一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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連休 乱入

 

 

デブリに身を隠して様子を伺っていると

 

「一夏、乱入者が散開した、Mが薫の方に、Oがお前の方に移動してる。やっこさん こっちの配置を完全に把握してる様だ、やり手みたいだな」

 

弾の言葉を聞き、私も同意見と感じる

 

筐体の外から音がしなかったから別店舗からのネット対戦、乱入した直後に見えた僅かな戦闘の残光で私達の位置を特定し、行動を予想している

 

 

「少し薫君には厳しい相手かも」

 

向こうは、かなりガンプラバトルをやり込んでいる、という前提で考えるならガンプラバトルに慣れていない薫君はMに落とされてしまう可能性が高い

 

 

とはいえ、これも経験として負けるのも一興かも知れない

 

とか考えると、右斜め前に浮かんでいたデブリが爆発四散し

 

「いんのは分かってんだ、出てこいよ」

 

と、丁寧に私が潜んでいる場所の周辺のデブリを撃って挑発してくる、なんか聞いた覚えの有る声の様な気もするが、私の友達にヤンキーみたいな喋り方をする女性は居ないので友達では無い

 

とりあえず出方を考える、このOって人は堪え性が無いタイプだろうから もうそろそろ私が隠れて居る場所に砲撃をしてくる可能性が高い、その前に動かないと不利な状況になってしまう

 

まぁ隙を作れば良いか、と思いコンテナガンバレルを射出してOへ全弾発射する

 

 

「ちっ、ミサイルがありやがったか」

 

Oがミサイルを処理して居る間にデブリから出てコンテナガンバレルをパージしOの機体を確認する

 

彼女の機体はガンダム OOのアグリッサをベースにしている様だ、そこそこ大きい機体なのだが、器用に扱いミサイルを処理していく

 

そんな好機を逃すのは勿体ないのでビームライフルで狙い撃ちしてプレッシャーをかける

 

「小賢しい真似すんじゃねーよ」

 

深い紅色をした機体と相まってOの声は まるで悪鬼を連想する

 

彼女はディフェンスロッドで私の放ったビームを弾き、お返しとばかりにリニアガンを単射で撃ってくる

 

私は余裕を持って回避をしてデブリを利用しながらOの様子を伺う

 

 

巨躯のアグリッサを軽々と扱うOは口は悪いが腕は悪くない、だが巨躯故に中途半端なデカさのデブリの漂う この宙域は私の方が少し有利だ

 

まぁプラズマキャノンとかでデブリを薙ぎ払われたら、その限りでは無いけど

 

「ちっ・・・ちょこまかと、めんどくせぇ・・・だからアタシは嫌だったんだ、Mの野郎・・・」

 

どうやらOは好きで私の相手をしていないらしく、愚痴が溢れている

 

とりあえず隙を見てビームライフルで撃ったり、アンタレスで多方向から撃ってみたりして見るが、巨躯に似合わない挙動で私の攻撃を避けて行く

 

「おかしいな、アンタレスは小さいからOには見えづらい筈なんだけど」

 

ひょいひょい とデブリの間を擦り抜けながら私の攻撃が当たらない事に疑問を抱く、確かにシステム補正である程度は避けたり防いだりは出来る、だが多方向から同時に別々の部位に攻撃をされたら大抵は手が回らずに1箇所ぐらい当たる

 

それなのにOには私の攻撃が当たっていない、考えられるのは違法ツール(チート)を使っているか、全手動制御(フルマニュアル)で操作しているか、尋常じゃ無い程に勘が鋭いか、綿密に私の行動パターンを研究されたか、だ

 

まぁ多分チートの使用は無理だろうから、フルマニュアルか研究されたか、かな?

 

研究したなら、相当に時間を掛けて情報収集したんだんだろうな。扱いやすいからオオトリストライクを使ってたし、バランスが良いのを選ぶ傾向に私は有ると思う

 

研究されていたら厄介だな、物凄く面倒な事になった。このままじゃ泥沼の消耗戦だ

 

仮にフルマニュアルだったら、そろそろ息切れしてきて集中力が切れて被弾してくれると思うんだけど

 

とか考えているとOがデブリにアグリッサを擦ったのが見え

 

「あぁクソ、本当に面倒臭ぇ! デブリごと焼き払ってやる」

 

切れたのは集中力では無く忍耐力だった様で大火力のプラズマキャノンを放ちデブリを焼き払って行く、もうめちゃくちゃだ

 

でも、そのおかげで隙が出来たので加速しアンタレス4機を全部射出し大きいと近距離まで接近してビームライフルを放ち、Oの眼をそちらへ向けておいてアンタレスのビームブレードでアグリッサをバラバラに斬り刻む

 

「クソったれ、何が勝機はあるだ。やっぱ強ぇじゃねーか」

 

刻まれたアグリッサが数拍遅れてOの呟きと共に爆発四散する

 

「ふぅ・・・何とか落とせた」

 

正直、デブリも無い宙域だったらOに勝てなかったかも知れない、アグリッサは開けた場所の方が能力を発揮出来るだろうから

 

「ともあれ、薫君と合流しないと・・・」

 

歩く火薬庫の弾の心配を一切せずに、レーダーを見て薫君の位置を確認して

 

 

「薫君、こっちは終わったから合流するね? 」

 

「一夏さん、コイツやばいっっ、くっ・・・なんで先回り出来るんだ」

 

私の言葉に薫君は答える余裕が無い様で独り言を言っている、それを聞いて とてもヤバイ状況にある事を理解し、薫君の援護へ向かう

 

「待ってて薫君、すぐに行くから」

 

嫌な予感を抱えて少し不安になりながら私は呟いた

 

 





お待たせしました


1話で終わらせる予定だったんですがねw

まぁとりあえず次もガンプラバトルです


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