2095:逢魔再臨 作:常磐ソウゴ推進派Quartzer
日本でも十校しかない魔法科高校への入学や新たな友人達。
新生活を楽しむ我が魔王であったが、一科生と二科生の差別意識による衝突やアナザー・ビルドの出現など問題は山積みであった。
更にはアナザー・ビルドの意味深な言葉に街で暗躍する影など物語は動き始める。
新たな闘いが彼らを待ち受けるのであった。
「そろそろ、学校の監視システムの外に出るね…」
「家がこっちの方角なのかな?」
「朝、キャビネットで登校してるのを見たから違うと思う」
放課後の街中、少女達がコソコソと一人の男子生徒を尾行している。
雫、ほのか、そしてB組の明智英美の三人である。彼女達は部活勧誘期間に深雪の兄である達也に魔法を発動して、攻撃を行った生徒を突き止めるためにここ数日調査していた。
そして遂に尾行している男子生徒、剣道部部長だと突き止めたのだった。
「あっ!路地裏に入っていった…」
「どうする?追う?」
「うん…行こう」
三人は追うようにして路地裏に入っていく。複雑な路地裏を進んでいくと、男子生徒は急に走り出した。
「気付かれた?!」
「わからない、とにかく追うよ!」
男子生徒の走り去った方向へ追うが角を曲がるとそこは行き止まりだった。
「あれ?いない…」
ほのか達が急に消えた男子生徒について思案していると背後からエンジンの音が近づいてくる。
咄嗟に壁際へ避けるがバイクの軌道は避けなければ確実に彼女達を轢いているものだった。
「なんなんですか!貴方たち!」
「お前達か我々を嗅ぎ回っていたネズミは…」
バイクの不審者は黒のライダースーツにフルフェイスヘルメットが四人。彼女達を取り逃がさないよう囲みながら通路を防いでいる。
「(二人とも合図したら走って。後はCADの準備も…)」
「(わかった、エイミィは退路の確保をお願い)」
「(オッケー)」
ほのかは少し動揺しているが三人とも冷静に状況を見定めて、逃げ出す算段を考えていた。
「………GO!」
「ッ!コイツらを逃がすな!」
雫の合図で三人は駆け出す。合図と共にほのかが閃光魔法を発動し、目眩ましをするとエイミィが加重魔法で退路の人間に攻撃を行う。
「ただの女子高生だとは思わないでよね!」
退路側の人間はマトモに受け身を取ることも出来ずに地面に叩きつけられ気絶する。
退路を確保し、追手も目が眩み追跡できない。三人は素早く逃げようとするが…。
「魔法師がぁ!!……これならどうだ!」
一人が手袋を外すと指輪を彼女達に向ける。すると急に立ち眩みのような症状と激しい頭痛が彼女達を襲う。
「なに…これ…」
「頭が割れるように痛い…」
雫とエイミィは何とか耐えたが、影響を強く受けたほのかは地面に伏せてしまう。
「お前ら魔法師はキャスト・ジャミングがある限り無力だ」
「(キャスト・ジャミング…だったら、あの指輪はアンティナイト…)」
かつて、ボディーガードが同じものを使用していたのを見たことがあるほのかや雫は直ぐに指輪に使用されている物を理解した。
「始末するか?」
「ああ、手はず通り我々の邪魔をするものには消えてもらう。魔法師なら尚更だ」
襲撃者の内の一人がナイフを手に近づいてくる。ほのかの目の前に立つとそれを振り下ろす。
「(ごめんなさい…お母さん…お父さん…)」
ほのかがこれからやって死を怯えて待っているが一向に痛みはやって来ない。それを不思議に思い、勇気を振り絞り目を開けると彼女と襲撃者の間に一人の男性が居た。
「大丈夫かい?君達は早く逃げるんだ」
「でも…貴方が…」
「私は問題ない。むしろ、君達が居ると危険なんだ」
「行こう、ほのか…」
ほのかは雫に肩を借りて、その場を後にする。ほのかの目には最後まで自分達を守ってくれた男性の後ろ姿が写っていた。
「なんのつもりだ?」
「………貴様らはこの周辺で活動している反魔法師団体だな?」
「てめぇ…どこでそれを!」
「ふっ!」
「ぐほぉっ」
男性は腹部を強く蹴り飛ばすと蹴られた側は壁際まで吹き飛ばされる。
「ならば、最早手加減も必要ないな。貴様らには洗いざらい情報を吐いて貰う」
「はっ!言うわけ無いだろ馬鹿かぁ?」
「……そうか、なら死ぬがいい。この街にお前達は必要ない」
男性の雰囲気が先程とは全く別に変わり、懐からあるものを取り出した。それは真っ黒なビルドの描かれたライドウォッチ。
「変身…」
「そ、その姿は…うわぁ!!」
男性の姿が赤と青の目に全身が黒い怪物へ変化する。襲撃者達はその姿を知っているようで蜘蛛の子を散らすよう逃げ出す。
『逃がすと思っているのか?愚か者ども…』
アナザービルドは目にも止まらない速さで動くと的確に四人の襲撃者の頭部へ蹴りを入れる。
普通の人間に耐えられる筈もなく、霧散するように頭部が消し飛ばされた死体が4つ出来上がる。
『…急がなければ…これ以上はあの娘に危険が…』
アナザービルドが姿を消すと路地裏には四つの死体以外はもう何もない。
数分後に現れた警察は頭部の無くなった死体が転がるという猟奇的殺人現場を見ることとなった。
___________________________________________
1:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:2NbStxi
このスレは最近、噂になっている『仮面ライダー』について語るスレです。
規約や禁止事項に触れることは控えましょう。荒らしは無視し、NG、報告にて対応してください。
画像の貼り付けは節度・内容に注意してください。
【前スレ】
https://×××.×××××××.com/×××××/××××/
【過去ログ】
https://××××××.××××××××.com/×××××/
次スレは>>950が建ててください、>>950が建てないor建てられない場合は>>970にお願いします。※ただし休日は書き込みが増加する傾向にありますので、その際のスレ建ては>>900にお願いします。承認後は早急に前スレを埋めてください。
必ず前スレを使いきってからお使いください。
2:名無しさん変身です 2095/4/13
ID:VhHY0Ca
スレ立て乙、前スレの消費早かったみたいだけど何かあった?(今北産業)
3:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:dOULn1S
>>2
仮面ライダー以外にも
色々な存在が
多数報告された
4:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:pDpnPFZ
都市伝説なのに多数報告されるのか…(困惑)
4:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:MGSwWjT
正確には仮面ライダーじゃ無くて
ビル火災の時に居たっていう『怪人』みたいなのらしい
5:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:YmYz28F
そもそも、『仮面ライダー』と『怪人』の違いは何よ
顔にライダーって文字が入ってるのが
仮面ライダーだっていうのは分かる
全身が真っ黒いやつは『怪人』?
6:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:F8YdWNX
>>5
黒いのは人によって変わるんだよな
助けられたって人もいれば
襲われたって人もいるから
近頃、目撃情報が殆んどないけどな
7:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:ZBHNQmA
それよりも『怪人』の話だよ
ここ数週間で何体か目撃情報があったじゃん
仮面ライダーと戦ってとか
倒された『怪人』から人が出てきたって話も…
8:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:9VJhGfL
>>7
ニュースでも魔法師が行方不明とか言ってたし
怪人の正体は魔法師とか?
研究所で人体改造された魔法師が…とか
9:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:JiuCQ9w
ネット記事の読みすぎ
今時、魔法師の陰謀論なんて使い古されたネタ
オカルト系のまとめ記事でも見ないよ
10:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:WBhPJaF
だったら、何で仮面ライダーや怪人が
ニュースで大きく取り上げられないんだよ
魔法師に都合の悪いことがあるからなんじゃねぇの?
11:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:mfnB32c
ないとは言い切れないからな
仮面ライダーの画像は凄い早さで情報規制されるし
前も写真撮ったっていう奴が上げた画像は
数十秒もしない内に削除されたよな?
12:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:zifQXn4
画像を保存した奴等の端末からも消えたらしいし
ある意味、仮面ライダーの存在よりも
徹底された情報規制の方が恐ろしいわ
13:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:p7hkzzc
まあ、結局殆んどの人は姿を見てないし
大半の人間からしたら与太話でしかないからな
ニュースで報道なんてされる訳がない
14:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:E3LdQkA
スレにいる奴も殆んどが居るとは思ってたいでしょ
目撃情報も嘘っぽいし、証拠は何も残ってないからな
15:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:EDC5ye5
現状はよくあるオカルト話で終わり
『仮面ライダー』って名称も元は都市伝説からだし
16:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:E3LdQkA
>>15
自分はよく知らないけど2000年初頭くらいに
語られてた都市伝説なんだっけ?
17:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:EDC5ye5
警察の使用しているGシリーズのパワードスーツは
過去に現れた『仮面ライダー』をモチーフに作られたとか
それっぽい話も残ってはいるけど
『仮面ライダー』についての話は殆んどないんだよな
18:名無しさん変身です 2095/4/13 ID:k4QELHd
オカルト雑誌ならともなく報道では
こんな未確定な情報は流れんわな
仮面ライダー探しいいけど、お前らも気を付けろよ
魔法師が行方不明になったりと物騒なのは本当だからな
___________________________________________
アナザー・ビルドが雫たちを助けたのと同時刻、郊外から外れた採石場。
既に作業員も退去しているようで周囲にはジオウとウォズ。そして空高く飛び回る『フライングスマッシュ』の姿しかない。
フライングスマッシュは鷹の成分を持つスマッシュであり、先程から上空からの急降下攻撃を繰り返していた。
『ピィーー!』
『またスマッシュか……』
「やっかいだね、あんな高く飛ばれると使えるウォッチは限られる」
すれ違いざまにジカンギレード・ケンで斬りつける。すると今度は攻撃の届かない上空からの羽根を飛ばして攻撃してきた。
『あー!うざったい!』
「空を飛べるフォーゼのウォッチを使っては如何かな?」
『出来るだけ手の内は明かしたくないんだが…』
「スマッシュ出没は何者かの差し金だと?」
『考えすぎかもしれないが。……まぁ、だれの差し金だろうとそれは人を助けない理由にはならないな』
ジオウは通常のウォッチとは形状の異なるものを取り出した。それはウォッチの横にもう一つ、ウォッチを装着できる形状をしている。
「おや、それを使うのかい?我が魔王」
『門矢士…ディケイドの力は扱い方が難しい。使えるウォッチが限られてる現状では慣れておかないと』
ディケイドライドウォッチのスターターを押すとベルトへ装着する。
ジクウドライバーのメインユニットである『ジクウサーキュラー』が回転する。フライングスマッシュが羽根を飛ばして攻撃するが突如現れた灰色のカードがそれを弾き飛ばす。
カードに写し出されたアーマーがジオウヘ重なり、ジオウの姿は顔には巨大なタッチパネル『ディメンジョンフェイス』には仮面ライダーディケイドの顔が写し出され、胸の『コードインディケーター』に『バーコード』の模様がある戦士へと変化した。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者……その名も仮面ライダージオウ ディケイドアーマー。再臨の瞬間である」
『これじゃあ、まだ飛べないでしょ?終わってないよ』
ジオウはもう一つのウォッチを取り出すとディケイドライドウォッチのスロットへ装着する。
ジオウはディケイドアーマーウィザードフォームへ変身すると背中のドラゴウィングを羽ばたかせ空へ舞い上がる。
フライングスマッシュは向かってくるジオウを羽根で迎撃しようとするが効いておらず、ドラゴヘルクローによる反撃を受ける。
『逃げようとしても無駄だ』
『ピィ!?』
ジオウから逃げようとしたフライングスマッシュの背後に巨大な魔方陣が現れると竜巻がフライングスマッシュを吸い込み始める。
フライングスマッシュは逃れようとするがそれよりも竜巻の方が強く、徐々に吸い込まれている。
『機動力を失えば、お前は相手に成らん』
『ピィギィ…』
スマッシュの頭上に現れた魔方陣によって発生した重力によって地上へ叩きつけられる。
しかし、地面に叩きつけられたダメージが無いかのようにスマッシュはもう一度飛び立とうと羽ばたき始めた。
『おっと!また空へ逃げられるのはゴメンだな』
『はぁ!』
『キィ!』
ジオウは身を翻すとドラゴテイルを叩きつける。すると瞬く間に地面が凍り付き、飛び立とうとしていたスマッシュは地面に縫い付けられた。
バタバタと翼をはためかせるが地面と一緒に凍り付いた足元の氷が壊れるとはない。
飛び立つことが不可能だと分かるとスマッシュは大量の羽根をジオウへ飛ばしてくる。
『悪あがきもそこまでだ。さぁ、フィナーレといこうか』
胸部のアーマーにドラゴンの顔が現れると口から炎のブレスを吐き出し、飛ばしてくる羽根ごとスマッシュを燃やし尽くすような炎の嵐が巻き起こる。
『ピィーーー!!』
スマッシュはブレスを正面から受けると地に伏せて動かなくなった。
『フィー……』
「お疲れだね、我が魔王」
「そりゃあ、これで五体目だよ?これからも出ると思うとね」
ジオウは変身を解き、ソウゴの姿に戻るとブランクウォッチをスマッシュへ押し付けた。するとスマッシュの成分がブランクウォッチへ吸収され、スマッシュの姿から人間の姿に戻る。
「全く…ブランクウォッチもそこまで数を用意してないんだけど」
「我が魔王、間違ってもそのウォッチは解放しないでくれ。今の我々ではネビュラガスを浄化するのは無理だからね」
「せめて、戦兎の持ってたボトルみたいに使い道が出来ればいいんだけどね。ウォズ、帰るよ」
ソウゴがスマッシュになっていた人を背負うとウォズのストールが三人を包み、採掘場には人一人居なくなった。
___________________________________________
「ふぁー……」
「ソウゴくん…お疲れですか」
「何々?夜更かしでもしてたの?」
教室でソウゴが背伸びをして大きな欠伸をすると美月とエリカから声を掛けられた。尤も、心配そうに声を掛けた美月と違いエリカはからかうような感じである。
「うん、ちょっと修理の依頼が来ててね。久々に時計の修理で張り切っちゃった。その後も色々とあって寝たのが真夜中の3時頃になっちゃった」
「駄目ですよ?体は大切にしないと」
「ありがとう、美月。心配してくれて」
「いえいえ」
「へぇ…美月ってさ。ソウゴくんみたいなのがタイプなの?」
「エ、エリカちゃん!そんなんじゃないよ!私は本気でソウゴさんの事を心配して…」
二人のやり取りを可笑しそうに眺めていると急に耳を劈くような放送が流れる。
『全校生徒の皆さん!』
「何だ!何だ!っ!いってぇ…」
教室に居る生徒達は耳を塞ぎ何事かと驚いている。授業からずっと居眠りをしていたレオは爆音に目を覚まし、飛び起きたが運悪く机に足を強打した。
『あっ…失礼しました…全校生徒の皆さん!』
放送者も爆音で放送されたことを理解したのか、先程とは違い音量のボリュームを下げて放送が開始された。
「達也、これって不味いんじゃない?」
「……そうだな、今の風紀委員の呼び出しが来た。行ってくる」
「はい、お気を付けて」
達也が教室から出るのを見送るとソウゴは帰宅の準備を始めた。他の生徒達は放送の事もあってか困惑して帰宅していいのか悩んでいる。
「俺は予定があるから帰るね」
「えっ、帰るんですか?ソウゴさんは気にならないのですか?」
「気にはなるけどね。今日は何も分からないんじゃないかな?明日、達也に訊くよ。じゃあ、皆も気を付けてね。最近、物騒だし」
纏めた荷物を手にソウゴは教室を出ていった。その姿を見た生徒達も少し時間を置いて続々と帰宅していく。
最終的に教室に残ったのは不安よりも好奇心や興味が勝った。エリカやレオなどの極一部の生徒のみであった。