一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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連休 乱入 2

 

 

 

デブリ帯を抜け、遮蔽物の少ない宙域へ出て直ぐに戦闘の光りが見える

 

「お待たせ薫君、もうちょっとで援護出来る距離に入るから、私のいる方向に来て? 」

 

「ありがとう一夏さん、気をつけて、コイツはヤバイ」

 

私の言葉に薫君は返答し、私のいる方向へ退避を始めると

 

「やはり来たか、オータムでは時間稼ぎにもならんかったか。スコール、手出しするなよ・・・コイツは私の獲物だ」

 

「はいはい、分かってるわ。好きになさい」

 

と言うアチラの会話が聞こえて来て、本来なら有り得ないがMの機体から殺意の様な気配を感じる

 

「・・・どうであれ、戦うしかない」

 

有効射程距離に入った瞬間に、アンタレス全機を射出しビームライフルで牽制するが、Mは気にした様子も無く薫君のムラサメを追う

 

回避行動も取らないMを疑問に思い多方向射撃で足を鈍らせる事に決めて撃ち続けながら、Mの機体を良く観察する

 

「色は黒いけど、レギンレイズジュリアの最終決戦仕様をベースにしてるのかな? 足回りとスラスター回りをだいぶ弄ってあるな、コレ」

 

視界外からの多方向射撃を必要最低限の動きだけでヒョイヒョイ避けるMに感心しながら彼女の機体の推測を立てる、見た感じでは外付けの追加武装は無い様に見えるが、シールドに何か仕込んでいる可能性もあるので薫君と連携を取って行こう

 

「薫君、ミサイルの残弾は有る?」

 

「残り3分の1ぐらいなら」

 

Mの非常識な程の機体制御能力に驚きつつ薫君に尋ねると、そう答えたので

 

 

「私の合図でフルバースト、良いかな?」

 

「了解」

 

私の言葉に薫君は返答をしてくれたのでMの動きを見定め

 

「薫君、いま」

 

「当れ!!」

 

マクロス宜しくな機動で急制動をかけてMの背後を取った瞬間に残りのミサイルをフルバーストする

 

そう確かに薫君はMの背後を取った筈だった、だがミサイルは目標を見失い明後日の方向へ飛んでゆき

 

「今のは悪くなかったが、まだまだだ」

 

Mの冷たい声が聞こえた瞬間、薫君のムラサメはMの手によって真っ二つにされ爆散する

 

それを唖然と見ている私の方へMは機体を向け

 

「次はお前だ、織斑 一夏。今日と言う日を私は待ちわびわていたんだ」

 

此方へブレードを向けてMは言う、その様子にただならぬ気配を感じ薫君を落とされて熱くなりかけた頭を深呼吸して冷ましてMを見据える

 

「いくぞ織斑 一夏? 今から私がお前を落とす、そして・・・あの人に認めてもらう」

 

とMが言った瞬間、レギンレイズのアイカメラが赤く光りを纏い火が灯った様に揺らめく、そして物凄い速さで距離を詰めてくる

 

「速い」

 

私はエグザスストライクを動かしビームライフルでレギンレイズを牽制しながらアンタレスで多方向から射撃をするが人がギリギリで躱す様に私の攻撃を避け続ける

 

その姿はさながら阿頼耶識の様で、少し戸惑ってしまい遂に距離を詰められ切り結ぶ距離になってしまったのでビームライフルを捨てビームサーベルを抜きMと切り結ぶ

 

「この程度か? ならば残念だ」

 

その言葉に嫌な予感がしてレギンレイズから離れシールドを前に出すとレギンレイズのスラスターユニットの機関砲から撃ち出された銃弾がシールドに当たる

 

「ほぉ、先程のムラサメよりは歯応えが有るみたいだな? 」

 

「それはどーも」

 

シールドでレギンレイズの銃弾を弾きつつリニアレールガンとアンタレスで反撃をするが、読まれているのか全て紙一重で躱されてしまう、その事に少し焦り始めていると

 

「やれやれ、最初からお前の相手を私がしておけば良かった。先程のムラサメでは準備運動にもならなかったしな? お前もあんなお荷物を抱えて大変だな、織斑 一夏?」

 

そう薫君を小馬鹿にした口調で言うMの声を聴き、私の中の焦りは消えて一気に頭へ血が昇り

 

「お前、今なんて言った? 」

 

怒鳴るのを我慢し怒りで震える声でMへ尋ねると

 

「何度でも言ってやる、あんなお荷物を抱えて大変だな、織斑 一夏」

 

私の声に怒りが孕んでいるのが分かっているMは更に小馬鹿にしたトーンで言う、その声を聞き私の我慢は限界を超え

 

「お前は許さない! 絶対にだ!」

 

「やってみろ、お前に私が落とせるのか?」

 

私は操作を関節思考制御からフルマニュアルへ切り替えてレギンレイズへ吶喊し、切り結び鍔迫り合いをする

 

隙を突いてリニアレールガンでレギンレイズを撃つが掠る程度になってしまったので、そのまま離れてアンタレスでレギンレイズへ牽制をしてゲイボルグを構える

 

「なんだ、やれば出来るじゃないか織斑 一夏。こうでなくてはな」

 

アンタレスの多方向射撃を躱しきれなくなったのか、シールドで受け始めたMが少し楽しそうな調子で言う

 

「そうかよ、ならもっと行くぞ」

 

アンタレスでレギンレイズを囲い追い立て、ゲイボルグを撃ち躱されればリニアレールガンを撃ち、絶え間なく動き続ける

 

そうでなければMには勝てないし、一瞬の隙を突かれて負けてしまう

 

そんな状態、脳をフル活用し続けるとどうなるか、いずれ限界がきて負荷に耐えられずに鼻血が出て頭痛と発熱が起こる

 

しかし、それを無視して鼻血を垂れ流しながらMを追い立ててアンタレス3機を破損、ゲイボルグ、リニアレールガンの残弾の全てを犠牲にレギンレイズをアンタレスのワイヤーを絡ませて身動きを封じマウントを取って

 

「これで私の勝ちだ」

 

「・・・届かなかったか、やれよ」

 

エグザスストライクのシールドに付属されたパイルバンカーでレギンレイズのコクピットを念入りに潰してMを撃破する

 

「・・・あー・・・やり過ぎた・・・」

 

脱力して呟き、袖で鼻血を拭いながら少し反省する、いくら薫君を馬鹿にされたからと言ってキレるのはやりすぎだった、と

 

そこまで考えて、なんでキレたかを考えてみる

 

Mの様な挑発的なプレイヤーはガンプラバトルをしていれば何人も出会ってきていちいちキレたりして来なかった、にもかかわらず私は薫君を馬鹿にされただけでキレた

 

「・・・だけ、じゃないよね」

 

馬鹿にされた " だけ " じゃない " から " キレたんだ、きっと

 

 

だって私は今、後悔していない

 

お気に入りの服を鼻血で汚してしまって、この服は もう着れないかも知れないが、微塵も後悔していないし、彼の為なら惜しくないと思っている

 

「・・・この気持ち、悪くない・・・いや、良い気分だな、うん」

 

 

弾や数馬、鈴に借りて読んだ漫画とかに、こんな展開ってあったよなぁ と考えて、私は気付く

 

漫画の登場人物(かれら)が抱いていた感情を、言葉を、表情を

 

 

そのどれもが、今 私が薫君に抱いている気持ちに酷似している事に、私は気付いてしまった

 

 

私は薫君が好きなんだと、気付きてしまった

 

 

 






お待たせしました

少し無理矢理ですが、気付かせましたw


さぁーて、この作品は2020年内に完結出来るのだろうか?w

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