僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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遂に再戦をする黒龍

コスチュームを受領した翌日、制服に手を伸ばしそうになったその手を止めながら赤と金という龍牙的には趣向というか余り合わせない色彩のそれに袖を通す。

 

「シャナ、結局あの後の結果は」

『全世界のサーバーを中継されており、アメリカ、インド、イギリス、ドイツ、フランスまで追跡出来ましたがそこまでしか』

「仮にその先に行ったとしても個性による妨害で尻尾を捕まえるなんて出来なかっただろうけど……少し悔しさもあるな。必ず蹴りをつけてやる」

 

袖を通し終わるとそこにあるのは龍牙としてではなくリュウガとしての表情を覗かせている、既にそれが彼の中でコスチュームだという事を確りと認識されておりこれは戦装束だという意識を作り上げている。実際このままで戦ったとしても刃どころか銃弾すら跳ね返す程の強度がある、だがこのままだと流石に授業を受けられないので胸部分を軽く叩いてやる。するとコスチュームは形態変化を起こして雄英の制服へと変貌すると表情も龍牙へと戻って行く。

 

「鏡の前だと余計に此処まで変わるのかって思わせられるな……」

 

最後に戦兎製のサングラスを掛けて完了、そんな風にしつつ準備が済むと部屋を出て朝食へと向かって行く。

 

「よぉっ龍牙、今日はこの後直ぐに授業だけど急がなくていいのか?」

「そういう切島こそ良いのか」

「俺はもうコスチューム取りに行くんだ、んじゃな!」

「おう、俺も直ぐに出るさ」

 

部屋を出て朝食をゆっくり取った後に食後の緑茶を楽しんでいるともう出るらしい切島に声を掛けられる。今日は一日全てを使った授業があり総合的な訓練が成される事になる。戦闘、救助などを組み合わせた訓練になるので一日全てがヒーロー基礎学へと当てられて生徒はグラウンド・βに現場集合という事になっている。故か今日は皆の動きが慌ただしい上に早めに寮を出る生徒が多数、コスチュームは教室にありくる前に確りと取りに行くようにと相澤に釘を刺されている、忘れたら唯じゃすまない。

 

「そっか、皆大変だな……んじゃ俺も行くか」

 

と最後までお茶を楽しんだ後に龍牙も動く事にした。ドライバーは確りと持っている上にドラゴンも当たり前のように頭の上でくつろぎ続けている、何やら今日の授業は大変そうらしいから自分も気合を入れておかなければならない。そんなこんなで龍牙も寮から出てβへと向かって行く、着いたのは授業開始5分前だったのでくそ真面目が取り柄の飯田から注意を受けてしまったのは素直に反省した。

 

「龍牙、お前コスチュームは。ああいや個性の関係でお前はアイテムだけでいいんだったか」

 

と唯一制服のままな龍牙に焦凍がツッコむ、のだがそこで全員が龍牙の個性特性の事を考えると特にコスチュームの意味が無い事を思い出す。頭の上のドラゴンとドライバーさえ最低限持っていれば問題ないのである。そういう訳ではないと訂正しようとしたのだが相澤にオールマイト、そして戦兎にミルコまでもがやって来たので話は中止となった。

 

「おい黒鏡、お前制服のままか」

「ああいえこれコスチュームなんです、新しい」

「……ああそうか、それが噂のあれか」

「あれです」

「ぐぬぬぬっまさか此処まで……いや、まだだ俺だって本気を出せばあれぐらい楽勝だし、マジでそうだし……」

 

と何やら意味深な事を言う相澤の言葉に皆が首を傾げる中、戦兎は何やら対抗心を燃やしながらも自分になら絶対に出来ると言い聞かせ続けている。それを知っている龍牙としてはかなり複雑な表情を向け続けながら、興味深そうな顔をしているオールマイトに気付く。彼方としても大切な親友が関わったコスチュームを教え子が纏っているというのは感慨深い物があるのかもしれない。

 

「おい戦兎、龍牙のあれがどうかしたのかよ。あれ唯の制服だろ?」

「ちげぇよ……話しただろ、デヴィットとメリッサに龍牙のコスチューム製作依頼したって」

「ああ聞いたぜ、あれなのか?」

「……ああ、あれだよ……」

 

思わずミルコは態々制服にしたのかよ、と喉元まで出掛かったのだがそれが外に出る事は無かった。何故ならば再度、胸を軽く叩いた途端に元のコスチュームへと戻って行く。

 

「おわっ龍牙お前それ、どうなってんだぁ!?」

「何だよお前ゲームのキャラみてぇになってんぞ!?」

「というか何その色、そんな派手好きだったっけ」

「……色についての指摘はやめてくれ、開発者にそれは言ってくれ」

「えっデイブがそんな色に……?」

 

と若干ショックを受けたような表情になるのを見て、また意図的に話さなかった事に肩を竦めた。これもある種の意趣返しで自分にワン・フォー・オールについてへの仕返しのつもりなのだろうか。だが龍牙は直ぐにそれを否定しておく、名誉は守るべきだし真実を言うべきだから。

 

「この色にしたのはコスチューム開発に参加した一人の人の趣味だよ。出久、この配色に覚えはないか?」

「うん、日本じゃなくてアメリカのスーパーヒーローの象徴的なカラーリングだってずっと思ってた、だから―――えっちょっと待って龍牙君、まさか本当に!?」

「ああそうだよ……何処かの社長さんが突然参加して下さったんだよ、この色は自分だけにして欲しかったって気分」

 

その問いが答えになって爆発した、ヒーローオタクである出久にとってそれはどれだけの意味を成すのだろうか。いやそれだけではない、アメリカのスーパーヒーローと言われてこの色で連想するのは一人しかいない。

 

「トニー・スターク。突然デヴィッドさんとメリッサの開発に割り込んで、このコスチュームを作った人だよ」

『えええええっっ!?』

 

爆発的な声の中で一人だけ、爛々と瞳を輝かせながら龍牙を見つめる視線が合った。それに気づくと龍牙も周囲からのそれを無視しながらも一歩踏み出してそれを受け止め―――向き直った。

 

「なら、万全って事だな……決着つけようじゃねぇか」

「ああっリベンジさせて貰うぞ、アベンジじゃなくて悪いな」

 

爆豪 VS 龍牙、再び。

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