なんとなく気分で書いた小説置き場(東方?) 作:フランちゃん推進課
天邪鬼フライデー
2xxx.x.xx.Fri xx:xx
あれは金曜日のことだったように思う。今までに数えるのもおっくうになるほど金曜日を消費してきたのだが、その日が何か特別だったのかそうでなかったのかさえ定かではない。雨だったような気もするし晴れかもしれないし曇りかもしれない。もしかしたら台風の日だったのかもしれないが、もしそうだとしたら私は無事では済まなかっただろうという推測を持ってしか推し量れない。そんな日に私は彼と出会ったのだ。その時の彼の服装だけははっきりと覚えているように思う。白いワンピースに麻のサンダルをはいた赤い眼鏡の彼は(いや実際には彼女と呼ぶのが適切な表現かもしれないが…)なんだかよくわからない本を読んでいた。
「あの…」
私は彼に声をかけた。特に深い意味はなかった。そうするのが当然だと思ったからだ。
「なんだよ?」
実際彼が何と言ったかは覚えていない彼はもしかしたら「なによ?」とか「なに?」と返事をしたかもしれないし、もしかしたら一瞥をくれてそれきりだったかもしれない。ただまあ彼女があそこにいたとしたらこんな返答が適当だろう。
「ああ…お前か…」
その日はそれでおしまいだった。
2xxx.x.xx.Fri 18:xx
彼との二回目の邂逅は実に半年以上後のことだった。二回目というのはあくまで私の記憶の上で二回目であるというだけであり、彼に言わせれば1073回目らしい。その時の彼はピンクのうさ耳の寝間着(正式な名前があるならばどなたかご教示いただきたい)を着て私の前に現れた。
「元気にしてるかぁ?」
と彼が私に尋ねる。
「元気か…だって?みえるかい?」その時は確か11連勤明けだった
「大変なんだな…やっぱりこっちは意味が分かんねえ」彼はつまらなそうにつぶやいた
「こっちは疲れてるんだけど…わかってるならさっさと帰らせてくれよ。」苦労を知らなそうな彼にいら立ったのか、自嘲的に返した(相手がどう思ったかなんて知ったことじゃない)
「そうか…助けてやろうか?」
「ああ…頼むわ」なんでこんな返答をしたのかは分からない。私が彼を「彼」と呼んでる以上、小娘と侮ったわけではない。(実際彼はかなりきれいな女の子に見えるだろう。少なくとも傍目には)
「ははっ!」
彼女の笑い声とともに、街から一人の人間が消えた。人の波は脱落者の居場所を飲み込み、流れていく。まるでそこには誰もいなかったかのように時は流れ、夜が明ける。