一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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連休 初戦

 

 

 

それから少しゆっくり静さんと箒を含めて雑談を楽しみ、コーヒーを飲み切ったので

 

「そろそろ実戦をしてみよう?」

 

私は三人を見て言うと

 

「だな、実戦を経験するのが1番だしな」

 

弾はニッと笑み薫君を見て言う

 

「そうだね、楽しみだな」

 

薫君も笑み返し席を立ち言う

 

「私は、もう暫く静さんと話てから合流するよ」

 

と箒が言うので、それも良いかと思い頷き

 

「わかった、先に行ってるね?」

 

「あぁ」

 

席を立ち箒に そう言い再び私達はガンプラバトルの筐体へ移動し

 

 

「やっぱり鈴と数馬はいねーか、3人・・・奇数か、3人で組んでNPC相手に要塞攻略でもするか? 」

 

と弾が腕を組み思案しながら提案してきた

 

「私は構わないけど、今日初めての薫君には少しキツイんじゃない?」

 

私と弾は、何度か挑戦しているミッションだから有る程度慣れている、だから要塞攻略の難易度が高い事を知っている

 

これが母艦の防衛戦とか敵母艦への強襲の方が、まだ難易度は低いと思う

 

「あーそうだな、なら・・・あ、ガーティ・ルー追撃戦は? 」

 

「その辺りが丁度良いかもね? 薫君、良いかな?」

 

弾とのすり合わせを終え、薫君に尋ねると

 

「構わないよ、俺にはよく分からないし」

 

と薫君は苦笑していう、それもそうか、多分 薫君はガンダム SEED destinyを見た事が無いのだろう、分からないのが当たり前だ

 

「じゃぁ、弾が小隊長ね? 薫君は遊撃、好きに動いて構わないよ、私がフォローするから」

 

私の言葉に2人は頷き筐体に入り準備をする

 

弾を小隊長に3人でチームを組んで、弾の選んだミッションに参加するを選択し準備を終える

 

「これよりボギー1への強襲を行う、デブリの中での視界の悪い戦闘になる、各機の健闘を祈る」

 

ガンプラバトルというゲームと言う都合で設定だとミネルバと共にガーティ・ルーを追撃している僚艦、と言う設定なのでミッション開始前の訓示をしているのはグラディス艦長では無くモブ艦長だったりする

 

そんなモブ艦長の訓示を聞きながら

 

「毎回思うんだけど、発艦はミネルバじゃダメだったのかな?」

 

「さぁな? 俺に言われても分かんねー」

 

私の言葉を聞き弾が肩を竦めて返答しオペレーターが指示を出してきたので母艦から発艦し作戦区域へ移動する

 

「あーやっぱゲタ用意しねーとダメだな、足が遅いわ」

 

移動中なので巡航速度を維持しているのだが、弾の操るヘビーアームズとの距離が徐々に広がって行き弾が呟く

 

ちなみにゲタとはサブフライトシステムの事で、ドダイとかベースジャバーの事

 

「弾のヘビーアームズは弾薬詰み過ぎなんだよ、下手に当たると爆発四散するじゃん」

 

「バッカ、これはロマンなんだよ、なんで分かんねーかな?」

 

いつもの調子で弾に軽口を言うと弾も本気で言っていないのが分かっているので、少しオーバーなリアクションを取り、薫君は軽く笑う

 

「そろそろデブリ帯に入る、薫と一夏は好きに動いてくれ。指示は都度出すから」

 

「りょーかい」

 

「了解」

 

弾の指示に返事をして、薫君はムラサメをMAモードにしてデブリの間を滑る様に飛んで行くのを見つつ私も加速し、デブリの中を進む

 

 

「やっぱり死角が多いなぁ」

 

レーダーを確認しながらデブリの中を進み索敵をしていると、少し遠くで爆発の閃光が見え、レーダーに敵機と弾・薫君が表示されているのを確認する

 

 

「位置からしてカオス、アビス、ガイアの3人かな? となると・・・」

 

私は更に加速して薫君の動きを予想して移動を開始しする

 

「やっぱり宇宙ステーションの所で奇襲かな」

 

奇襲した後に弾がいる方へ誘いこんで面制圧してもらうのも良いかも知れない

 

 

そんな事を考えながら宇宙ステーションの中に入り息を潜めて出るタイミングを図る

 

「一夏、薫がもう時期3兄妹をそっちに誘導する、ミサイルをフルバーストして隙を作る、それを合図に薫と連携して3兄妹を落としてくれ」

 

「了解、任せて」

 

弾の指示を聞いて返事をして

 

「薫君、もう少し頑張って」

 

「分かったよ一夏さん、信じてる」

 

私の言葉に薫君が返事をする、その言葉を聞いて私のヤル気に火がつき胸が熱くなる

 

逸る気持ちを堪えて弾の合図を待つ

 

「一夏!」

 

弾の声を聞き隠れていた場所から飛び出して弾の放ったミサイルの群れを避けている3兄妹を見据え

 

 

「お待たせ薫君」

 

「行こう一夏さん」

 

ヒット&アウェイで3兄妹を翻弄していた薫君が返事をしてくれたので私は頷き、アンタレスを展開し、3兄妹に容赦無い全武装のフルバーストを浴びせアビスを落とす

 

「残り2機」

 

 

デブリに紛れてカオスを見失ってしまったのでガイアを見据え次の手を考えると、ビービーとアラートが鳴り乱入のテロップが表示される

 

「このタイミングで乱入? 無粋だなぁ」

 

やれやれ と思いながら呟き乱入者の名前を確認する

 

「えーっと・・・M、O、S? イニシャルかな?」

 

名前を見たが見覚えが無い、だが過去に対戦経験が有る人が名前を変えている可能性もあるので一旦身を隠す事にして移動して向こうの出方を伺う事にする

 

 

さてどんな輩なんだろう?

 

 





お待たせしました


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