一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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八月一日 薫 の 決意

 

 

 

何かと濃ゆい1日を経験して寮の1人部屋に戻ってきて直ぐにベッドに倒れ込みグッタリする

 

学園生活1日目が漸く終わろうとしている、そうまだ1日目だ

 

慣れれば多少はマシになると思うが、こんな事が残り約3年残っているのだから気が滅入る と愚痴を言った所で状況が変わる訳でもない

 

 

ひとまず模擬戦に向けてヤル気は有る、だが身体が気持ちについて行けていない様で倒れ込んだまま身動きが取れないまま睡魔に負けて寝てしまった

 

翌朝、毎日定時になる様に設定したアラームにより目を覚まして朝風呂を浴びて気持ちをリセットして身支度をしていると扉がノックされたので返事をして扉を開けると山田先生が立っていた

 

「あ、八月一日 君 まだ居て良かった。八月一日 君の専用機が届いたので昼休みに受け取りに来て下さいね? これが資料です、空いた時間で少し目を通しておいて下さい」

 

「分かりました」

 

なんとも都合の良いタイミングで専用機が来てくれたもんだ、とか考えつつ山田先生の背中を見送り身支度を完了させてから部屋を後にする

 

校舎に入って教室に向かう道中で織斑先生と織斑さんとすれ違い、なんか面倒事か?とか思いつつ教室を目指す

 

教室に入ると昨日とは違いクラスメイトが話し掛けてくれたので軽く受け答えしたりして予鈴が鳴るまで過ごし本鈴と共にSHRが始まって、模擬戦の日時と俺に専用機が届いた事が伝えられる

 

SHRが終わり織斑さんが俺の整備を任されたらしく話掛けてきてくれたので色々と話し、彼女は凄いな、と感じる

 

専用機・・・打鉄 改の仕様書をパラっと読んだだけで大凡の事を把握してしまった

 

俺には真似できない事なので素直に賞賛すると、何処からかオルコットが現れて

 

「専用機が来て安心しましたわ、練習機では あまりに差があって言い訳にされても困りますし」

 

と煽ってくる、コイツ頭大丈夫か?

 

確かに俺とオルコットでは経験の差が有る、だが慢心すれば足元をすくわれるのが世の常、素人でもラッキーパンチが有るかも知れないのだから

 

「わざわざ それを言う為に来たの? 悪いけど俺は今、織斑さんと意見交換してるから、そうゆうのは後にしてくれるか? 」

 

軽く呆れながら言うと、顔を真っ赤にして怒りながらオルコットは去って行く

。その背中を見送ると丁度 授業が始まる

 

 

それから4時間目まで特に問題も無く終わり専用機を受領する為に織斑先生と共にアリーナのピットへ向かい、専用機を受領して 購買で適当なパンを買って寮の部屋に戻りテレビを見ながら昼飯を食べる、昼ぐらい1人になっても良いだろ?

 

それから放課後に織斑先生と山田先生の指導の元、パーソナライズとフォーマット、ファーストシフトを終わらせる

 

その翌日には織斑さんの協力の元、バックパックユニットの慣らしと換装作業のテストを行う

 

バックパックユニット無しの状態を先に経験したお陰で違いがよく分かって良かった

 

特に、機動強化ユニット 焔はかなり汎用性が高いと感じたので使用率が一番高くなりそうだ

 

それから織斑さんが集めてくれたオルコットの情報を基に対オルコットの戦術を織斑さんと意見交換しながら錬る

 

とりあえず何処から情報を得たかが気になり、さり気なく聞いてみたら、はぐらかされたので、恐らく合法じゃ無いんだろう多分

 

と、まぁ戦術と言ったが経験の差を埋める事は難しい、小細工とオルコットの弱点に漬け込むしかない、という事になり

 

織斑さん、布仏さん、ほか 有志の協力の元 対オルコット戦に備えて訓練を続け1週間があっという間に過ぎていった

 

そして来てしまった模擬戦当日、俺はピットで打鉄 改を纏い、織斑さんに焔を打鉄 改に接続して貰っている

 

今の俺は1週間前の俺とは違い、オルコットに勝つつもりている。この1週間で織斑先生と山田先生を始めとした織斑さんやクラスメイトの有志にお世話になった

 

全てはオルコットに勝つ為の努力をしてきた、もちろん勝利出来る可能性 自体は決して高くない、むしろ負ける可能性の方が高い

 

それでも俺はオルコットに勝ちたいと思っている、その先に面倒な事が待っていても それは今更だし些細な事だと思える

 

 

「八月一日 君、焔の接続 問題なく終わったよ」

 

「ありがとう織斑さん」

 

少し特別なISで制服のまま腰部辺りにISのアンロックユニットが浮いている織斑さんに作業が終わった事を告げられ お礼を言う

 

「気にしないで? いよいよ本番だね? 」

 

対物シールド裏の替えマガジンをチェックしながら織斑さんは言う

 

「そうだね、1週間前なら勝てる可能性は0.1%ぐらいだったけと、今なら5%ぐらいには上がったと思うし、一泡吹かせてくるよ」

 

俺はワザとふざけた調子で言うと織斑さんはクスリと笑い

 

「ふふ、痛いのブチ食らわせてやれってね? 頑張って 八月一日 君、君の勝利を願っているよ」

 

「ありがと、頑張ってみるよ」

 

俺はカタパルトへ進み脚部を接続する

 

 

まっすぐ前を向いて、オルコットとの模擬戦へ意識を集中させる、背中に期待を背負っているんだ、タダでは負けられない

 

 

 






また次回に続くですだ


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