ばうえもんのネタ供養 作:ばうえもん
いやまぁ中野三佐と大林三佐の組み合わせが本編中だと無理が有るのと読み返していたら本田三佐をね、当時スピンオフ連載するくらい人気だったし。
神が生み出した闇から解放されたと思ったのだが出た先も暗闇の中だった。今度は何らかの建築物の中で単純に光源が存在しない事が原因の暗闇、先ほどまでの何も存在しないし何も出来ない超常空間とは違って一先ずは安心なのだが、気のせいでなければ解放されたというよりは空間に飲み込まれたという感覚がある。神が生み出した闇から俺達を解放したという事は此処には神を上回る何かが存在しているという事か?
「ええい、漸く出れたと思えばここは何なんだ?」
「建築様式としては古いものだが…矛盾するが古さが感じられん。新築、もしくは高度な状態保存の処理がされているのか?」
少し歩くとライトで周囲を照らす円谷隊長とロダンがいたので意識して軽い調子で声を掛ける。
「よっ! 奇遇だね、お二人さん」
「貴様もこの場に居たのか、フンッ 何が遠い存在だ、結局は同じ穴の狢ではないか」
よくわからんがこのしゃくれアゴはオレの事が気に入らないらしい。行掛り
「十六夜君、ひょとして君には見覚えがあるのではないのかね?」
「大有りだよ、あの黄金仮面の家にそっくりだ」
「黄金仮面だと!? まさか、中央公園にあの空中庭園が復活したと言うのか!!」
「正直これを復活っていうのかはわからん、あっちを見て見ろよ、何が見える?」
俺はテラスへと続く通路を示した。結構な距離があるがこの二人にも外の様子が見えたようだ。
「土、だと!? まさかここは地下なのか?」
全員でテラスへと移動して外の状況を確認する、そして俺は違和感正体に気が付いた
「もう一つ断言出来ない理由なんだが、俺の記憶が正しければ建物の配置が逆しまなんだ」
「逆しま…鏡の世界とでも言うのか…」
「そちら方面の専門である
「五月蠅い!! 素人は黙ってろ!!」
オレもこういう事は詳しくはないが、ひょっとしてあの空中庭園と対になる存在なのか? 二つ存在する事に何か意味があったのだろうか?
あの宮殿で調査をしていたメフィストならば何か知っているのかもしれないが、荒事専門だからとそういう面倒事を丸投げしていたツケか…
「ッ!!」
「何奴!!」
急に周囲が明るくなったと同時に悪霊の気配がした。そしてそれは覚えが有る気配
「黄泉がえったか…」
「不本意ながらな」
オレ達の前に現れたのは黄金仮面ことネブカドネザル二世と"マルドゥークの三騎士"が長兄、紅の剣士ビアンの二人だった
「これはアンタの仕業かい?」
「否、と答えておこう。セミラミスは失われたのだ、今更現世に固執する意味など無い」
「とはいえ呼び出された以上は仕事をせぬわけにいかぬのでな、ゼムリア…いや、十六夜京也よ。付き合って貰うぞ」
どうやら黄金仮面はこの地下宮殿の主に利用されているようであの時のような怨念染みた執念は感じられない。ホントに不本意なのだろう。
「円谷一佐、ロダン 騎士の方は任せていいか?」
「勝手に仕切るな!! ええい、
「ああ、任せてくれたまえ」
冥宮 ―裡宮巴比倫―
侵入者へと対峙するのは二人の騎士。この迷宮の建築様式からすれば未来的ともいえる中世ヨーロッパ寄りのフルプレートに時代考証仕事しろと悪態を吐きつつバンダナキャップの剣士は矢を(逸)らして正面の紺色の槍使いへと踏み込む。間合を詰めたい剣士に対して槍使いの鋭い突きはそれを赦さない。
流れを変えるべく、剣士の相方のナイフ使いは六本腕の大弓の騎士目掛けて牽制の電磁ナイフを投擲する。道中に除霊した自衛隊員の悪霊からの戦利品であるそれは(浄/化)された事によりこの迷宮の住人にとっては必殺の一撃足り得る威力を秘めているのだ。だが弓の騎士もさるもの、自身や槍使いに当たる軌道のナイフを矢で迎撃してみせた。
だがそのお陰で剣士を狙い放たれる矢が一瞬途切れた。それを好機と判断した剣士は槍使いの神速の一撃を半身になって躱し、そのまま体軸を旋回させる運足により加速して一瞬で間合いを詰める。だが歴戦の勇士たる紺色の槍使いはその程度の使い手など幾度となく葬ってきた、槍を引き戻しつつ回転させ剣士を薙ごうとして――空ぶった!! 何の予兆も無い転移に驚きつつも、消えた剣士と入れ違いに飛来した電磁ナイフを弾く為に槍は振るわれ――その埒外な衝撃に弾かれる!! 辛うじて槍を手放すことこそなかったものの崩れた体勢を整える間もなく絡みつくような体術で引き倒され――蒼く輝く短刀に首を狩られた
昏くなる視界の中、紺色の騎士が最後に見た光景は
背後からの一撃で両の腕を切り飛ばされ、返す刀で首を落とされる青色の騎士の姿
望んでいた戦士の最後とは程遠い終焉、外道に落ちた自分らには誇りある戦いなど望めないだと、失意のなか悪霊の騎士は消滅した
中身が消え、残った鎧の残骸を皮鎧姿の二人は検分する。
「しかしこいつらなんで金属鎧なんか着てるんだよ。レイバーロードの親戚かなんかか?」
「悪霊だしそれはなさそうだぞ。それにしても六本腕でよくもまぁ弓のような大型の武器を扱えるよな、どう考えても弓どうしが干渉しそうなもんなんだが…」
地下宮殿を進み出会ったルームガーダーと思われる異形の騎士。マシンガンを上回る速度で飛来する矢の嵐を前に正攻法では勝ち目がないと判断したストライプは策を講じた。
投擲したナイフと剣士の位置を(置/換)する事によって槍を回避させ弓兵の背後へ送る。
剣士と入れ替えたナイフは他の弾かれたナイフと違い特殊な投擲技法でライフル弾並みの威力で放ったものであり、それを他のナイフと同様に弾こうとした槍使いはその衝撃に腕を流され隙を作ってしまった。そして百戦錬磨の騎士とはいえど組み技では現代の技術に分が有ったようだ。
「…朝の仕返しじゃねーだろうな」
「なんのことですかいのお」
策は見事に決まったものの格上相手であったので剣士はギリギリの綱渡りを強いられた。隙を突く為とはいえ槍が触れたタイミングで転移をさせられた男の口から不平が零れるのも仕方がないのだろう。
どこかの影が薄そうな男の口振りで惚ける相方に誤魔化してんじゃねーとバンダナキャップの男は零しその場を後にした
「さしずめ『イシュタルの冥界下り』ってところかな?」
「……なんだよそりゃ」
「アンタとこの場所、何気に縁があるなって思ってな。どっちもメソポタミア文明絡みだろ」
「俺のせいなんか? 流石にそれは言い掛かりだろう」
出現の際に取り込まれたのだろうか? 石作りの建築様式に似つかわしくない中央公園の悪霊達や怪生物、稀に空中庭園の物と思われるガーゴイルや黒い鎧に憑いた悪霊を退け、二人は進む。
地上から地下宮殿の中心部へと
「これは氣か? となると取り込まれた公園の魔物共とガーディアンの小競り合いではないな」
「音が止んだな、決着は付いたようだな」
手が掛かりを求めて明かりが洩れる大部屋へと、気配を殺して接近した二人に声が掛かった
「居るのはわかっている。姿を見せてくれないかい」
木刀を手にした青年と
隠形を解いて姿を現す二人、聞こえてきたのは感嘆の声。
「良く気が付いたな。流石は音に聞いた十六夜京也ってか?自信無くすぜ」
「この死が満ちる場所でアンタらみたいなのが居れば直ぐ判るよ」
なんでもないことのように返した京也は"死"と言った。この場に居る三人の中で一人視点が違うようでこの地下宮殿の本質に気が付いているようだ。
視界の隅に映るのは紅の鎧と黄金の仮面、どうやらここにも騎士は出現していたようだが…
「そこの成金趣味の仮面はここの元主人の物かい?」
「わかるのかい?」
「情報屋から姿は聞いていたからな。こっちが本命だったか……」
「同じ顔の二人組、
「まてロダン、私達も掴んでいるが彼らの目的は少し前に新宿へ入った魔導士だろう?」
「フン、このタイミングだぞ。その魔導士もコイツらも神が目的でないとどうして言い切れる?」
「神様のトラブルはお腹一杯でな、神父のアンタにゃ悪いが随分前から無神論者なんだよ」
「……おう…そうか」
「ではこの場所の情報を含めて目的を明かしてくれないか。自分は防衛庁科学局所属の円谷一佐」
「アンタらの掴んでいるとおりだよ、(神様から)依頼を受けて魔導書を回収する為に中東から魔導士を追って来た。面倒事を押し付けるエル何とかは死ねばいいと思うよ」
「エルとやらが何者かは知らんが魔導士ではなく持ち物が目的か。それでこの場所には何処なのか教えてくれないか」
「入口は中央公園の爆心地だが、今いる宮殿は次元の違う場所だから正確な位置はわからないな。現象としては神話の冥界下りの再現だな」
「貴様はここが地獄だとでも言うのか?」
「死者が闊歩していただろう? もっとも区民にゃ日常茶飯事らしいから信じ難いかもしれんが……っ!?」
突如バンダナの男達は武器を構え視線を宮殿の中央へと進むと思われる通路の先へと向ける、僅かに遅れて悪寒を感じた十六夜京也もその暗闇で満たされた通路を睨む、内心では自分よりも早く反応したバンダナキャップの剣士の技量に感心しつつもおくびにも出さず、暗闇に浮かぶ人影を確認して口を開く
「何か近づいてくるな、足音がしない…普通に歩いているのに無音だと?」
「おお、クロウではないか! 無事だったのか!! これで百人力だ…なんのつもりだ十六夜京也!! 何故邪魔をする」
通路より現れた人影の正体が中央公園で別れた仲間、
「アンタ気が付かないのかい?」
「何を……まさか…」
「アンタらがどんな神様を祭っているのかしらないけどな、どうやらアイツは宗旨替えをしたらしいぞ」
「クックックッ、その通り!! さあロダン、貴方もわしと供にその血肉を、いや魂を神へと捧げるのです!!」
魔術「死海」、嘗て異なる世界線で魔道士レヴィ・ラーが使役していた水の妖魔が使いし魔技を
「クソッ!! また水泳させら…海水から血の匂い、骨の化け物だと!!」
咄嗟に愛刀・阿修羅で円を描くように床をなぞり簡易的な結界を構築して足場を確保した十六夜京也は、一度経験した魔術故に焦らず反撃を行おうとした。だが術者である
その水は生き物が住めないのだろう、魔界の魚達はその身を海の溶かされてスケルトンとなり生者の血肉を求める、文字通り死の海と化していたのだ!!
「はっ!! みんなはどうした…」
その海の危険性にその場にいた面々を見渡せば、ロダンは巨大化させた干し首に乗り、円谷隊長は飛行装置を装着して飛んでいた。流石だと感心しつつ残り二人を伺うと
「おー、あれってターボ・ファンってヤツだろ。カッケーな」
「呑気だな、
浮いていた。荒波に揺られ敵に近づく術がない彼と違って呑気に会話する余裕さえあるようだ
「飛べないのオレだけかよ!!」
飛んでるんじゃなくて落ちないだけなんだがなと剣士がぽつりと溢したが、京也にしてみれば同じである。少し前に力不足を感じた彼は雪山に籠り修行をし、そのかいあってネブカドネザル二世や三騎士に勝利した。だがもう少し、せめて空中浮遊をマスターするまで修行するべきだったかと思う。先日も
だからそんな八つ当たりを念に込めて彼は放つ、雑念結構!!
が、そんな雑念交じりの念法にキレは無く、また死人となった事で肉体の損壊を無視して動ける
「そんな雑な攻撃など食らう「避けるなっ!!」カハッ!!」
同時に動いていたバンダナのナイフ使いに当て身を食らい突きの軌道上に弾かれ――その身に念の洗礼を受けて消滅した。
死海が消失するさなか、呆然とした三人の間に何とも言えない沈黙が訪れる。
「「「…………」」」
「ほんとストライプは容赦ねーな。する理由もねーけど」
悪霊と化したとはいえ嘗ての仲間をギャグのように処理されるという余りの出来事にやるせなそうなロダンに対して、円谷隊長はいたわるように肩を叩く。所属は違えど自分達の異能に誇りを持つ者同士のシンパシーであろうか
対して十六夜京也は戦慄していた。彼の経験に存在しない移動方、自分も今の歩法が使えれば、たまらずバンダナの剣士に声を掛ける
「一瞬であの距離を詰めるとかどんな体術だよ。後で話が出来ないか」
「ああ、まあ機会があればな。俺も今さっき(視)せて貰ったしな」
そう返した剣士は話は終わりとばかりに相棒の元へと歩き出す。
元々神の騒動に無関係故か初対面の為か、先ほどの所業に特に思うところも無いのか元の姿を取り戻した石作りの広間を進み始めるバンダナの二人に京也は追いすがる。
「待ってくれ、せっかくだから一緒に進もう」
「ん? アンタらは中央公園に居合わせたから巻き込まれたんだろ。さっさと脱出しなよ」
「だから上に進むんだろ。一緒に行こう」
「ああそうか、ここは別次元だから上が地上ってわけじゃないぞ。俺達が来たルートを考えると宮殿の外へ出る為に下るのが正解だぞ」
「そうなのか?」
京也は剣士の情報で一度脱出すべきか考えたが、バビロン宮に関わった者としてこの事態を無視する事が出来なかった。敵対していたとはいえ死を弄ばれたネブカドネザル二世や三騎士達の仇を取るのが生者である自分の使命だと考えたのだ。
そしてどうやら仲間の死を弄ばれ信仰を穢されたロダンも同行すると決断したようだ。
「逸れた高山三佐や本田三佐も囚われているかもしれない。オレも同行させてもらうぞ」
円谷隊長も逸れた仲間の安否が不明な為に同行を申し出る
「迷宮で合流して善悪混合パーティ結成か、やれやれ――」
ああそうか、陰と陽の混合ね。そう呟き霊気を練り上げた剣士は
何かを確かめるように壁を抜けて現れた悪霊目掛けて刀を振るう。
舞い散る桜のような光を散らし数体の悪霊を斬り捨てる。手応えに納得出来なかったのか剣士は溜息を一つ、その様子を見ていたナイフ使いは声を掛けた
「この調子で戦力を小出しにしてくれればいいんだがな、進むぞ」
こうして所属も目的も異なる五人は死の王の宮殿を往く。
書き方を変えてみるテスト。迷走中