僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
「龍牙君、お久しぶり!!」
「あの時以来ですねメリッサさん」
「もうメリッサで良いって言ったのに」
「此方こそ龍牙で良いと言った筈ですけどね」
談話室、そこへと通された龍牙を待っていたのは嘗て訪れたI・アイランドにて交友関係を結んだだけではなく今も戦力として大活躍しているビートクローザーの制作者であるメリッサ・シールド。互いの居る場所もあるのでメールでのやり取り程度でしかなかったのだが、こうして再会できたことに喜びを込めて声を送っておく。そして隣の男性も穏やかな笑みを浮かべながらも手を差し伸べると龍牙はそれを取って握り返した。こうして会える事も光栄だがそれ以上にまた会えたことが嬉しい。
「また会えたね龍牙君、あの時は本当に迷惑をかけてしまった」
「お気になさらずデヴィットさん、あれはあれらのせいで起きた事件なんですから」
メリッサの父親でありオールマイトのコスチュームを担当するだけではなく個性社会に多大な貢献をした科学者であるデヴィット・シールド。そんな彼が嬉しそうにしながら手を握り込んでくる、I・アイランドの一件で立場が悪くなりそうになったがその時は戦兎が上手くフォローやらをしたお陰でデヴィットは何の影響もなく、今も社会の為の研究をし続けている。
「君もまた、本当にトシと同じ位に無茶をする子だね。戦兎から話を聞いて驚いてしまったよ」
「いやまあ俺も好きでああなった訳じゃなかったんですけどねぇ……まあ無茶はする方だとは思いますけど」
「私も驚いちゃった、後その事で私も怒ってるからちゃんと反省してよね?」
「アハハハ……はい……」
怒ってます、と言いたげな顔と口調でお説教をするかのように注意を促す愛娘とそれを受けて困った顔をする少年を見て思わず笑ってしまう。これが今現在アメリカでも話題になる程の新世代ヒーローの中心的な人物なのだから。此処だけを見たらそうは見えない、ある意味オールマイトとは真逆の人物。
「それで本題だが……戦兎の要請を受けて僕とメリッサ共同で君専用のコスチュームはほぼ完成している。まあ厳密に言うと僕たちだけじゃなくて途中から何処からか話を聞いた物好きが割り込んできた結果凄い事になったけどね」
「物好きって……何方なんですか」
「君も名前は知ってる人物さ、後で教えてあげるさ」
何処か勿体ぶる口ぶりに気になってくるが兎に角席に付きながらも茶を啜りながら話を聞いていく。今回戦兎からの話は龍牙の個性と完全に同調する新型コスチューム開発。個性発動と共にコスチュームが個性と融合するように装着者のポテンシャルを底上げし攻撃防御移動、あらゆる分野の力を増幅させるというかなり難しい要望だった。
「流石の戦兎も手を焼いてたらしくてね、僕にも声を掛けてくれたらしい」
「あの戦兎兄さんが……」
「幾ら戦兎さんの個性で龍牙くん……龍牙の個性のデータがあると言っても中々に難しい事なの。完全個人仕様の完全個性同調系コスチュームなんてヒーロー全体で見てもそうはいないわ」
個性と同調する、という事自体は珍しくはない。例えば超高速で走る個性があるとする、その場合は個性の力を受け止めながら行動の阻害などを無くし補助をし摩擦で破れたりしないコスチュームもそれに当たる。だが完全に同調するというのは難しい。特に龍牙は全く別の物に変身する個性、それと同調いや融合するというのは無茶振りもいい所の難題。
「俺なんかの為にご迷惑かけてすいません……」
「いやとんでもない、僕たちは感謝してるぐらいだよ」
「そうそう、逆にいい経験になったわ」
「えっ……?」
コスチュームやアイテムの開発の大変さは流石の龍牙も経験した事が無い、故にどれだけの事なのか分からないが凄い苦労させてしまった事だけを理解して謝罪するのだが寧ろ感謝をされた。
「君の個性のデータを貰った時に失礼ながら興奮しちゃったよ、これだけ凄い個性に耐えうるコスチューム開発に携われるって事にね。更にそれを更に伸ばす為の研究なんて中々経験出来ないんだよ」
「うん、今回の一件で私もパパも新しい開発が出来ちゃって特許が取れる事になったの。それぐらい龍牙の個性は刺激的なのよ」
そう言う物なのだろうか、確かにI・アイランドでは戦兎に凄い自分の個性を褒められた事があったが……それだけ自分の個性は興味深いという事なのだろうか。これを昔に知っていたら自分はもっと違っていたのかもしれないなと思わざるを得ない。
「後は君の今の力のデータを取ってインストールするだけなのさ、最新のデータを戦兎から貰ってるけど君は相当に成長が速いから今のが欲しくてね」
「そうそう、あのビヨンド・ザ・リュウガって奴を是非見せて欲しいの!!私ネットの貴方の勇姿を見てもうファンになっちゃったの!!」
「そうなんだよ、君の九州の一件は
「え"っなんですかそれ」
「アメリカのヒーローが本格的に君のスカウトに動こうとする位に君は注目されてるよ」
既にI・アイランドに行った当時からかなり注目を集めていた龍牙。それはオールマイトの引退を機に注目が日本へと集まっている時に巻き起こった事件で更に加速していったらしい。既にアメリカではスカウトに向けた動きが活発化しているらしい。
「そして今回君のコスチューム開発にとある人が協力してくれたんだよ、そのお陰で私達だけではありえない速度で形になったと言ってもいい。まあ戦兎と同じく、自分だけでも完成させて見せたって言ってたけどね」
「あの人らしいわよね、戦兎さんも全く同じことを言っちゃうんだから」
「一体どんな人が……話しぶりからすると戦兎兄さん並の天才って事ですよね……」
「そうだね、戦兎と同等の大天才だね」
話を聞けば聞くほどにどんな人物なのか気になってしまう、デヴィットが認める程の大天才。戦兎と同等であり自分も知っているような大天才……ハッキリ言って全然思いつかないがそんな人が手を貸して作り上げられたスーツというのは一体どんな物なのかワクワクして身体が疼いてきてしまう。
「嬉しそうにしてくれて嬉しいな、それじゃあ受領の為に君のデータを取らせてくれないかな。ビヨンド・ザ・リュウガって奴の力を」
「勿論、存分に取って下さい」
さて一体どんな天才なんだその人は~……多分皆さんも分かる人。