僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
あくる日の夕暮れ、何時も通りの日常が執り行われている。道行く人々には未来への希望と渇望で溢れ、笑顔が平和を映し出しているそんな光景が続いている。だがそれらを壊そうとする者がいる、それがヴィランである。
「ヒャハハハハッ!!!全部壊れちまえぇ!!」
巨大化出来る個性でビルに手を置けるまでの巨大を果たしながら辺りを破壊しまくっているヴィラン、そんな悪行に人々が逃げ惑う中、ビルが崩落し少女が潰されそうになる中―――一陣の風と共に少女を瓦礫から救いながらヴィランへと視線を向けている者がいた。
「もう心配いらないさ、俺が此処にいる」
「おっお前は―――ッ!!?」
その姿を見た途端、ヴィランは焦った事だろう。確実に勝てない相手に遭遇した事による動揺が身体を突き抜けていくのだから。そして逃げようとする身体に命令をするよりも早く身体を突き破らんとする勢いで拳が身体へとめり込んでいくと同時にその身体に龍の紋章が刻まれていく。
紋章が弾け飛ぶとヴィランの身体がどんどん縮んでいく、個性が解除されて元の姿へと戻って行く。その光景を逃げ惑っていた人々は呆然と見守っていた、余りにも一瞬過ぎる事に言葉を失っていた。倒れ伏したヴィランを一撃の下で屠った黒い炎を纏った男の手には少女が持っていたと思われる風船があり助け出した少女にしゃがみながら笑顔を浮かべながら風船を差し出す。
「さっどうぞ」
「ありがっとう……!!」
「どういたしまして」
優しく頭を撫でる男は炎を消すとその姿を露わにする、そしてその正体に気付いた民衆から大喝采が巻き起こり彼を、自分達を助けてくれた英雄へ感謝の言葉を述べていく。それに笑顔で応えながらもサインや握手を求められれば喜んで応対していると自らが倒したヴィランが黒い糸によって雁字搦めにされて吊り上げられて行く、その先に視線を向けるとそこにはビルの壁に張り付いている黒い影、自分のサイドキックの姿があった。
「相変わらずの瞬殺だな、テメェはホークスかなんかか?」
「別にいいだろ。警察への引き渡しは頼んでいいかヴェノム」
「わぁったよっつうかテメェはさっさと行けあほか」
そんなやり取りをしているとヴェノムはさっさと黒糸を新たに伸ばして最寄りの警察署へと向かって行くのであった。そんな姿を見送りながら龍牙はさっさと目的を済ませる為に行動を開始するのであった。目的を終えると一直線に自宅へと向かう事にした、折角のオフだと言うのにヴィランはそんな事お構いなしに騒ぎを起こしまくるので困った存在、だからこそ自分達ヒーローが必要なのだが……そう思っていると自宅に到着した。
「ただいま~」
寒くなって来たので白い息を吐きながら玄関へと上がると奥からパタパタと音をさせながら走ってくる足音が聞こえてきた、それを聞くと荷物を置きながら膝を曲げて体勢を作ると―――
「お父さんお帰りなさ~い!!」「パパお帰り~!!」
「おっ~ただいま~」
そこには走ってくる子供たちの姿があった、男の子と女の子の二人が走り込んできて勢い良く抱き付いてくるのでそれに応えるように抱きしめてやる。子供の柔らかな感触と暖かな体温が堪らなく心地よく幸せな気持ちになってしまう。
「いい子で待ってたか、お母さんに迷惑かけてないか?」
「かけてないもん!」
「かけてない!!」
「よしよし、いい子だ」
「あっ~!!!」
子供達を抱き上げて愛でていると奥から甲高い声と共に如何にも私は怒ってます!!と言いたげな表情とプリプリ怒っているエプロンを付けている女性が此方へと迫って来た。
「なんでそこに私も混ぜてくれないの~!?私だって龍牙君が帰ってくるのを待ってたのにぃ!!」
「ごめんごめん、それじゃあそっちから上手いこと抱き着けばいいよ」
「ママも一緒~」「一緒~!」
「えへへっそれじゃあえ~い!!!」
あっという間に出来上がった暖かな家族の戯れの瞬間、そこにあるのは満面の笑みによる幸せの空間だった。そこにあるのは黒鏡の表札、黒鏡 龍牙そして黒鏡 透、その間に生まれた二人の子供が暮らす家。楽し気な団欒が絶えなく起こり幸せな日常が続き続けている龍牙が望んだ場所がそこにあった。何よりも欲して止まなかった愛する家族が暮らす空間が……。
「ふぅっ~……気持ちよかった」
「お疲れ様、ごめんね今日だって打ち合わせが緊急があったのに」
「いいさこの位、俺のタフさは君が一番知ってるだろう?」
「うふふふっそうね、ベットの上でも勝てた事ないし」
「そう簡単に勝ちは譲らないさ」
風呂上がりの龍牙はリビングで紅茶を愛する妻である透と共に楽しんでいる、子供達との騒がしくも楽し気な夕食も終わって夫婦二人っきりののんびりと過ごす時間へと変更になった。子供たちは明日はクリスマスイブだからきっとサンタさんが来る、ちゃんと起きてサンタさんに会う!と意気込んでいたのにご飯とお風呂に入った事で眠気が爆発したのかぐっすりと夢の中に入ってしまった。
「全く
「まああの子達は双子だから感覚的にはお兄ちゃんお姉ちゃんっていうのはないのかもね、
雄英の卒業直ぐに二人は結婚した、葉隠は新しく設立された黒鏡家へと嫁入りしながらも彼を公私と共に支える存在として。龍牙はトップヒーローの一角として君臨しており、次代を担うヒーローと呼ばれていた彼は確りと今の世代の一角を背負っている。現平和の象徴となったヒーロー・デクと共に平和のために尽力している。
「そう言えば明日には戦兎さんとルミさんが来るんだっけ?」
「うん、また連絡があって子供連れて行くから頼むってさ」
それはそれでまた賑やかなパーティになりそうだと思いながら紅茶を啜る、ホッと一息吐くと此方を見て笑みを溢している透に目を白黒させると少しばかり悪戯心が沸きだしたような表情と意地悪な声色で言うのであった。
「良い父親になったね龍牙君、結婚した時なんて俺が父親なんてなったいいのかな……って凄い言ってたのに」
「おいおいまだその話をするのか、勘弁してくれよあの時は本気で悩んでたんだからさ」
「ごめんごめん、でも私は本当に今幸せだよ」
視線をずらせばテレビの近くに置かれてある写真立て、そこには大きな教会の前で行われた写真があった。その中心にはお姫様抱っこされた純白のウェディングドレスに身を包んだ少しばかり涙ぐみながらも満面の笑みを溢している透とそんな彼女を抱き上げている龍牙とその周囲を埋め尽くすようにしながらも祝福をしているクラスメイト達の姿がある。そんな皆とも明日になれば再会する、度々会ってこそいるが全員集合は久々だ。雄英の寮生活の日々が脳裏を過るようだ、またあんな騒がしくも楽しい日常を送れるのかと思うと心から嬉しさがこみあげてくる。
「ねぇっ貴方」
「何だ―――」
最後まで言葉を作る前に龍牙の唇は透に奪われた、僅かに開けられていた唇の隙間から伸びてきた舌が自らのそれと絡み合う短くも濃厚なキス。離れながら生まれた粘り気のある銀色の橋を指で巻き取りながら指を含みながら妖艶で煽情的な表情を作る妻は小さく言う。
「I Love you」
その言葉には敢えて言葉ではなく行動で、キスを返す事で応える。互いに何を思っているのか分かると指を絡ませ合いながら互いの身体を抱きしめ合う。高鳴る心臓の鼓動を感じながらも見つめ合うと一段強く相手を求めながらもう一度キスをする。
「「貴方に、逢えてよかった」」
揺るがない絆と愛、様々な物を経て黒龍は真に望んだ物を漸く手に入れたのだろう、それこそ……今なのだろう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
どうも、アルト姫です!!これにてビヨンド・ザ・リュウガは完結となります!!いやぁ……長かったね、話数が。番外含めて300越えってどういうことなの……よく続けられたと思いますよ。
今作を投稿したのは2019/09/07、一年と3か月と12日って所ですかね。いやぁ……凄い事になったな!!此処まで来れたのは間違いなく感想や読んでくださる皆様のお陰です。本当にありがとうございました!!
本編は完結ですが、ご要望さえあれば完結後の物語もやっていこうと思います。それらは後程活動報告にて決めたいと思いますのでお待ちください。
それでは皆様、今まで龍牙君の活躍を見てくださってありがとうございました!!また、別の場所でお会い致しましょう!!