僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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誘いをする黒龍

「いやぁにしてもまさかあんな爆豪を見るなんて、マジで驚いたぜ!!」

「案外龍牙の事認めてたんだな!!」

「るせぇ」

 

夕食後、それぞれが食後の楽しみを行っている中でソファに腰掛けながらTVを見ている爆豪へと向けて様々な言葉が投げかけられて行く。その内容は当然、今日の授業にて龍牙を正式にライバルとして認めるような発言とクラス内で唯一ともいえる名前で呼んだ事だった。殆ど第一印象やらで呼び続けている彼としてはあり得ないような事に本当に皆が驚いている。

 

「あいつのこたぁ戦闘訓練の時から腹立たしいが認めてる、あいつはつえぇってな」

「おおっマジか!?」

「―――それだけの事だ」

 

そう言い残してそれから爆豪が喋る事は無かったが周囲から見た彼の印象が僅かに軟化したのは確かな事だろう、茶を啜りながらも彼は次の戦いの為の作戦を脳内で巡らせている。今回で今の龍牙の戦力は把握出来た、ならば次はそれらをどうやって攻略していくかという事になる。攻撃、防御、速度、あらゆる面に秀でながらもそれらを完璧に活かし続けるタフネスすら兼ね備える怪物。普通ならば戦う事すら選択しない―――だがだからこそ戦いを挑むのだと言わんばかりに獰猛な肉食獣のような笑みを浮かべる。

 

「(そうだ、俺はずっとこれを待ってた……見てやがれ龍牙、テメェを下すのは俺だ……!!)」

 

そんな矛先を向けられる肝心の龍牙だが……既に彼が自室へと戻っていた。如何にも初めてのコスチューム運用で疲れたらしく早めに休むらしい、それを聞いて緑谷などはあのスタークが作ったコスチュームを見たかったのか残念そうにしていたがしょうがないと彼を見送った。

 

「そう言えばあんだけ活躍した龍牙に対するコメントが無いのかよ葉隠は……ってあれ、葉隠は?」

「あっしまったっ逃がした!!?」

「今日こそ龍牙君に対する過剰反応を問い詰めようと思ってたのにぃ!?」

「おいおいんなことしようとしてたのかよ……」

 

 

「はふぅ……いやぁ助かったよ龍牙君、あのまま居たら確実に三奈ちゃん達に問い詰められたよぉ~」

「気にしなくていいよ」

 

件の透は龍牙の部屋へと避難していた。恐らく自室に逃げ込んだところで確実に踏み込まれる事だろう、鍵を掛けた所で最悪の場合は割かし恋バナなどに興味津々で自分の事にも聞き耳を立てたがるヤオモモ辺りが説得されて鍵を作られるか、ピッキングされて終わりだろう。ならば完全な防音体制が敷かれている恋人(龍牙)の部屋こそが彼女にとって最も安心と安息が約束された部屋と言える事だろう……まあ結局後回しにしている、と言われたらそこまでなのだが……。

 

「それにしても今日のあれは本当に凄かったよ龍牙君、あの爆豪君が名前を呼ぶんだもん!」

「あれは素直に俺も驚いたよ、まあヴィラン野郎卒業って思ってるよ」

 

龍牙最大の問題であったビジュアル面も大分緩和されてきたのに未だにヴィラン呼ばわりはそれなりに不服だったので漸く改善されて、胸のつっかえが取れたという奴だろう。

 

「コスチュームのお陰も合って龍牙君はもう誰にも止められないかもね!」

「いや多分師匠には止まる」

「そこはせめて自信を持って意気込みを言う所だと思うんだけど……例えば今ならいい勝負が出来る、とかさ」

俺が言えると思う?

 

それを言われると何も言えなくなる、この黒鏡 龍牙がギャングオルカに最も入念されている事が慢心する事が無いように常に自信を圧し折られ続けられているという事である。それ故か師に対しては絶対に上に立つような言葉が出る事が無い、最早本能に刻み込まれているレベルである。

 

「本当に龍牙君って割かしあれだよね……」

「自覚はしてる、多分俺は一生師匠に勝てないと思うよ」

「偶には御師匠さんに文句は言っていいじゃない?」

「ジャブ程度の文句は言ってるよ、俺の目の前で飯を一人で食った事とか」

「それが一番最初に来るって大分あれだよ本当に、何で普段の指導が出てこないの」

 

そっちはもう龍牙にとっては日常の一ページなので完全に習慣というか、そう言うレベルなのである。

 

「でももう龍牙君ならどんなヴィランでも勝てるね!!」

「さて、それは如何かね。油断は死を招くって師匠に言われてるからね」

「師を招くの間違いじゃない?」

「間違ってないから怖いよそれ」

 

どんなヴィランにも……確かにこれと戦兎が整えてくれた最高のドラゴンとナックルを組み合わせて自分の全てを開放させた時、自分はかつてない程の力を発揮する事は確実な事だろう。唯一の不確定要素は自分の中にある進化しようとする力。ドラグブラッカー曰くサバイブ、進化を促す個性。それのみが完全に未知数、ビヨンド・ザ・リュウガすらその力の恩恵によるもの、だがそれを恩恵ではなく中心において発動させた時には何が起きるかは謎。試すしかない―――そしてそれを使う相手は既に決まっている。

 

 

エビルブラッド(オール・フォー・ワン)

 

 

あれに対しては迷う事も無く自分の全てを使い切るつもりでいる、そうではなくてはあれを倒し切るなんて不可能だろうと確信している。それでも届くさえも解らない最恐最悪の敵、だが僅かに可能性があるならばそれに全てを注ぎ込む覚悟がある。如何に部の悪い賭けであろうとも―――。

 

「透ちゃん、今度の休みデートしない?」

「えっ良いの!?龍牙君からのお誘いなんて、初めてじゃない!?」

「そんな事は無いでしょ、ああいや俺自身からの完璧な発案は初めてか」

「えへへっ楽しみ~♪」

 

嬉しそうにする彼女は彼の隣に腰掛けながら寄り掛かりながら声を上げながらすり寄る。そんな彼女に笑みを溢しながら腕を回して抱き寄せながらも龍牙はこの一瞬一瞬を楽しみながら―――覚悟を滾らせながら決意を固めていた。




最近、葉隠さんカワイイヤッターが無いと言われたのでそう言わせる事にしました。

皆さん両手を上げながら叫ぶ用意をしてください、そして期待はしないでください。この作者、期待に応える事が苦手です故。なら言うなと言いたいのも分かる―――だけど私だって言いたいんだよカワイイヤッター!!って。
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