一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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前話の冒頭に入れ忘れた文を加筆しました


一夏ちゃんの鬱屈

 

 

薄暗い倉庫、鎖に繋がれた俺、見下した眼で俺を見下ろし注射器を持つ女と男達

 

女の手により注射器の針が身動き出来ない俺に刺さり投薬される、数秒後に身体が焼ける様な痛みが襲い、痛みのあまり意識を失う

 

そして冷たさを感じて目を開けるとバケツで水をかけられた様で全身びしょ濡れになっていて、自分の身体の異変に気付く

 

混乱しながら顔を上げると男達が明らかに下卑た目をしている、その視線に恐怖を覚え必死に鎖を鳴らしどうにか抜け出そうとするが、抜け出せず男達の嘲笑う声が響く

 

 

嗚呼、コレは夢・・・悪夢だ。あの日の、忘れられない俺が私へなった日の夢だ

 

この後、鎖を外されたが大の大人数人がかりで押さえ付けられて着ていた服を引き裂かれ、強姦されかける

 

そうゆう記憶だ

 

分かっている、終わった過去だと

 

知っている、彼等は2度と私の前に現れない事を

 

そうだとしても、恐怖は何度でも蘇る

 

 

私は頬を撫でる優しく温もりに気付き目を開ける

 

「・・・ねえ・・・さん・・・? 」

 

私に良く似た頼りになる最強の姉が優しく私の頬を撫でる

 

「む・・・すまん、起こしたか」

 

私が目を覚ました事に気付き謝る姉に いいよ大丈夫 と答えて纏まらない思考で考える

 

何故、私は見覚えの無いベッドに寝ているのだろう? 確か教室の自席に突っ伏していた筈なのだから

 

 

私が そう考えいると姉が

 

「一夏、お前は教室で貧血を起こしたんだ。ここは保健室で もう時期昼休みになる」

 

姉はパイプ椅子に座り言う、その表情は教師では無く姉としての優しい表情だった

 

「ごめん姉さん、心配かけて」

 

私は ゆっくり身体を起こし姉へ言うと

 

「全くだ、お前は・・・と言いたい所だが、アレだろう? 仕方ないだろう、新生活で自覚していない疲れやストレスも有っただろうしな」

 

姉は私の左手を取り両手で包み言う

 

「それに毎日顔を合わせておいて見抜けなかった私に責任がある、不甲斐ない姉で すまない一夏」

 

そう姉は言い少し目を伏せる

 

「姉さんは悪くない、姉さんは世界一 優しい私の姉さんだよ。強くて優しくて最高の、ね? 」

 

私が ニコっと笑み言うと姉は そうか とだけ呟いた

 

 

強くて優しくて 少し不器用で、だけど私を確かに愛してくれる世界でただ1人の姉

 

私は そんな姉を世界一尊敬している、2番目は庵さんと束さん

 

「今日は大事を取って部屋で大人しくしていろ、保健室でも良いが・・・気が休まらんだろう? 」

 

姉はパイプ椅子から立ち上がり私の頭を撫でて言う

 

「・・・分かった、ありがとう姉さん」

 

先程見た夢も含めて(すこぶ)る気分が悪いので姉の言葉に従う事にした

 

「次から無理をするな、お前なら数日授業を受けんでも問題無いだろう? いいな? 」

 

そう言い姉は私に言い聞かせる様に私の頬を撫でて、私の返事を聞かずに保健室を出て行く

 

「・・・姉さん」

 

私の姉は優しすぎる、不器用だから勘違いされがちだが、本当に優しい

 

生徒に厳しくするのは、ISを扱うのは危険が伴う事が多いからだ

 

下手をすれば怪我では済まない事態だってあり得る

 

 

それを姉は知っている、だから厳しい態度を取り厳しい教師として振る舞っているのだ

 

 

まぁ家では、だらしなかったり 庵さんに絡み酒する事もあるのを私は知っている、姉は庵さんにベタ惚れなのだから

 

 

「あ、姉さんに結婚の話を聞いとけば良かったかな・・・まぁいいか」

 

私はベッドから出て保健室を後にし、寮の部屋へ帰る

 

出来るだけ ゆっくりと歩き陽を浴びる、少しでも鬱屈した この精神状態が良くなる様に

 

徒歩10分掛けて部屋に帰り、部屋着に着替えてからベッドに横たわる

 

 

寝てしまいたいが悪夢の続きを見るのではないか? と思うと寝れそうにない、かと言って今の精神状態ではガンプラを組み立てる気持ちにもならないし、集中も出来ない

 

と言うか、薬が切れて来たのか下腹部の鈍痛が増して来た気がするが、身動きするのも億劫になって来た

 

「・・・ここまで億劫なのは束さんの所に居た時以来・・・かな? 」

 

初めて生理が来た時は、自分は死ぬんだ と思う程の痛みと絶望感と諦めを味わったのを思い出す

 

確か女になって3ヶ月ぐらいだったかな?

 

痛くて起きたら下腹部が痛いし、妙に変な感じだし、痛みで碌に動けないし、と本当に死ぬかと思った

 

布団に包まったまま色々と考えていたらクロエが様子を見に来てくれて私の異変に気付いて対処してくれたんだったなぁ

 

そのあと束さんから説明を受けて死なない事は理解したけど、すぐには受け入れ切れなかったから、女として生きる事を受け入れて決意するまで約半年がかかって、それから約半年で束さんとクロエから女のイロハをレクチャーしてもらったり立ち振る舞いを教えて貰ったりした

 

姉さんに会いに行ったりもして徐々に人と話せる様になったっけ・・・

 

 

「・・・クレアさんとラウラ、元気かな? 」

 

シミ1つない天井を見上げながらドイツで知り合った少し変わったお姉さんと同じ歳の娘の事を思い出す

 

 

「クレアさん、またラウラに間違った日本の常識を植えつけてないよね・・・」

 

自称日本通のクレアさんは度々 ある意味で箱入りで世情に疎いラウラに間違った日本の常識を植え付けていた、何度か私が訂正したが、一体どれぐらい効果が有ったかは分からない

 

 

久しぶりに電話でもしてみようかな? と思い、時計を見て携帯を取り出してクレアさんへ電話をかける

 

久しぶりの趣味友への電話で、少しは鬱屈した気分が解消される事を祈って

 

 





お待たせしました


クレアが誰か分かるでしょうか? ちなみにオリキャラではありません、ちゃんと原作キャラですw


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