一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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薫君視点


音の その先

 

 

学園祭から約2週間が経った今日この頃、俺は特設ピットでユニット装着をしている

 

 

「いよいよ本番だね? 緊張してる? 」

 

「大丈夫だよ、もう慣れたし。ただ先輩達がいるからいつもと違うし少し不安があるだけだよ」

 

 

キャノンボール・ファスト用のバックパックユニット オオトリを装着作業をしながら尋ねて来た一夏さんに答え肩をすくめる

 

 

そう、もう人目が集まる事には慣れた、行事とかイベントやデータ取りの度にめちゃくちゃ注目されるし

 

 

でも今回は初めて上級生との競技、緊張はしてないけど少し不安はある。そもそも打鉄改・・・否、打鉄は防御型故に足が遅い部類だ。それをバックパックユニットを換装する事で全域対応するのが打鉄改と言う機体だ

 

その打鉄改を使い熟せれば間違いなく強いだろう、使い熟れば

 

 

「安心するが良いぞマスターよ、吾輩と奥方、明石がマスターについておるからな」

 

ふわりと現れて空中に浮かびながらドヤ顔で陽炎は言う、最近よく出てくる様になったな

 

「そうにゃ、マスターと明石 陽炎がついてるにゃ、婿殿は明石達を信じて前だけ見てれば良いのにゃぁ」

 

 

少し眠たげに明石が現れてフンスと胸を張って言う、この子も最近よく出てくる様になったな、うん

 

 

「よし、準備出来たよ薫君。君なら大丈夫、私達がついてるよ」

 

 

「うん、ありがとう。行ってきます」

 

 

俺は一夏さんに送り出され、歩いてスタートラインへ向かう

 

 

キャノンボール・ファスト、簡単に言うならISを用いた妨害ありのレースだ

 

 

会場はIS学園のある人工島、内陸部と海上を使用したコースが伝統らしい。各所のチェックポイントを駆け抜けて最速でゴールを目指す、そんなレース

 

 

燃費と火力バランスを重視して飛鳥より加速力は下がったが充分な力を発揮してくれる筈のオオトリを背にスタートラインへ立ち深呼吸して意識を集中する

 

 

大丈夫、俺には一夏さんを始めとした仲間がいる、大丈夫だ

 

 

と自分に自己暗示を掛けていると

 

 

「あ・・・」

 

「ん? あ、さらし・・・簪さんが対戦者か、これはやり甲斐がありそうだ」

 

「え? あぁうん」

 

聞き覚えのある声が聞こえたので横を見ると一夏さんのルームメイトの簪さんが打鉄弍式を纏いスタートラインに立っていたので、軽く話かけてみるが簪さんの目が何か泳いでいる様な?

 

 

テールユニットと脚部にブースターが装着されている様に見える打鉄弐式を観察していると他の対戦者もスタートラインに揃い会場にアナウンスとカウントダウンが響く

 

 

「武器管制は吾輩に任せておけマスター、お主は飛ぶ事に集中すれば良い」

 

 

「分かった、任せたよ陽炎」

 

俺は半透明で右肩辺りに漂う陽炎の言葉に頷き、まっすぐ前を見て集中してカウントがゼロになった瞬間、アイドリングしていたスラスターの出力を上げてスタートダッシュを図るが、やはり少し不利なのか少し出遅れてしまい薄水色のISが斜め前に見え、ロールしてアンロックユニットとかが格好良く稼働し戦闘機の様なフォルムになって更に早くなって飛んで行くのが目に映る

 

 

「え? 可変した!? マジか、カッコいいな」

 

 

さながらアリオスガンダムとかガンダム ハルートみたいでカッコいいなと感じつつ、いつの間にか可変機になっていた打鉄弐式を始めとする対戦者達の後を追う

 

やっぱり純粋な加速力のあるロケットブースターには加速力じゃ勝てないなぁと思いながら、どこで仕掛けるか考える

 

「マスター、先頭からミサイルのプレゼントだ。吾輩が合わせる、気にせず突っ切れ」

 

「了解、信用してるよ陽炎」

 

 

俺は両腕の力を抜き目の前に迫るミサイルの群れを見て隙間を見定めて飛ぶと、陽炎は焔備と左肩部ビームガトリングを使いミサイルを撃ち落として行く

 

 

何回やっても変な感じがするなぁ、これ と思う

 

 

この分担作業を思い付いたのは、ボーデヴィッヒさんとマリーを見た時だった。 シュヴァルツェア・レーゲンのISコア意識であるマリーがAICを使用出来ているならば、IS自体の操作も可能なんじゃないか? と

 

 

結果的に言えば予想通り、IS操作が可能だったし部分部分を分担する事も可能だった

 

ただ操縦者の意思が最優先されるみたいで少しでも抵抗すると陽炎の操作を受け付けなかった、あと自分の意思で動かしてないのに動くから少し変な感覚に襲われる些細な欠点がある

 

 

「ミサイルの掃討終了じゃ、お? 流れ弾が来るぞ」

 

 

「本格的に始まったね、よし陽炎 反撃宜しく」

 

 

「うむ、任せるが良い」

 

 

流れ弾を躱したり対物シールドで受け流しながら飛び、陽炎が反撃でビーム砲とレールガンを撃つと対戦者達の足並みがブレて少し差が縮まるが、先頭の打鉄弐式までは まだまだ遠い

 

「陽炎、ミサイル使って貰える? 少し身を軽くしたら届くかも」

 

 

「ふむ、一理あるかも知れぬな? 分かった」

 

 

陽炎は俺の提案を聞き数秒だけ考えて受けいれてオオトリに搭載された対ISマイクロミサイルを一斉掃射する、その事で少し軽くなった打鉄改の速度が少し速くなり、更に対ISマイクロミサイルによって対戦者を1人落とす事に成功する

 

 

これなら折り返しまでにギリギリ打鉄弐式に届くかも知れない、よしやるぞ

 

 






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