一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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連休 出発

 

 

クラス代表戦から時は流れ5月に入り大型連休がやってきた、そんなわけで連休3日目、前々から約束していた日がやってきて、私は先日完成されたガンプラバトル用の機体を専用のケースに入れてから明石のバススロットに収納して

 

 

「それじゃぁ行ってくるね? 」

 

 

ここ最近ずっと難しい顔をして机に向かっている簪へ声を掛けると

 

「・・・いってらっしゃい、車とかに気をつけて」

 

少し眠そうな表情で簪は私へ返答をする、そんな簪を少し心配しながら部屋を後にし食堂へ向かう

 

食堂に行くと集合時間15分前なのだが既に薫君が分かりやすい席に座っていたので

 

「おはよう薫君、待たせたかな? 」

 

と声をかけると見ていた携帯から顔を上げ

 

「おはよう一夏さん、さっき来たばかりだから大丈夫だよ。凰さんは? 」

 

にこっと微笑み薫君は返答し、尋ねてきたので

 

「鈴? 途中で会わなかったけど、もうすぐ来るんじゃないかな?」

 

と答え、私は薫君の正面に座り

 

「ムラサメの仕上がりは どう? 」

 

約束をした あの日からアドバイスをしたりして薫君が少しずつ手を加えてきたムラサメについて尋ねる

 

「まずまず・・・かな? 初めての事だしね、戦えるとは思う」

 

薫君は少し不安そうに返答をする

 

「大丈夫だよ薫君、きっと大丈夫」

 

今更だが、1番最初に作るガンプラに可変機を渡したのは失敗だったかも知れない、どうせならザクファントムとかにしておけば良かった と少し後悔する

 

 

でも、薫君がガンプラに興味を持ってくれたのは嬉しいと思う

 

 

それから5分程経って

 

「む? 早いな、おはよう2人共」

 

「おはよう箒」

 

「おはよう篠ノ之さん」

 

箒が合流したので挨拶を返し箒の私服姿に新鮮さを感じる、休日に会っても だいたい部屋着の着流とか剣道着が多いからね

 

こうして見ると、やっぱり箒は美少女だなぁ と感じる

 

「それで一夏、私を何処へ連れてゆくつもりなんだ? 行先は秘密と言われて気になっているのだが」

 

私の隣に座った箒が不思議そうに尋ねてくる

 

「ん〜まだ秘密かな? ついたら分かるし、ね? 」

 

とりあえず微笑んで誤魔化し鈴を待つ、姉は有休を3日間ぶんどり 昨日から庵さんの何処だから現地合流するし、弾と数馬も織部模型店で合流する予定だ

 

それから集合時間ピッタリに鈴が現れたので挨拶も そこそこに織部模型店へ向かう

 

ちなみに箒へサプライズを計画している事は、このメンバーでは私以外だと鈴だけ知っている、じゃないと鈴が姉さんと庵さんが交際している事を口を滑らせて箒に言ってしまう可能性があるからだ

 

そんな訳でワクワクしながら連休とあって少し混んでいるモノレールに乗り込み最寄りの駅まで移動し、弾や数馬へラインをしながら薫君達と逸れない様に駅を出ると

 

「お、来た来た。よ、久しぶりだな一夏、鈴」

 

長髪の赤毛でバンダナをした弾が相変わらずの笑みを浮かべ駐輪場のガードパイプに腰掛けた体勢で片手を上げて言う

 

「お、久しぶり弾。どーしたのさ、織部模型店で合流予定だろ? 」

 

「あら、弾じゃない。久しぶりね」

 

私達も軽く片手を上げて挨拶に応じ、質問する

 

「数馬と先に織部模型店に行ったら千冬さんが居て、軽くガンプラバトルしたんだけど瞬殺されてよ、千冬さんの指示で迎えにな? 鈴がいるとはいえ・・・ほら千冬さんは心配症だから」

 

弾は自身の後頭部を軽く掻きながら言う

 

また我が姉は大人気なく本気でガンプラバトルをしたらしい、いやまぁ本気になるのは良いけど少しは手を抜かないと対戦相手が居なくなってしまうと思うのだ

 

「あーなるほどな、分かった。それじゃ行くか、自己紹介は歩きながら。あんまり待たせると姉さんが弾に電話してくるかも知れないから」

 

「だな、とりあえず俺は五反田 弾、一夏と鈴は中学からの親友だ。気軽に弾って呼んでくれ」

 

私の言葉に皆が頷き織部模型店へ歩み始め、弾が自己紹介をする

 

「俺は八月一日 薫、何の因果かIS学園に入学した男だ。気軽に薫と呼んでくれ」

 

「おう、よろしくな」

 

と薫君は弾と握手する、よかった上手く行きそうだ

 

「・・・篠ノ之 箒だ、一夏の幼馴染だな。よろしく頼む」

 

「あぁ、アンタが一夏が話してくれた幼馴染か、話には聞いていたが美人だな。よろしくな」

 

少し控えめな箒とも弾は握手をする、少し強引な気もするが箒には これぐらいが丁度良いのかも知れない

 

 

10分程歩き織部模型店に着くと、お店の前を庵さんが姉と掃き掃除をしていたので

 

「庵さん、何で姉さんは休みなのに此処で掃き掃除してるのかな? 」

 

「ん〜俺が働いてるのに、自分は見てるだけって出来ない性格だから、かな? 何度も断ったんだけどね? ほら一応 IS学園で教員してるから問題になりそうだし」

 

と庵さんは少し苦笑して言う

 

まぁ恋人と一緒にいる名目なんだろうけど、確かに問題にならないのかな? と思うが 大丈夫なんだろう、多分

 

 

やれやれ と思いつつ薫君を見ると、箒と同じ様な驚いた表情で固まっていた、やはりインパクトはデカい様だ

 

 

当たり前か、IS学園では鬼の様な教官の雰囲気を纏い続けている姉が、今はそんな事が一切なく柔らかい雰囲気を纏い模型店の前を掃き掃除しているのだから

 

知らない人が見たらそっくりさん と疑うんじゃないか? ってレベルで雰囲気が違う、私や鈴、弾は慣れてるから戸惑わないんだけどね?

 

 

 

 

 

 





お待たせしました


すみません、少しとばしました


しまった、セシリアを出すの忘れてましたw

セシリア空気ですまない


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