一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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簪 視点


連休 裏方の話

 

 

5月に入り多国籍学園のIS学園も大型連休に入った、私はあまり外出する趣味が無いし自分の専用機の強化改修のプランを練るには持ってこいなので連休初日から部屋に篭り手探りで強化案を考えている

 

 

私には叶えたい夢がある、他人には些細な事かも知れないが、私にはとても重要で生きる道標になっている夢だ

 

 

夢、それは自分の実姉 更識(さらしき) 刀奈(かたな)にモンドグロッソで正々堂々真正面から戦い勝つ事

 

既に自由国籍権を使いロシア代表の地位にいる姉との差は今は大きいが、必ず叶えるつもりでいる

 

とはいえ、そちらばかりに意識を向けてはいけない。なぜなら私には家から命じられてらいる仕事があるからだ

 

IS学園内で織斑 一夏への警護と観察、それが私の仕事

 

私の家、更識家は日本に古くから有る家で対暗部などを担ってきたらしい、と言っても曽祖父の代で要人警護などの仕事が殆どになったと聞いている

 

警護対象が警護されていると感じずに警護できるのが更識家と、その筋の人達には人気らしい

 

確かにプライベートな時間を仰々しい警護を付けたら目立つし楽しめないだろう

 

 

もちろん仕事抜きにして私は一夏を友達だと思っているし、仕事じゃなくても一夏を友達として支えて守るつもりだ

 

 

そんな訳でルームメイトの一夏を見送り、強化案を練っていると携帯にメッセージが届き宛名を確認する

 

 

「・・・お姉ちゃんか、なんだろう」

 

姉、刀奈は割とシスコン気味なので同じ学園内にいる私へメッセージを送ってくる事は少ない、用があるなら実際に会いにくるから

 

まぁロシア代表と生徒会長、更識家当主の仕事を兼務しているから忙しくて会いに来れない時もあるので、今回はソレだろう

 

そう勝手に決めてメッセージの内容を見る

 

「あぁ、そう言えば定期報告の日だった」

 

週に1回、必ず行っている定期報告の事をうっかり忘れていて、姉が心配してメッセージを送ってきた様だったので、すぐに生徒会室へ行く事を返信して部屋着から制服に着替えて早足で生徒会室へ向かう

 

 

連休中でグラウンドからは部活をしている声が聞こえ、私はその中を早足で抜けて生徒会室に到着する

 

「・・・失礼します」

 

さして乱れていないが息を整え扉をノックして生徒会室に入り、書類の山に囲まれた姉の前に立つ

 

「来たわね、報告を」

 

「はい」

 

普段、私に甘い刀奈ではなく更識家当主の楯無として書類を片付けながら私へ指示をする

 

「先のクラス代表戦にて篠ノ之博士と接触移行は特に目立った事はありません、体調面もこの1週間は良好です」

 

「そう、なら良かった。本音ちゃんの報告も同様の内容だから今の所は健康の様ね? 」

 

と私の報告を聞き姉は書類から目を逸らさずに少し安心した様な声色で言い

 

 

「さて・・・定期報告へ遅刻したのは何故かしら? 」

 

書類から目を私の方へ向け、鋭い眼差しで尋ねてくる

 

「・・・忘れていました、申し訳ありません」

 

これは私の非の為、弁明はせずに素直に理由を言い頭を下げる

 

「そう、人間誰しも完璧では無いからミスはあるわ、けれど役目を与えられた以上は責任を持って貰わないとダメなの、分かるわね?」

 

「はい」

 

姉の言っている事は最もなので素直に返事をする

 

「もう同じ間違いはしない様に、いいわね?」

 

「はい、申し訳ありませんでした」

 

私は姉の言葉に再び頭を下げる

 

「立場上、何かしらペナルティを課さないと・・・」

 

威厳の有る声色で姉は言い

 

「助けて簪ちゃん、書類仕事が終わらない!!」

 

次の瞬間には威厳ある更識家当主のメッキが剥げて、夏休み最終日に宿題が全く終わってない小学生みたいな声を上げる

 

これが我が姉、更識刀奈だ

 

「もう、なんでこんなに有るの? 」

 

苦笑して姉のデスクへ歩み寄り尋ねると

 

「それはアレよ、アレ」

 

姉は目を泳がせながらオーバーなジェスチャーで不明瞭な事を言い出したので、生徒会会計のデスクで黙々と作業をしている私達姉妹の幼馴染で姉的存在の虚さんの方を見ると

 

「お嬢様が書類仕事から逃げた結果ですよ、自業自得です」

 

と、キッパリ言い切り再び姉を見るとイタズラがバレた子供の様な表情をしていたので、やっぱりかぁ と思いつつ

 

「お姉ちゃん、なんで毎回逃げて後で苦しむの? 」

 

少し呆れながら姉へ尋ねると

 

「うぅ・・・なんか最近 簪ちゃんが虚ちゃんに似てきた気がするわ」

 

と半ベソかいてよく分からない事を言い始めたので追求を諦め

 

 

「もう、私も手伝うから」

 

「ありがとう、簪ちゃん。流石は私の天使!」

 

そう言い姉はデスクを迂回して私を抱きしめてくる、これはいつもの事なのでスルーして

 

 

「はいはい、分かったから。どれなら私がして大丈夫なの?」

 

と言うと私から離れてファイル2つ分ぐらいの書類を渡して来たので受け取り、机に突っ伏してスースーと寝息とヨダレを出して寝ている幼馴染の横に有る副会長のデスクで書類仕事を始める

 

正直、私は身体を動かすより こうゆうインドアの作業が向いている、対して姉はデスク仕事より身体を動かす方が向いていると思う

 

 

普段は敵わない姉に対して勝てる要素だし、実姉が困っているなら助けたいと思うのは妹として当たり前だ

 

とはいえ、年子だから姉妹とはいえライバルみたいな感じになってしまう、あと心配症の姉を安心させるには、ISで姉に勝つほか無いと思う

 

 

そんなこんな私は書類仕事をしながら、本音が虚さんにどんな起こされ方をするのか少しワクワクして待つ

 

 





お待たせしました


はい、少し逃げました、許してください

連休中のネタが浮かばなかった場合、少し飛ばしてラウラとシャルロットの転入になります


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