僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
今回も、初期に葉隠さんが怖がり話しかけなかった場合というIFになっております。なのでかなり異なっている所があるのでご了承ください。
「ねえねえっこんなところで如何したの、お弁当を食べてるの?食堂あるのに不思議だね!」
「……えっと」
龍牙はその日も一人で食事を取っていた、初日の一件以来クラスの皆と距離を取り続けている彼は常闇という自分の個性に何処か憧れのような視線を向けてくる一人としか仲良く出来ていない。そんな常闇も他の生徒との交流があるのでそれを邪魔しないように龍牙は食堂を利用せず、外で適当な木陰で作ってきた弁当を独りで食べていた。そんな中、一人の女子生徒が自分を見つけるとすさまじい速度で駆け寄ると興味津々と言いたげに此方を見つめてきた。
天真爛漫を絵にかいたような好奇心旺盛な振る舞いと笑顔を浮かべながら此方を見つづける姿に龍牙は呆気に取られて目を白黒させ続けていた。
「あっそっかそっか自己紹介がまだだったね、ごめんね。私は波動 ねじれ、雄英の三年生だよ」
「せ、先輩だったんですか……えっと、1-A組の黒鏡 龍牙と申します。宜しくお願いしますえっと、波動先輩……?」
「ん~!!」
先輩と呼ばれたねじれはまるで快感に身を震わせるように天を仰いでしまった。そんな姿に龍牙は驚いたが直後に彼女に抱きかかえられるように抱きしめられると彼女は頭を撫で始めた。
「うんうんどんどん先輩って言って言って!!私先輩って言われるの憧れてたんだぁっ~♪皆波動さんとかねじれちゃんって呼んでくれるんだけど、だからこそ先輩って呼んで貰いたかったの!!ねえねえもっと、もっと呼んで!!」
「は、波動先輩」
「良い感じ~!今度はねじれ先輩でお願い!!」
「ねじれ先輩ってこんな感じで良いんですか?」
「うんうんいいよ良いよ~!!!龍牙君だっけ、これからも気軽にそう呼んでね~!!私は頭も撫でたいから、不思議だね何でこんなに撫で心地いいの?」
「いやそう言われましても……(汗)」
それが始まりだった。自分にぐいぐいと迫ってきて気軽に接してくれる先輩、波動 ねじれとの出会いがそれだった。
「ねえねえっっ龍牙君のお弁当って本当においしそうだね!!」
「今度先輩のも作りましょうか、好みの献立とか言ってくれれば入れますから」
「良いの!?やったっ~!!」
小さな子供のような天真爛漫さを発揮しながら龍牙と共に居る彼女、変わらないように一人で弁当を食べようとすれば決まって彼女と遭遇して一緒に食べるようになっていた。ねじれ曰く、何となくだけど龍牙の居る場所は分かるとの事。不思議だね!というが龍牙からしたら自分の居場所を完璧に把握する彼女の方がよっぽど不思議である。が、そんな不思議な先輩との一時を何時の間にか龍牙は心待ちにするようになっていった。
「ねじれ先輩、今日は重箱に挑戦してみましたよ」
「わぁっ大っきいねっ!!これ全部龍牙君が作っちゃったの?女子力って奴が凄いんだね!!」
「毎日手作りしてたら自然と誰でも出来ますよ、さっ先輩の好物もいっぱい入れましたから思う存分食べてくださいね」
「わぁ~い龍牙君優しい~!!」
唯々自分の空腹を満たすだけだった弁当もねじれ専用の物を自分で買ってきて、彼女の為に作った弁当の献立を毎日考えるようになっていた。好きなメニューを考えつつも栄養バランスや見栄えなども確りと計算して作った物を彼女は笑顔で美味しい美味しいと言って完食してくれる、本当に龍牙はそれが嬉しくて堪らなかった。
「ねえねえっこの子だよ、前に私が言った大好きな後輩君!!」
「おおっ君が波動さんのお気に入りの後輩君か!前途~……?」
「えっと、多難~……?」
「アハハッそう正解!!結構掴みは良い感じだったね!!!」
「ミリオ、それは如何かと思う。いきなり初対面の後輩に……というかこんな昼食の場に誘われて緊張で作って貰った重箱のご飯が喉を通らない……申し訳なさ過ぎて帰りたい……」
それだけではない、ねじれは友人とも言える3年の先輩を自分に紹介してくれた。それが彼女を含めてビック3と称される雄英でも最強の三人のうちの二人、通形 ミリオと天喰 環だった。ねじれに負けず劣らずのインパクトを持つ二人に驚きを隠せなかったが、龍牙は気付けば打ち解けて仲良しになっていた。
「その、俺の個性って怖くないですかね……」
「全然怖くないよ、寧ろ凄いイケてるしカッコいいじゃないか!!うん、めっちゃくちゃイケてるよ龍牙君!!」
「うん私は大好きだよその姿!!」
「……インパクトはあるけど怖くはないよ」
龍牙にとって大きな意味を持つ言葉もビック3は与えてくれた、それを聞いて龍牙は思わず個性を解除して大粒の涙を流してしまった。それに驚いてミリオは取り乱しながら必死に龍牙をなだめ、環は自分の言葉が傷つけてしまったのかと自虐に走りつつも必死に背中をさすり、ねじれは龍牙を抱きしめてそれを受け止めていた。
「頑張ってね龍牙君、私は3年の種目に出ないといけないけど応援してるよ!!」
「はいっ頑張ります!!後で一緒にご飯食べましょうよ、ミリオ先輩と環先輩も一緒に。今日は一段と気合を入れてお弁当作ってきましたから!!」
「期待しちゃうよ~!!」
気付けば龍牙はA組の皆ではなくねじれやミリオ、環と言った人たちと一緒に居る時間の方が遥かに多くなっていった。そして体育祭でもねじれの応援を受けて龍牙がそれに臨んだ、そこで自分の唯一とも言えるA組の友人である常闇と激突し、彼をライバルと認めた末に自らの全力を振り絞り個性を完全に発動させた。大勢が見る中でリュウガとしての姿を露わにした。相澤は爆豪と麗日の時のようなブーイングが起るのではと警戒していたが―――それすら起こらなかった。
巻き起こったのは静寂、誰も何の言葉を発さない静寂だけがそこにあったのだ。皆が龍牙の恐ろしさに言葉を失い、その力に恐怖を感じていた。誰も口を開けぬ中で戦い続ける龍牙と常闇、だがそんな龍牙を応援する声が観客席から会場全体に響いたのだ。
「頑張れ~龍牙君~!!応援してるよぉ~!!!いけいけぇ~!!!!」
ねじれだった。自分の出番も近い筈の3年の会場から彼女は1年の会場に駆けつけて精一杯の声援を送っていたのだ。静寂を破った自らへの声援を受けて龍牙が全開の力を発揮して常闇と激突し、満足の行く結果を迎えた。
「龍牙君、本当に良く、頑張ったね、本当に、本当に……!!」
「ねじれ先輩……先輩が、応援してくれたからっ―――俺は頑張れたんです……本当に、有難う……!!」
龍牙は結果として1年の部では準優勝に終わってしまったが、それをねじれは心から褒めた。そしてそれを龍牙はねじれからの声援があったからこそだという、静寂な場を打ち壊してくれたその声は龍牙の中にあった障害も打ち払い全力を尽くす事が出来た。全てねじれのお陰だった、此処まで自分がこれたのも、全て……。
「―――あの、ねじれ先輩……そのえっと」
「何、如何したの龍牙君?」
「……これからも頼っちゃっても、良いですかね……?」
「―――勿論良いに決まってるよ!!私は龍牙君とずっと一緒に居てあげるからね!!」
ねじれのそんな言葉に偽りは一つもなかった。その日から二人はより親密で密接な関係を築くようになっていった時折休み時間や放課後に、木の木陰で互いに肩を貸しながら眠りについている姿が目撃されたりするようになった。その時の二人は本当に幸せそうにしながら共に時間を過ごしていた。龍牙は未だにA組の皆とは完全に打ち解けあえてはいないが、今はそんな事は気にもならないのかもしれない。
「龍牙くんっ……ムニャムニャ……」
「ねじれ先輩……すぅすぅ……」
二人は本当に幸せそうに眠っている。目を覚ませば手を繋いで何処かに遊びに行ったりご飯を食べに行ったりするだろう。龍牙は満足出来ている、ねじれという深い絆で結ばれた相手が出来たのだから。今はきっとそれ以上は望まないのだろう。
「行こうか龍牙君」
「ええっねじれ先輩、いえねじれちゃん」
―――という訳でねじれちゃんルートでした。こちらはリューキュウルートとは違って年上というよりも先輩後輩を意識した感じになった感じですかね。
A組とはまだ仲良くなれきれないけど代わりにミリオと環と仲良くなっていく感じですね。多分職場体験もギャングオルカじゃなくてリューキュウの所に行ってますね。ちゃんと許可を取った上で。