のような人が居りました。ですが彼の周囲には人が絶えず必ず頼られるんです、ですから自分に素直というのは大きな美徳だと思いますよ」
「へぇっ分かってるじゃないアンタ、少しは見直してあげるわ。ほんの少しだけ、よ」
「恐悦至極」
「ちょっと邪ンヌ!!」
「その呼び方やめなさいって言ってじゃないのよ!!」
とうとう妹の暴言に我慢出来なくなったのか、姉の方が軽く妹の方の頭を引っ叩く。そこからもう軽い口喧嘩に発展してしまう、本当にそこは見合いをしているのかと言わんばかりの光景なのだが肝心要の龍牙は姉妹喧嘩はこんな感じなのかとズレた反応を示しつつ、もしも白鳥と喧嘩した時に気を付けておこうと心の中に留めておくのであった。
「本当にお恥ずかしい所を……」
「何よ、元はといえばアンタが原因じゃないのよ……」
軽くボロボロになっている二人、折角美しくセットされていた髪形が崩れていたり服装も少し荒れていたりしているのだが龍牙的には全く気にならないので大丈夫、喧嘩出来るような関係である様で羨ましいですとだけ返しておく。
「それと何故
「はい……大した理由などではないのですが私達の家はジャンヌ・ダルクの子孫という話があるのです」
「ジャンヌ・ダルクというと……あの聖人の」
「聖人って言っても唯の脳筋女よ、あれの何処か聖人なのよ。お陰でこんなあだ名まで出来て大迷惑よ」
曰く、ジャンヌ・ダルクの血を受け継ぐ家らしくその風習として女の子が生まれるとジャンヌに肖るという物が残り続けているらしい。特にこの二人は聖女様に似ているとされており、二人ともジャンヌという名前を貰っているらしいが……竜汝曰くそれを酷く嫌っており、聖と見た目はそっくりなのに性格的な差が大きいので邪ンヌと呼ばれるようになっているらしい。聖の方もジャンヌと呼ばれるが、竜汝の場合は邪の部分を強調するようにするらしい。
「それだったらオルタって呼ばれた方が遥かにマシだわ!!」
「オルタ……?」
「ああはい、以前親戚の方が冗談半分にオルタナティブからオルタと呼んだのです。ジャンヌ・オルタと」
「いいじゃないオルタ」
彼女本人としてはそれなりに乗りき且つ気に入っている節すらあるのだが聖自身はどうやらかなり気を遣っているらしい。そもそもオルタナティブとは代案、代替品という意味になる。自分と比べて竜汝は粗暴な面が強く、自分の方が優秀と言われる事が多くその事にもかなり敏感になっている故だろう。きっとそれも皮肉的な意味で気に入っているのだと―――
「私もカッコいいと思いますよオルタ、凄いクールじゃないですか」
「えっ?」
「そうよ分かってるじゃないアンタ!そう、オルタなんてスゴイ心を揺さぶる響じゃない!!必殺技の後に着けるだけでもグッと深みが増すのよ!」
「分かります分かります!!ボルテック・フィニッシュ・オルタナティブみたいで良いですよね!」
「何よそれ超いいじゃない」
のだが一瞬にして妹と龍牙が打ち解けてしまった。何時の間にか自分の好きなヒーローの必殺の名前にオルタと付けてみたらどれがカッコいいという話にまで発展している。自分が今まで気を付けてきた事、妹が絶対に皮肉的な意味で気に入っていたと思ったいた事、そしてそれを根に持っていると思い続けてきたのだが……それが完全な勘違いだったのかと疲労が滲みだしてきた気分だった。
「黒鏡さん、いや龍牙。貴方は見所があるわね、黒龍だし、私の心が理解出来るなんてすばらしいわ、黒龍だし」
「此方こそまさかこのような場で此処まで話が合うとは思いませんでしたよ」
「私の事はオルタでいいわ、こっちも龍牙って呼ぶから。後敬語もいいわ」
「わかり、いえ分かったよオルタ。こっちもよろしく頼む」
「ええっ!」
と数年見た事が無いようなキラキラとした表情を見せる妹に喜ぶべきなのか、それとも自分が盛大な勘違いをしていた事を恥じれば良いのかと分からなくなってきた聖は思わず頭痛を感じるのであった。
「あらっ如何したのかしら麗しいお姉様、私が龍牙と仲良くなったことがそんなに嬉しいのかしらぁ?」
「ええまあ……そうでもあります、かね……」
「あら珍しく素直……」
「私の今まで気苦労って一体……」
「相談乗りましょうか、これでも人生経験なら自信ありますので」
「素直に頼りたいぐらいです……」
―――細工は流流仕上げを御覧じろとはよく言った物ですねぇ……フフフッ天使と悪魔の両立は大変ですねぇ。
まあうん、FGOのお二方です。
名前については悩みましたが、ダルクには弧、弓という意味があるらしいのでそれを頂いて。名前に関しては聖女である事、竜の魔女である事を使って考えました。
オルタの方はオルレアンにゲオル先生が居たので、汝は竜!!から竜汝という感じにしました。