TS勇者でも成り上がりたい!   作:ニホニウム

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王道的召喚

俺こと岩谷尚文は、一般的...少々オタクであると言う自覚は持っているのだが。

それ以外はごく普通の大学二年を謳歌していた学生だ。

 

「......ん?」

 

元々オタクと言うだけあり、現代のサブカルチャー文化にはどっぷりと泥沼につかっており、とある某ゲームでは大規模なギルドを経営していたのだが、それはまた別の話として。

 

俺は今現在、図書館に居る。

 

理由としては、自身の軍事資金が尽きてしまった事。

それに、ギルド内でのアイテム売却で出来た空き時間を潰す為に気分転換として来たという理由がある。

 

...因みに、軍事資金が尽きたのはこの某ゲームが影響している。勿論俺はアイテム課金をするようなプレイヤーでは無いのだが。

どちらかと言うと売る方が楽しいしな。

 

オフ会と言う物をご存知だろうか。

オフ会と言うのは、ネットゲームの中で知り合った人達と現実で出会って主に遊ぶことだ。

 

オフ会0人の某有名人などが居るが、まぁ当然そんな悲惨な事には当然ならなかった。

むしろ女性数名が混ざっていて、とても楽しかった。

完全にネカマだとは思っていたが...ま、気にする事でも無いか。

 

ゲームに性別など関係ないのだしな。

因みに秋葉原のメイドカフェに入ったら女性陣も大興奮、中身は完全に男だな。

 

...閑話休題。

 

 

予め読むことに決めていたファンタジー小説を探すため、俺はその周辺を探っている。

 

勿論、端末などで調べれば簡単に出てくるのだろうが、俺はこうして訳もなく手当たり次第に小説を探す事も好きだ。まるで探索をしているような気分になれるから。

 

大学生にもなってどうかと思うけど、マンガやゲームの主人公のように格好いい活躍をしてみたいな~なんて事に憧れていたりする。

 

ちょと古臭いかもだけど、勇者が魔王を倒す、なんて誇りが積もったようなテンプレート物語が大好きなんだ。

 

勿論今のテンプレートのように、チート系も好きだったりする。結局はラノベが好きな訳だ...。

 

「四聖武器...書......?」

 

そんな事を、ついさっきに頭上から俺に向かってダイレクトアタックを決めてきた本を眺めながら考えていた。

 

古臭い、ファンタジー小説らしき本。

この殺人的に尖った本の角で俺を倒そうとしてきた訳ではあるのだが。クトゥルフに出て来そうなアイテムだな。よく知らないけどさ。

 

前に宣言した通り、俺はテンプレートな物語が大好きだ。だから、自然とこの本に興味を引かれてしまった。

 

 

 

――その考え方がどれ程愚かで、どれ程後悔をするのか、岩谷尚文はまだ知らない。

 

 

 

「どれどれ......世界観の説明から入るタイプか...」

 

“とある異世界で、終末の予言がなされ厄災を逃れるため異世界から勇者を呼んで助けを乞うた”

 

......ペラ、ペラ、ペラ。

ゆっくりと一文一文に目を通しながら読む。

 

“召喚された四人の勇者はそれぞれ武器を所持していた”

 

「結構使い古されたストーリーだな...」

 

だが、それが安心出来て良いのだけれど...。

 

“剣、槍、弓そして盾――”

 

「盾って...盾は勇者じゃないだろー...」

 

ペラ、ペラ、ペラ

 

...ダメだ、テンプレートなのは良いけど盾の活躍が無さすぎてつまらない。盾の勇者、必要だったか?

 

どうせなら、仲間の職業として出しても...って、あれ?

 

「なん、で真っ白で...」

 

ペラ、ペラ、ペラ。

落丁か?そう思い、何度もページを捲り返してみる...が、その先の文章、文字さえも見つからない。

 

ペラ、ペラ、ペラ。

 

あ...れ......?ページ...が、勝手...に進ん...で。

 

意識、が だんだ、ん 遠くに...

 

 

 

 

 

 

 

――ドシン。

 

体に衝撃が走る。

 

俺は倒れたのか...?何が、どうなって。

 

「......っ!!」

 

周囲から、歓喜の声が聞こえる。内容は、やりました、成功したぞ、などと言う声。

 

薄ぼんやりと意識が元に戻るのを待ち、俺は目を開けた。数分かかったかのように思えたし、数秒もかからなかったのかもしれない。

 

とにかく、目を開けるとそこは図書館ではなくて。

見覚えの無い、石造りの建物で。

 

レンガ調と言う奴かな?とにかく、見覚えの無い場所で。下を見ると、蛍光塗料で塗って作られたかのような幾何学模様と祭壇。

 

ファンタジーに出てくる魔法陣に似たようなのがある。

 

「なんだ?」

 

声がする方向を向けば、俺と同じように状況が呑み込めていない男達が三人。それぞれ、剣、槍、弓を持っていた。そう、俺が盾を持っているのと同じく。

 

......でだ、何故俺は盾を持っているのだろうか。

こればかりは理解に苦しむ。まさか、さっきの本と同じストーリーの異世界、なんて事はないよな。

 

「ここは?」

 

とにかく、どんな状態にいるのか気になる中、剣を持った奴がローブを着た男に訪ねた。

 

「おお、勇者様方!どうかこの世界をお救いください!」

 

「「「「はい?」」」」

 

 

俺達は、異口同音で声を上げた。




某ゲームのタイトルは皆様の想像で。
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