ばうえもんのネタ供養   作:ばうえもん

3 / 16
大豆の錬金術師


 

俺が通う冒険者予備校に誰ともパーティを組んでいない小柄な剣士がいる。

ロングの艷やかな黒髪にジト目で無表情、パーティメンバーのロリ枠と大差無い体格の女性だが男性よりも強いらしく腕は悪くな無いのにボッチなのが不思議なのだが、妙に影が薄いからだろうか?

どうでもいい事だがそんな雑談のなか、パーティメンバーの格闘家は同じ小柄でも自分の方が胸が有ると譲らなかった。

 

そんな彼女と偶然町で出会い、話す機会があった

どうでもいい事だがパーティメンバーの剣士にその時の事を話したら完全にナンパだろと突っ込まれた。解せぬ

 

 

「味噌もそうだけどユエは色々と食材とか詳しいな。それなのにおにぎりに具を入れるとか考えなかったのか?」

 

「私の居たところ水が貴重なんです」

 

「あっ…(察し)」

 

「お腹いっぱいお米を食べられるって……、王国って豊ですよね」

 

「もういい、みなまで言うな! 冒険者予備校に来る奴なんてだいたい似たり寄ったりだから!!」

 

「地元を飛び出して、魔物の領域で義姉さんに拾われて、色々あったけど私は今幸せです」

 

くっ、ユエのやつ何かを悟った様な透明な微笑みを浮かべてやがる。迂闊にも地雷を踏み抜いたか!?

 

 


 

大豆の錬金術師

 


 

私の故郷の島は稲作が主体なのですが、昔はそれなりにあった水源が現在は渇れて乏しいという詰んだ状況でした。

水源を押さえている名家の生まれならともかく、武士の家系でも地方の領主の三女など労働力扱いで農民の次男以下の子供と変わらないものでした。そんな理由で家に対してさほど執着も恩義も感じられない私は自身の力を家の為に使う気にもなれませんでした。

 

とはいえ、ここまで育てて貰ったのも事実ですので脱出の隙を作るのを兼ねて涸れたため池の底の岩盤を錬金で脆くして穴を開けて地下水を湧かせて騒ぎをおこしました。あの水源が有れば未だしばらくは大丈夫でしょう。ただ今度は水源を守る必要があるでしょうがそこまでは面倒見きれません。

 

 

「今日も美味そうに食べてるな」

 

「物欲しそうに見たってあげませんよ」

 

「取らんわ!!」

 

ふむ、武士は食わねど高楊枝ですか。

 

「俺だって何時でも食えるように常備している!!」

 

流石はおにぎりマスターさんです。…ん?

 

「どうやらコレの事が気になるようだな」

 

転生者さんが取り出しソレから香ばしい香りが…これは醤油?

 

「焼きおにぎりだ!!」

 

「…焼き……おにぎり…」

 

「クックックッ、やはり知らなかったか。中に具を入れるだけがおにぎりの食べ方では無い事を」

 

なっ、なんですって

 

「そっ、そんな物を私に見せつけていったい何を企んでいるのですか!?」

 

「いや、ちょっと頼み事があるんだが」

 

私が断れない事を見越して交渉するとは悪魔め!

そこへ彼のパーティメンバーが話しかけてきました

 

「ねえ、いつの間にその人と仲良くなったの?」

 

「すみませんが今は大事なお話中ですので後にして下さい」

 

「これから大事な交渉があるから話は後でな」

 

不満顔の格闘家さんを置いて会話を続けます。

 

「それでなんですか? 貴方にはお世話になりましたから大概の事なら聞きますよ……あっ、ハーレム入りはご遠慮しますので。小さい娘がご所望でしたら他の方をあたって下さい」

 

「悪趣味なデマを信じるな!!」

 

ちょっとした意趣返しをしてネギーんと惚けます。

 

「と、に、か、く、調味料を分けてくれ! 焼きおにぎりを作りたい」

「…ちゃんと食わせるから涎を拭け!」

 

転生者さんは天使ですか!!

これは歓待せねばいけませんね。

 

「お茶飲みますか」

 

「いただこう」

 

自作の湯呑みを取り出し温かい麦茶を注ぎます。ボッチの癖に食器複数持ってんのかと彼のパーティメンバーから向けられる視線は黙殺します。

 

「糠漬けもどうぞ」

 

入れ物から自分の分の胡瓜を一本取り出し転生者さんにも薦めます

 

「丸ごとかよ!!」

 

「お行儀悪いですけど、切らずにそのまま齧るのが好きなんですよ」

 

言いつつポリポリと齧ると、転生者さんも一本取り出し齧りついた

 

「むっ、確かにこの食べ方は妙な魅力があるな」

 

「それでは授業が終わったらまた貴方の屋敷でよろしいですか?」

 

そこまで話したところに今度は剣士さんが割り込んできました。

 

「調味料なんか今度でいいだろ、パーティで狩りに行こうぜ!」

 

「貴様「調味料なんか」とはなんだ! もうお前には家に来ても飯は食わせんぞ!」

「それと見ろ!ユエのこの世の終わりを迎えたような表情を!」

 

「いつもどうりの無表情だが…」

 

「だだだ大丈夫でですよ、ええ、私は大丈夫ですのでドウゾパーティメンバーを優先されて下さい。色々と自分で試して「俺がそれを食いたいんだ!」みま…あっ、はい」

 

しかしパーティの女性陣の目が痛いですね、私は別に割り込むつもりなどないのですが。

 

「先日はご馳走になりましたから味噌と醤油は差し上げますから、今日のところはパーティメンバーを優先されて下さい。それでどれにしますか?」

 

そう言って転生者さんの前に各種調味料の壺を並べて…

 

「全部下さい! 金なら払うから!!」

 

イヤシンボですか、これはいっそ作り方り教えた方が良いでしょうか?

 

「全部は流石に…そんな絶望した顔しないで下さい。それでは貴方が作った物と交換しましょうか」

 

「やった! 沢山あるからいくらでも持ってってくれ!」

 

この人も大概イヤシンボですね。そこ、似たもの同士とか失礼ですよ。

 

「食いしん坊が2人になった」

 

「奇遇ね、私も今そう思ったところよ」

 

「先程から失礼な人達ですね」

 

「そうだ!お前ら俺に失礼だぞ」

 

お互いに失礼なとの言い合いは講師が来るまで続きました。

 




この後ボッチオリ主は譲って貰った焼きおにぎりを見本にして一人で焼きおにぎりしました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。