一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

19 / 112
ねーねーズに呼び出され

 

 

 

箒の放り込んだ爆弾が何とか言い意味で勘違いされて何とか処理をした後、昔の話をボカしながら話したり、簪と のほほんさんの思い出話を聞いたりして楽しい昼休みを過ごし、午後の授業を受け放課後になって帰り支度をしていると

 

「おりむー、この後 暇ぁ?」

 

のほほんさんが目の前に立っていて、私に尋ねる

 

「ん〜うん、特には用事も無いけど、どうしたの? 」

 

いくら私でも毎日ガンプラを作っている訳では無いし、用事も予定もなかったので のほほんさん に尋ね返す

 

「良かった〜、お嬢様が おりむー を連れて来てぇーって〜」

 

そう にこ〜 と笑み のほほんさん は言う、可愛い

 

のほほんさん に癒されつつ、お嬢様って誰? と考える。少なくとも簪では無いのは分かっている、だって のほほんさん は簪を かんちゃんって呼ぶし

 

のほほんさん の事だから、危険は無いだろう と判断し

 

「分かったよ、案内をお願い」

 

「ありがと〜」

 

ゆったりとした動きで案内を始める のほほんさんに続き移動を始める

 

十数分移動して生徒会室へと辿り着き、私の疑問は更に深まり首を傾げていると、のほほんさん は前触れも無く私の腕を引き、ゆったりとした動きで扉を開け中に入り

 

「お嬢様〜 おりむー 連れてきましたぁ〜」

 

と私を呼び出した お嬢様なる人に声を掛け

 

「ありがとう本音ちゃん、ようこそ生徒会室へ一夏ちゃん」

 

突然の事に反応出来なかった私へ見覚えのある生徒会長が、歓迎と書かれた扇を広げて そう言う

 

「えぇっと・・・私、何かしましたか? 」

 

のほほんさん が居なかったら逃げている所だが、のほほんさん は私の腕に抱きついているので逃走は出来ないから諦めて私は楯無さんに尋ねる

 

「そんなに警戒しなくて大丈夫よ、昨日のクラス代表選出戦について確認したい事が有ったの」

 

ニコっと笑みを浮かべて扇を閉じて開くと、質問と扇に書かれた文字が変わっていた

 

まって、私からしたら その仕組みの方が興味あるんですけど

 

「なんでしょう? 私に答えられる事なら答えますけど」

 

ひとまず好奇心を封じ込めて楯無さんに返答すると

 

「本音ちゃん、扉の鍵を。(うつほ)ちゃん、一夏ちゃんに何か飲み物を」

 

「はぁい」

 

「畏まりました」

 

楯無さんの指示を聞き のほほんさん は普通の速度で私から離れ扉の鍵をしてに行き、虚さんは生徒会室の一角にあるキッチンスペースで飲み物を用意し始める

 

「さ、一夏ちゃんはソコに座って? そこまで長話をする予定は無いけれど、呼び出して立たせっぱなしはナンセンスよね?」

 

「は、はぁ」

 

相変わらず掴み所のない楯無さんに曖昧な返答をして彼女の正面に座ると、紅茶の注がれた如何にも高そうなティーカップと、一口サイズのクッキーが数枚乗ったお皿が置かれて

 

「どうぞ」

 

と虚さんに言われたのでお礼を言い一口飲んで、あまりの美味しさに驚くと

 

「虚ちゃんの紅茶は美味しいでしょう? 私は世界一だと思っているわ」

 

「はい、とても美味しいです」

 

紅茶の感想を言い、それから3口ほど飲んだあと

 

「早速だけれど本題に入るわね? 単刀直入に・・・対レーザー用備品一式、何処から持って来たの?」

 

楯無さんはティーカップを置き、扇を広げる そこには疑問と書かれている

 

 

それを見て、呼び出された理由を何となく察して、どう説明したら良いかを少し考える。私は別に明石のワンオフアビリティを明かすは構わないと思うが、束さんに出来るだけ秘密にした方が良いと言われている手間、どうするか少し悩む

 

そう悩んでいると

 

「言いづらい場所から持って来たの? まぁ出所よりどうやって持ち込んだ、か の方が重要なのだけど」

 

なんか楯無さんが勝手に話を進めてしまったので

 

「一応お尋ねしますが、なぜ対レーザー用備品一式に疑問と言うか、問題が?」

 

この質問への返答次第では明石のワンオフアビリティを話しても良いかな? と考え尋ねる

 

「そうね、IS学園の備品のデータベースに登録されていない高価で用途もピンポイントな備品が搬入された痕跡が一切ないにもかかわらず使用されているから、かしら? もちろん一夏ちゃん、貴女が整備作業特化の専用機を持っていてバススロットに対レーザー用備品が入っていない事は確認済みよ? 」

 

楯無さんは、そう言い紅茶を飲む

 

そして私は楯無さんの言葉に、そりゃ痕跡がある訳ない と思う

 

当たり前だ、対レーザー用備品一式は明石のワンオフアビリティで生産したのだから、データベースに登録されないし、持ち込む痕跡だってない

 

それに入学前に明石をIS学園に提出して検査して貰っているから、明石の仕様は楯無さんも知っている、ただワンオフアビリティは束さんに寄って閲覧規制がかかっているけど

 

「あー・・・よし、今から理由を答えますが、他言無用でお願いします。師匠から出来る限り秘匿しろと言われていますので」

 

私は真面目な表情をして楯無さんと虚さんを見て言うと2人は無言で頷く

 

ちなみに、のほほんさん はいつの間にか寝息を立てていた

 

「痕跡が無いのは 結論から言うと、私は備品一式を持ち込んでいないから、ですね。学園内で生産して使用しました」

 

そう言うと

 

「学園内で生産? 材料だってバススロットに登録されていなかったわよ? 」

 

と楯無さんは首を傾げて言う

 

「明石・・・私の専用機には、ナノマテリアルと言うモノがバススロットに入っていましたよね? ソレが材料です」

 

そう私が言うと、2人は顔を見合わせてアイコンタクトをして首を傾げてから再び私を見て

 

「銀色の粉よね? サンプルを採取して検査したけれど、謎の粉だったわ」

 

 

と楯無さんは不思議そうに言う

 

「ナノマテリアルは明石のワンオフアビリティで精製された、文字通り何にでもなる魔法の物質です。一定時間内での精製量には限りはありますが、バススロット内に貯蔵が可能なので悪用されない様に明石にのみ操作権が有る様に設定されているんです、だから私以外の人にはナノマテリアルは、ただの銀色の粉でしかない」

 

そう説明すると少し疑う表情を見せたので

 

「実演しますね? そうですね・・・よし」

 

私は席を立って開けた場所に立ち明石を展開して楯無さんの扇をナノマテリアルを使い作る、持ち見よう見まねだから形だけだが

 

そして扇を作成した事で私の説明は信じてもらう事ができ、ナノマテリアルの有用性を認識された事で、他言無用と約束を取り付ける事が出来た

 

 

 

 

 

 





ねーねー は沖縄の方言? で お姉ちゃん とか 姉さん と言う意味です


のほほんさん って可愛いよね?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。