幻想終焉譚   作:ゼロヴェルテ

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誘うは世界、導くは太陽。世界はそれを忌み嫌い、世界はそれを受け入れた。終わりをここに、始まりをここに。全ては絶望に包まれ、全ては希望に満ちる。

ちゃんとバトスピ要素入ってます。


1話 [終わりの始まり]

雨だ。天気予報では晴れるはずだった。しかし、そんなことはお構い無しに滴は突然として地面を叩きつける。どうと言う事は無い。私は太陽にすら嫌われている。それだけの話だ。

迎えが来ている人やたまたま傘を持っていた人、友達と雨宿りをしてる人。それらは全て私とは無縁の生き物だ。ここに来てから人の温もりを感じた記憶はあまり無い。

両親が亡くなってもう二年が経つ。久しぶりに二人だけでドライブに行く。そう言って車に乗り込んだ両親を次に見たのはピクリとも動かなくなってからだ。事故の原因は対向車のスピード違反とよそ見。丁度カーブを曲がった所で正面衝突、即死だったそうだ。

その後の私はというと、父方の祖父母は既に介護が必要な状態、母方の祖父母は三年程前にどちらもなくなっている。そうなった時必然的に母の妹の奈々子さんに引き取られた。

奈々子さんは言い方を悪くすれば母に借りがあり、断るに断れない状態だったのも大きいと思う。奈々子さんは既に結婚、今年で中学一年生の香苗ちゃんもいる。そんな平和な家庭で私と言う存在はただの邪魔者でしかなかった。

食卓を囲む事は勿論許されない。食事は一応は作ってもらっているのでそれを部屋に持っていき一人で食べるとこになる。食器は全員ぶん私が洗うように決まっていて、その他の雑用も全て私だ。年下の香苗ちゃんも私の事は奴隷か何かだと思っているらしく、よく蹴ったり殴ったりとされる。旦那さんは良くも悪くも無関心。

最初はよく泣いていたけど、最近は慣れてしまったのか涙も出ない。救いがあるだけシンデレラの方がまだましだ。私はいつまでこの生活を続ければ良いんだろう?

こんな世界なら私は……。

消えて…無くなりたい

それが叶うならどれだけ良かっただろう?そんなことを考えていたらいつの間にか家に着いていた。なんせ雨に打たれてたんだからずぶ濡れ。はやく着替えて制服を乾かしたい。どうせこの時間は誰もいないんだしシャワーも浴びようかな。

そうやって扉を開けて家に入る。ただいまと言う相手がいない家に──

入ったはずだった。目の前に広がっているのは見たことのない神社。誰かがいる感じはしない。辺りを見渡しても、やっぱり私の知る景色じゃ無かった。

そんな時、後ろから話し声が聞こえる。声からして若い女性二人。恐る恐る後ろを振り向こうとすると、それよりも先に少し驚いた声が聞こえてきた。

「あら、こんな所に人がいるなんて珍しい。明日は雨かしら」

少し意地悪そうに頬笑むメイドさんと、それに対して少し怒りっぽく返している紅白色の…巫女さん?

「あの…ここは?私、さっき家に入った筈なんですけど…ここはどこですか?」

「どこって言われてもねぇ…博麗神社よ。見た感じ幻想郷の住人って感じしないけど。アンタ外来人ね?」

「幻…想郷?それがここの名前なら、はい。私は外来人になるんですかね…。でも、なんで」

「まぁ、その話は追々しましょう。立ち話もなんだし。はやく入りましょう」

「アンタの家じゃないっての…」

メイドさんに続いて巫女さんが神社の方へ歩きだした。未だに信じられないけれど目の前には人がいて、私は地面に足をついている。

「ほら、そんな所で突っ立ってないで。アンタもはやく来なさい」

急に話しかけられたからか思わず大きな声で返事をしてしまった。思えば誰かに呼ばれる事なんてここ数年はほぼ無かった事だ。

「とりあえず荷物はその辺に置いておくわよ?」

「その辺過ぎるわよ。ちゃんと置いておきなさい。はぁ、じゃあお茶準備してくるからその間その子の相手頼んだわよ」

そう言うと巫女さんは奥の方へ行ってしまった。つまりここには私と、メイドさんだけになったのだ。

「自己紹介がまだだったわね。私は十六夜 咲夜。あなたは?」

「わ、私は幕引 心結(まき ここな)って言います」

「心結ちゃん、ね。かわいい名前じゃない」

「ありがとうございます…」

優しそうな人だ。いつしか目の前の人全てが私の事を良く思っていない。そんな風に考えるようになっていた。私は、私が人間だって事を忘れてたみたいだ。

「心結って言うのね。私は博麗 霊夢、ここの巫女をしているわ。よろしく」

「よろしくお願いします…」

「まぁ突然こんな場所に来て色々あると思うけど今はゆっくりしてる暇が無いのよね」

「何かあるんですか?」

「今日は宴会なのよ。だから色んなやつが来るし私達は今からちょっと準備をね」

なにやら大変な日に来ちゃったみたいだ。

「と言ってもテーブル出して少し料理つくるだけだけどね」

「あ、それなら私も手伝いますよ」

長年の癖、という訳じゃないけど目の前に仕事があるとどうしても飛び付いてしまう。一通りの家事をこなせるという意味では感謝こそしてはいるけども。

「そんな、悪いわよ急に…」

「あら良いじゃない霊夢。せっかく手伝ってくれるって言うなら手伝って貰いましょう」

そう言って咲夜さんは奥の方へ行ってしまった。霊夢さんが呆れた感じで何かを呟いたのが聞こえたのか聞こえてないのか、少しこっちを向いて 手を振っていった。

「……じゃあ手伝い、お願いするわね」

「はい!任せてください!」

これが私のこの世界ではじめての仕事だった。

 

「よう霊夢!昨日ぶりだな!ってか誰だコイツ」

黄色い髪の毛の人だ。他にも色々な髪の人がいるから多分この世界では髪の色は沢山あるんだろう。

「あぁ、紹介するわね。コイツは霧雨 魔理沙。趣味はコソ泥よ」

「よろしくお願いします。幕引 心結です。………その、人の物を盗むのは良くないですよ」

「あれはコソ泥じゃない。借りてるだけだ」

けっこう真面目な顔なので冗談とかではないと思う。どの程度なのか私は知らないけど少なくとも霊夢さんを見る感じ借りているでは済まない気がする。

「初対面の人に言われたらおしまいですって魔理沙さん。あ、はじめまして。私は稗田阿求です」

「よろしくお願いします…」

短時間に様々な人物と接してきた心結の頭はパンク寸前だった。一度にここまで多くの名前と顔を記憶する事になる事はそう多くはないだろう。ちなみに現在はどっちの吸血鬼が姉だったかすら怪しい。

「あの、後ろの方は?」

「はじめまして。私、八雲 紫と申しますわ。以後お見知りおきを」

胡散臭い。取り繕った笑顔に口調。何一つ信じて良い要素が彼女からは感じられなかった。しかし同時に圧のようなものも感じられる。

「所で貴方、何者かしら?見た感じ特別な力は無いようで貴方の中には秘められた何かがある」

「私はそんな怪しい者じゃ無いですよ…?その秘められた力っていうのも私にはなんの事だか」

「本当に?」

言葉には表せられない圧のような物を正面から受け言葉が出ない心結は首を縦に降る。

「そ。まぁ良いわ。さて、もう少し飲んでこようかしらね」

「あ、気にしなくて良いですからね。ただ酔ってるだけなので」

「先に言いなさいよ。完全に最後怖がってたじゃないの」

「あはは…。それにしても凄い人数ですね。今日はなんの宴会なんですか?」

「あれ、聞かされて無かったんですか。今日はバトスピの大会会場の設営が終わった記念です」

はじめて聞く単語に魔法か何かをイメージする心結とさも当然のように言った阿求。二人の間で認識の違いがあったのは言うまでもない。

ちなみに補足だが心結の世界にもバトスピは存在している。単に心結が知らなかっただけである。

「端的に説明すればカードゲームというやつですね」

「カードゲームなんですか…」

そこまで説明されれば心結もなんとなくわかる。たまにコンビニとかで見かけるあれだ。

「昔は弾幕ごっこというのが流行ってたというか殆どそれしかなかったんですけど、人里でやると危ないという事でだんだんバトスピが広がったんです」

「なんか、凄い事やってたのはわかりました…」

「幻想郷に住むならバトスピはやれた方が良いぜ?」

いつの間にかいなくなっていた魔理沙が片手に串に刺さった何かを持ちながらそう言った。

「そうですね。少し難しいかもしれませんけど住むならできた方が良いです」

そうだ。と手を叩きながら阿求は自分が経営を任されているカードショップに今から行くことを提案する。

「任されてるというより、押し付けられてるんですけどね?」

あの後少し話をした後、心結、阿求、魔理沙、霊夢は宴会を抜け出した。予定と違うのは一人白髪の女性がついてきてる事位だ。

「あの、誰なんですか!?いい加減誰か名前くらい教えてくれても良いじゃないですか!」

もうすぐ目的地につくのだが、面白がって誰も彼女の名前を心結に教えない。後に阿求はつい、かわいくて。と語るが、他三人はなんとなくやってるだけである。

「そうだな。そろそろ名乗っておくか。藤原妹紅だ。よろしくな」

「あ、幕引 心結です。…じゃなくて!なんで名前教えてくれなかったんですか」

「んー?なんとなくだな」

「なんとなくって……」

「ハハハ、悪かったって。少しは緊張も解けたか?」

「え……?」

無自覚ではあるが心結は相当は顔も体も強張っていた。長年の生活のせいもあるだろう。しかし見ず知らずの世界に見ず知らずの人々を前にして最初から打ち解けれる程柔軟な人間は少ない。

「さて、お話の途中で申し訳ありませんが、着きましたよ。憎たらしくも愛らしい第二の我が家、イエローマーリンへようこそいらっしゃいました」

想像の二倍は大きいその建物に心結は驚きを隠せないでいた。周りの家は和風建築の平屋のような家が多かったのだが少し外れた場所にあるとは言え、近未来的で大きな建物は違和感の塊である。

「ビックリしました?これが河童の技術をフル活用した人里唯一のカード専門店です」

「お、おっきいですね……」

阿求は得意気になりながら鍵を開け、中に入るよう促しす。そして駆け足でどこかへ行ったと思えば店中の電気がついた。

「わ、凄い。ちゃんと電気だ」

「なんだと思ってるのよアンタは…」

「ささ、座って座って。とりあえずは基本事項から説明しますから」

説明そのものには然程時間は掛からないのだが右も左もわからない心結に一から教えるとなると様々な疑問にぶつかる事になる。

フラッシュタイミングとはなんなのか、軽減シンボルという概念、バーストとは何なのか等々やっている側からしたら知っていて当然の事ではあるがそれをわからないのが初心者と言うものだ。

それを阿求は一つ一つ順を追って説明する。教えるのが上手いというのもこの店を任された理由の一つである。

「な、なんとなく……?わかりました。多分」

「最初から全部を覚える必要はありませんよ。少しずつ覚えていけば良いんです」

説明している間三人は何をしていたかと言うと、霊夢と妹紅は二人でバトルを、魔理沙はまたもやどこかに行っていた。

「では早速ですけど心結さんのデッキを作りましょうか」

「つくるってどうやってですか…?」

「そりゃ勿論うちのカード使ってですよ?」

「私お金持ってませんよ…?」

「あー良いんです、良いんです。無理矢理押し付けられたみたいなものです。たまには経営者の権限で自由にしてやりますよ…」

見えはしないが阿求から黒いオーラが出ている気がした心結は掛ける言葉が見つから無かったのかとりあえずの苦笑いで返す。

「さて、とりあえずカードでも見ましょうか。何色が好みでした?」

「好み…というかなんというか。なんとなくですけど、赤を使わなきゃいけない気がするんです」

「なるほど…。赤コーナーはこっちです、ついてきてください」

少し考える素振りの後、阿求は笑顔で赤のカードを置いている場所まで心結を案内した。

「ここがいわゆるXレアが置いてある場所ですね。気になるカードはあります?」

想像以上のカード量に心結は心を奪われているため、気になるカードを探す余裕はあまり無い。しかし運命なのか定めなのか。心結はとあるカードの元へ無意識に歩きだす。

本人にとってはなんて事はないただの移動だ。沢山カードがあるからちょっと場所を変えただけ。そんな何気ない行動は心結だけでなく幻想郷の運命を背負うものとなる。

「これ……この子。私、この子が良いです」

「どれどれ…?あぁ、太陽神星龍アポロヴルムですか。丁度昨日3枚入ってきたんですよ。それじゃあ、記念にプレゼントしちゃいます」

「本当に良いんですか?その、お店とか…」

やはり申し訳なさそうにしている心結に阿求は微笑んでこう返す。

「良いんですよ。何度も言ってますがなんだかんだ私のお店ですから、権限は私にあります。それに…」

それに、何かを新しく始める人の背中くらい押してあげたいじゃないですか。阿求はそう言いながら慣れた手つきでショーウィンドウ、幻想郷では陳列窓と呼ばれるそれの鍵を開けてアポロヴルムを取り出した。

「さて、キーカードはこれで良いとして、デッキはこれだけじゃ無理ですから。他のカードを探しましょう」

そう言って歩き出した阿求に心結は慌ててついていく。その先には同じく赤のカードが展示されていた。

「ここはマスターレアやレアのカード、もしくはコモンカードでも評価が高いカードなんかを置いてる場所ですね」

「す、すごい量ですね……」

「裏表同じ色のがあと二つありますよ」

「そんなにあるんですか!?」

「えぇ、まぁ…色々あるんですよ、色々」

阿求の乾いた目を直視することができない心結とそれに気付いて少し恥ずかしそうに話を戻す阿求。一瞬忘れかけていたが今は心結のデッキを作ってる所だ。

「さて、それじゃあデッキに入れるカードを見ていきますか。えっと、アポロヴルムは星竜でしたっけね」

「あ、系統ってやつですか?」

授業で知ってる単語が出てきた学生のように少しはしゃぎ気味に心結は反応する。

「はい、正解。このアポロヴルムの煌臨条件にも星竜って書いてるでしょう?他にも系統を固めるメリットはありますけどそれはまた今度」

難しい話は慣れてから、一度に多くを教えない。阿求が決めている事だ。

「とりあえず星竜ならこの辺りのカードでも持っていきますかね…。あ、なんか気になるカードとかあったら言ってくださいね」

「あ、はい。でもあまり他のカードはわからないんですよね。どうしてアポロヴルムがピンと来たのかもわからないし」

「直感ってやつですかね。それなら最初の所に戻りましょうか。あの辺に高額つけられないカードまとめて置いてる場所あるので」

阿求は一つ気掛かりな事があった。それは心結が想定よりこの世界に馴染んでいる事だ。多少の緊張はあったが大体の外来人は妖怪が存在している事に驚きを見せた。それ以外にも話を聞く限りでは心結はこの世界に不自然に馴染みすぎている。

まぁ、悪意は感じられないからそこまで気にする事でもないかな。

そんなふうに思考を巡らせていたらいつの間にか目的の場所についていた。

「お、戻ってきた」

「あら、バトル終わってたんですか」

流石に終わるだろ。そう言いたげな目線を向けられてる事は阿求も知っているが特に気にしていない様子だ。

「あ、霊夢さん赤のストレージ右から三番目取ってください」

「てことは赤を使うのか。赤は良いぞ~」

「妹紅さんも赤色を使うんですか?」

「そうですよ~。燃え盛るを射手座に愛でられたのが彼女です」

「はい、持ってきたわよ。で、なんでこの箱なのよ」

「ありがとうございます。この箱に星竜のカード入れてるんですよ」

見たものを忘れない。阿求がここを任せられているもう一つの理由だ。

「へぇ、星竜使うのか」

「はい。この子…アポロヴルムが使いたくて」

「へぇ、良いわね。そうやって使いたいカードがあると楽しいわよ」

「はいできましたよ」

二人が話をしていたわずかな時間で心結用のデッキを作ったという。信じられないという顔で霊夢はデッキを見てみる。

「うそ、本当にちゃんとなってる…」

「私なんだと思われてたんですか…」

「お、デッキできてる!心結のやつか?これ」

今までどこに行っててどこから戻ってきたのかわからないがタイミング良く魔理沙が戻ってきた。

「デッキができたらやっぱバトルだよな!心結!阿求とやってみたらどうだ?」

「私は嫌ですよ。自分で組んだデッキと戦うのも味気ないですし」

「んだよノリわりぃな。私も今デッキ弄ってる最中なんだよな…」

「じゃあ私が相手になろうじゃない」

霊夢が名乗りを上げた。それに反対するものは勿論いない。

「それじゃあ早速始めましょうか。まずはデッキをシャッフル、そのあとにここに置いて」

霊夢はまだまだおろおろとした手つきの心結に説明するように準備を進める。

「よし、準備できたわね。先攻、後攻どっちが良い?」

「せ、先攻で!」

「おっけー。そうだ、バトスピには最初に言う合言葉があるのよ」

「合言葉…ですか?」

「そう。それはね────って言うの。わかった?一緒に言うわよ?せーのっ」

ゲートオープン界放!その声が全ての始まりだった。

 

「それじゃあ、スタートステップ。えっと、コアステップは無くて…ドローステップ、そしてメインステップ」

まだ慣れていない手つきにその場のほぼ全員が懐かしさを覚え和んだ事は言うまでもない。勿論、プレイしている本人を覗いてだが。

「えーとまずは煌星竜スター・ブレイドラを召喚、電岩竜ダイナモドラゴンのアクセル…?を使って一枚ドロー。ターンエンドです」

 

スター・ブレイドラLv1

L5 H4 R2 T1

 

「それじゃ、私のターンね。まず、はっと。コレオンを召喚、十二神皇の社を配置。ついでにリボルコレオンのアクセルを使うわ」

 

エグゼシード・ビレフト、幻魔神、コレオン

 

「ビレフトと幻魔神を手札に加えてターンエンド」

 

コレオンLv2

L5 H4 R0 T3

 

「私のターンですね。えーと、彗星竜サングレーザーを召喚、ネクサス星の砂漠を配置です。そのままサングレーザーでアタック、BP3000以下のスピリット破壊なのでコレオンを破壊して1枚ドローします」

「仕方ないわね。ライフで受ける」

「やった!初ライフです!」

何事も、初めてというのは特別なものだ。バトスピも例外ではない。そのままターンエンド宣言をし霊夢へターンが回る。

 

スター・ブレイドラLv1 サングレーザーLv1

L5 H4 R0 T2

 

「改めて、コレオン召喚、手元にあるリボルコレオンを召喚、リボルコレオンの召喚時効果で幻魔神を左合体、ダイナバーストを使って2枚ドロー、バーストをセットしてリボルコレオンでアタック」

「あー、えっとライフで受けます」

「合体してるからダブルシンボルよ」

 

コレオンLv2

L5 H3 R0 T4

 

「私のターンですね。えーとコアも足りるね。よし、太陽龍ジーク・アポロドラゴンXをLv2で召喚です」

「お、良いカード出てきたな。入れてやったのか?」

「まぁ、おまけってやつです」

少し口角を上げながら答えた阿求はおもむろに立ち上がる。向かう先は勿論心結の元だ。

「えっと、バーストはどれ…?これ?いや違う…?」

「バーストはこれですよ。このマークがあるやつだけセットできるんです」

後ろからそっと阿求が声を掛ける。座ってプレイしている心結に立っている阿求が声を掛けるので勿論阿求は屈む事になるのだが、そのせいで顔と顔が近くなってることに心結が内心動揺していることはここだけの話である。

「こ、これ、ですね?バーストセットします!アポロドラゴンXでアタックします、えっと、まずはコレオンに指定アタック、そしてLv2の効果でリボルコレオンを破壊します」

「残念、リボルコレオンは合体してるから超装甲 赤を持ってるわ」

「超装甲…、なんですか?それ」

「簡単に言うと指定された色のカードの効果を受けないやつですね。今回は赤なのでこちらの効果は無効になります」

「強くないですか!?それ」

「ふふ、そんなもんよ。コレオンでブロック」

「うう、サングレーザーでアタック、1枚ドローします」

「じゃあライフで受けるわ。そしてバースト発動、爆炎の覇神皇エグゼシード・バゼルを召喚」

「うう、タ、ターンエンドです」

 

スター・ブレイドラLv1、サングレーザーLv1、ジークアポロドラゴンXLv2

L3 H3 R0 T3

 

「はい、私のターンね。エグゼシード・ビレフトをLv2で召喚。ビレフトを幻魔神と左合体。バーストもセットして、バゼルでアタックよ」

「おーおー、容赦ねぇなぁ霊夢、こりゃ大会に向けて温まってるな」

「大会に向けて気合いが入ってるのは皆同じだろ?」

確かに霊夢は大会が近いこともあって最近はやる気に満ちている。と言うのも前回の優勝者が霊夢なので周りからの期待も大きい。それなりに緊張もしているのだろう。

「うるさいっての。バゼルの効果でこのバトル終了時に相手のライフを2つリザーブに置くわ」

「うぐ、えっと…バースト発動、絶甲氷盾です。ボイドからライフにコアを1個置いて、フラッシュ効果を使ってターンを終わらせます」

ちなみにこの処理は阿求が後ろからある程度教えながらやったものだ。

「ターンエンドね」

 

エグゼシード・バゼルLv2、エグゼシード・ビレフトLv2

L3 H2 R0 T2

 

「うう、これはすごくキツイやつなのでは……」

「あら、でも良いの引きましたね」

「ほ、ほんとだ…。太陽神星龍アポロヴルムをLv2で召喚です」

満を持して心結のキーカードが現れる。はじめてキーカードを召喚したためか心結の瞳は驚くほど輝いている。

「あと、砲竜バル・ガンナーをアポロヴルムを合体してアタックです。アポロヴルムのアタック時効果でエグゼシード・バゼルを破壊、バル・ガンナーの効果でリボルコレオンを破壊して1枚ドローです」

「お、こりゃ心結の勝ちか?」

「霊夢が何を持ってるかにもよるけどな」

霊夢は何か言いたげに魔理沙の方を見るのだが、伝わるはずもなく妹紅との話は盛り上がる一方だ。

「それと、界放を使ってアポロヴルムをLv3にして回復します」

「まぁ、そう簡単には終わらないわよね。こちらもフラッシュタイミング、エグゼフレイムでスター・ブレイドラとサングレーザーを破壊。それはライフよ」

「よし、じゃあ続けてアタックです。バル・ガンナーの効果で1枚ドロー、界放で回復します」

「じゃあフラッシュタイミング。ビレフトに超神星の神皇エグゼシード・ノヴァを煌臨。ノヴァの効果でエグゼが付くカードに煌臨したのでライフを5になるようにボイドからコアを置くわ」

「うぐ、また何か出てきた…」

「そのアタックもライフで受けるわ。そしてバースト発動、絶甲氷盾。フラッシュ効果でアタックステップを終了させる」

「ターンエンドです」

アポロヴルムLv3

L3 H4 R0 T2

「さーて、一応情熱サーキットをLv2に、ダイナバーストでドローしてっと、エグゼシード・ノヴァでアポロヴルムにアタック。フラッシュはある?」

「えっと…無いです」

「じゃあそのままアポロヴルム破壊。効果でライフをリザーブに置いて私の勝ちね」

 

「負けたぁ…霊夢さん強いですね」

心結の笑顔を見て霊夢は安堵する。本人も少しやり過ぎたかなと反省はしていたので心結の反応は少し心配だったのだ。

「心結も凄かったわよ?」

「えへへ、阿求さんのお陰です」

「それじゃあ、神社に戻りましょうか?」

ここに、新たなバトラーが生まれた。それだけで良い。今はそれ以上はいらないのである。ただ、それだけで。




誘うは紅き夜。迎えるは夜の鬼。七つの星は羽を休め、太陽は降りる。

できるだけ早めに次回も更新したい……!!頑張れいつかの俺
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