一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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一夏ちゃん視点





8月1日

 

 

両親への報告を終えた後、再び姉さんの運転する車で自宅に戻り、姉さんはさっさと着替えてニヤニヤしらながら出掛けて行った

 

 

ニヤニヤしてなければ素直に感謝出来た気もするけどなぁ、と思いつつ夕飯は姉さんの苦手なゴーヤを使った料理にしようと心に決めて薫君とお家デートをして幸せな時間を過ごした

 

 

それから約1週間の時が流れ8月1日、私は少し緊張しながら駅の改札を出て薫君と待ち合わせの目印を探す

 

そう、今日は薫君のお家へ訪問する日なのだ、鈴や箒+α(ゆうし)の協力で私達の考えた最強のコーデで今日を迎えている

 

 

ただのお家訪問だけなら、ここまで気合いを入れたりしない・・・多分、気合いを入れている理由、それは薫君の誕生日だからだ

 

 

初めての彼氏、その彼氏の初めての誕生日、ここに気合いを入れなくて何処に気合いを入れるのか? ってぐらい気合いを入れている

 

 

「あ、薫君、お待たせ。待った?」

 

「うぅん、今さっき着いた所だから大丈夫」

 

 

数分掛からずに目印を見つけ薫君と合流する、今日も薫君はカッコいい

 

 

それから お家までの道中で軽く案内をして貰い、薫君が住む高層マンションへ辿り着く

 

そういえば、こうゆう高層マンションに入るのは初めてかも知れない と思い少しキョロキョロしているのを薫君が微笑ましそうに見ていて少し恥ずかしくなってしまった

 

薫君が電子キーで自動ドアを開けてエレベーターに乗る、あぁ緊張で心臓が爆発するんじゃないかってぐらいバクバク言ってる

 

 

エレベーターから降りて、とうとう薫君のお家に辿り着き

 

「ようこそ、我が家へ」

 

薫君がニコッと笑み、玄関の扉を開けて家の中に招き入れてくれる。あぁやっぱり薫君はカッコいい、よし結婚しよ

 

とか少し邪な事を考えつつ、薫君にお礼を言い靴を脱ぎ揃えて予め用意されてた来客用のスリッパを履いて、バススロットに格納していた手製のプリンが入った紙袋を展開して薫君の背中を追い、廊下を進んでリビングへ入る

 

 

「ただいま母さん」

 

「し、失礼します」

 

 

リビングに入ると、黒髪の妙齢の女性がテーブルに座って本を読んでいて薫君は彼女に ただいま と言う、なるほど薫君は お母さん似だな。うん

 

 

「おかえり薫、そして いらっしゃい。一夏さん」

 

 

ニコリと お母さんは笑み本へ栞を挟み閉じて立ち上がって私達の方へ歩み寄ってくる

 

「はじめまして、織斑 一夏と言います。 薫君とお付き合いさせていただいています。あ、良かったら食べて下さい。プリンです」

 

 

「あら、ありがとう」

 

軽くテンパリながら お母さんへ自己紹介し紙袋を渡すと、お母さんはさらに温和な笑みを浮かべる、ヤバイ緊張し過ぎて変な汗かきそうだ

 

 

「今、飲み物を用意するわね? 座ってて? 薫」

 

「あいよ、一夏さん。どうぞ」

 

「え? あっ・・・」

 

 

薫君と お母さんの連携で私は流されるままイスに座らされる、流石は薫君・・・私の事がよくわかってる

 

 

「大したおもてなしも出来ないけれど」

 

「い、いえ、お構いなく」

 

お母さんはニコニしながらアイスティーを私に出してくれる、すごい良い香りのアイスティーだなぁ

 

 

「ふふ、緊張しなくて大丈夫よ? って言っても緊張してしまうと思うけれど、肩の力を抜いて大丈夫よ」

 

 

と、お母さんは優しく私へ諭す様に言われ、少し肩の力が抜けた様な気がする

 

 

「にしても、こんな美人な娘をウチに連れてくるなんて・・・ねぇ? 」

 

 

「美人なんて、そんな」

 

 

「・・・母さん、一夏さんが美人なのは間違いないけど、もう少しオブラートに包んだりしてよ」

 

 

温和な笑みを浮かべたまま言う お母さんに薫君が真顔で言い、嬉しいと思う反面、すごく恥ずかしい

 

 

「可愛い、薫。絶対に一夏ちゃんを離しちゃダメよ? 命に代えても守りなさい」

 

「もちろん、そのつもりだよ」

 

 

恥ずかしくて身悶えている間に薫君と お母さんで何かが締結した様だけどいろと混乱して聞き流してしまった

 

 

「一夏ちゃん、いつでも お嫁に来て良いからね? 」

 

「はぇっっ?! い、いや・・・ま、まだ早いって言うか、まだ出来ないので? したいですが・・・」

 

「母さん! だから、もうちょっとオブラートに! 」

 

 

「あらあらあら〜」

 

 

お母さんの言葉に更に混乱し盛大に本音をブチまけてしまったが、お母さん は『あらあら』と何か嬉しそうに言い薫君は軽く お母さんを窘める

 

そんな軽く混沌とした空間のリビングに、薫君に似た少し髪が短めの少年が入ってきて

 

「あっちぃ・・・あれ? お客さん? ん?? 」

 

冷蔵庫に直行し、冷蔵庫から飲み物を取り出してコップに注ぎながら彼は私に気付き、3度見ぐらいする

 

 

「兄貴、その人って・・・」

 

「楓、お前さすがに失礼じゃないか? まずは挨拶だろ? 」

 

 

普段とは違い、少し強めの口調で口をパクパクしている楓君に薫君は言う

 

うん、普段の優しい口調も良いけど、こうゆう少し強めの口調も良いな、カッコいい。よし、結婚しよう

 

 

「お、おー・・・八月一日 楓、です。その薫の弟で今、中2っす」

 

 

と楓君は、おずおずと自己紹介をする。何か可愛いな、この子

 

「はじめまして、織斑 一夏です。薫君とお付き合いをさせて貰っています、よろしくね? 楓君」

 

 

薫君のおかげで大分人見知りも改善されてきたおかげで、すんなり自己紹介が出来た

 

 

あとは、お父さんだけか、緊張するなぁ

 

 






お待たせしました


どうでしょう? こんなんで良いっすか?

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