僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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新たな家を担いそうになる黒龍

「新たな家系!?」

「済まぬ急ぎ過ぎてしまったな、謝罪をしよう。一つずつ話を行って行こう」

 

突然の祖父の言葉に動揺する龍牙、それに対して頭を下げつつ一つ一つ確かめるように事情を話す翁。今回の鏡家、そして他の分家の一件は神使としては赦し難い事。故に分家としての資格をはく奪し複数の分家を一つに統一し監視や管理などをする新たな分家を設立する事を翁は決意した。但し、神使の分家は政府としても重要な物を意味する故ある程度の分家の数を維持する必要がある。

 

「新たな分家、黒鏡家を分家として認可しその当主を汝に任せたい」

「いやいやいや話は分からなくもないけど俺が当主ってお爺ちゃん何言ってるか分かってる!?俺まだ未熟な餓鬼だよ!?」

「落ち着け孫よ。実質的な実務や責務は我々より代理の役目を担えるものを送り、暫しの間代理を務めながら学ぶ期間を十二分に置く」

「いやだからって……」

「いや悪くないとは思うぞ」

「戦兎兄さん!?」

 

とそこで援護射撃が舞い込む、翁へのではあるが。戦兎の言葉に思わず驚きをもって振り向いてしまう龍牙、一体何を言っているんだと言いたげな表情をしているのだがそれを諫める。

 

「神使からのバックアップも十二分にある上に社会的な地位まで保証される、色んな意味でお前は守られる事になるし誰かを守る力を一気に手にする事になる。家を持つって事はそれなりの土地も与えられるって事だぜ」

「ウム。相応しい土地を与える腹積もりだ」

「つまり―――義兄的な立場の俺の実験設備も置けるって事だろ」

「―――おい

「OKOK、落ち着け弟者……軽いジョークだってば……」

 

軽く殺気立った龍牙のそれは流石の戦兎でも汗を流し、白鳥はヒェッ……という悲鳴を上げ、翁は感心の声を漏らす。何故ならば彼のそれはギャングオルカ仕込みというだけではなく血筋で言えば翁のそれに近い物がある。

 

「まあ色々と面倒事もあるだろうけど……ぶっちゃけ、お前事務仕事辺りとか校長と師匠に仕込まれてるから全然いけるだろ。校長は帝王学に経営学辺りも仕込んだって言ってたぞ」

「確かに勉強の一環として何処まで行けるのかみたいなノリで教えて貰いましたけど……」

「いや普通教わらないでしょ、私でもそんなの教わらなかったよ?」

「矢張り我が孫は有望株、白鳥もこれから精進せよ」

 

一番嬉しそうにしているのはお爺ちゃんな辺り、実は孫煩悩なのかもしれないと戦兎は思いながらも本当に血筋からハイスペックな人間なのだと思う。こんな息子と確りとした関係を築いていたのなら今頃凄い事になっていただろうに……。

 

「だからって……」

「それに龍牙よ―――其方は既に互いに愛し合う女子がいると聞くが?」

「んなぁっ!!?」

「わあぁっ♪」

 

なんで祖父がそれを知っているんだ!?と驚く龍牙だが、直ぐに理解する。自分の事を調べ上げたのならば様々な事に及んでいる可能性が考えられる、詰まり根津やギャングオルカにも話がいっている可能性は否定出来ない……いってなくても戦兎が話している可能性は十二分にある。そして白鳥は流石に年頃の女子という事もあって酷く興味津々といった様子で瞳を輝かせている。

 

「お兄ちゃん相手誰!?あの葉隠さんとかピクシーさん!?それともそれ以外の人!?お兄ちゃんモテるもんね!!」

「近い近い近い!!後俺はモテない!!」

「えっ何で!?」

「個性の印象が強すぎるらしい、あと葉隠さんだよ」

 

別に隠している訳ではないので素直に白状をする。だが騒ぎになる事は望んでいる訳ではないので雄英で話さないように厳命だけはしておく。それを聞いて更に瞳を輝かせながら一体どんな経緯があって付き合ったのかどんなシチュエーションで告白が起きたのかまで細かく聞きたがってくることに圧力を感じて致し方ない。女性はこの手の話が大好きという事は聞いた事があるが此処までとは思ってもみなかった。

 

「っつうか龍牙ってモテないのか、くっそ意外だな」

「如何にも戦ってる姿が余りにも印象的過ぎるらしいよ、まあ俺は如何でもいいけど」

 

そんな風に返しつつも龍牙は戸惑っていた。自分のこれからの将来というものは考えてみれは酷く曖昧な物だった。師匠のようなヒーローになる、そして何時の日か考えた自分のように個性の影響を受けてしまっている人達の為に動きたいという夢しかなかったのだが、それらを急速に叶えられるような力と立場が与えられようとしているのである。戸惑わない方が異常、だがそれでも素直に喜ぶべきなのか迷っている。

 

「龍牙、我が望むのは新たな時代、それのみ。新世代であり次代を担うお主に託したいと思っている、ただそれだけ。どのように栄え、どのように終わりを遂げるも好きにせよ。光を担う新たな家を汝ならば正しく導ける」

「……考えてみる」

「うむ、今はそれでよい」

 

そう言われ、その話はそこで終了した。続けられたのは妹からの葉隠との現在の関係やらの追及などで考える時間を上手く取る事が出来なかった。そして神使の家でのそれらを持ち帰って雄英へと帰った龍牙は……

 

「葉隠さん、えっとその……俺が新しい家を持つ事になったって言ったらどうする?」

「えっどういう事?」

 

彼女と一体どんな選択をする事になるのだろうか……それは直ぐに明かされる事。

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