一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

57 / 112
IS学園の大凡 中心で愛を叫ぶ

 

 

 

 

勝手に悩んで勝手に苦しんでいた私を簪が諭してくれた日曜日から約1週間が経ちそうな金曜日の放課後、私は打鉄改の新バックパックユニットの調整と薫君とシャルの連携訓練を兼ねてアリーナへ来ている

 

 

「薫君、どうかな? 」

 

 

私は明石を纏い薫君に新バックパックユニット(不知火)の使い心地を尋ねる

 

 

「一夏さんが組んでくれた補助プログラムのおかげで、操作自体は そこまで難しく無いかな? 」

 

と薫君はニコっと笑んで言う

 

「僕のリィンもだけど薫の打鉄も汎用型だもんね、その新装備の特性も何となく分かったし、戦術の幅が広がるね」

 

 

シャルは興味深そうに呟く、このシャルル・デュノアと言う少年は凄い、実家がIS企業とはいえ既にISについての知識がプロに匹敵していて、リィン・カーネーションの機体性能を引き出している

 

彼の纏うリィン・カーネーションはデュノア主力IS ラファール・リヴァイヴの発展機体で、ラファール・リヴァイヴの汎用性・拡張性・整備性・生産性を受け継いだ第3世代試作量産型ISで、打鉄改の開発コンセプトに似た思想を持っていて大胆な試みもされている

 

 

まぁそれはそれとして、今 薫君に試して貰っている不知火は所謂ビット兵装だ、アカツキのシラヌイを参考に図面を引き束さんに添削してもらい明石の自動生成を使いバススロット内で作り上げたユニットでシラヌイとは違いヤタノカガミ装甲は使用していなくて通常装甲になっている

 

理由は単純に、まだ実弾兵装が主体だからわざわざコストと維持が掛かるヤタノカガミにするメリットがないからだったりする

 

 

それにシラヌイは元々バッテリー駆動のアカツキが運用するストライカーだからエネルギー問題も比較的解決し易かったしね?

 

 

「ねぇ一夏? この不知火ってリィンに装備出来ないかな? 」

 

 

なんか少し期待の眼差しでシャルは私を見て尋ねてきたので

 

「ん〜・・・不可能では無いかな? リィンは打鉄改と開発思想とか仕様とか似てるからね、でも多少は調整が必要かな? 」

 

それに不知火は元々 打鉄改専用を前提に製作した物だから打鉄改以外で使用する事を想定していない

 

まぁ同機種の打鉄とかリィンとかなら少し調整が必要だけど使う事が出来る筈

 

 

と言う感じでシャルに返答すると

 

「一夏、リィン用に不知火を1機作ってくれないかな? ダメかな? 」

 

シャルは目を少しキラキラさせて美少女の様な可愛い仕草で私にお願いして来たので、腕を組み少し考える

 

 

別に造るのは難しくない、パーツの生成から組み上げまでバススロット内で完結出来るし、そもそも材料は明石由来だから資金とか所謂 お金の都合も考える必要は無い

 

かと言って、安請け合いしてしてしまっては色々と問題が起こる可能性だって有る

 

 

此処でシャルが不知火を使って評価されたらIS学園卒業後に有利になるんだよな、多分

 

 

そんな事を考え、シャルに返事は待って貰おうと思い口を開こうとした瞬間

 

 

「シャルル・デュノア」

 

 

シャルの名前を呼ぶ聞き覚えの有る声が聞こえたので其方を見るとピットの淵に立つ見慣れた制服姿の銀髪美少女の趣味友が居た

 

 

おかしい、なんでラウラが此処にいるんだろう? 情報漏洩を避ける為に姉な頼んで時間まで関係者以外立ち入り禁止にして貰ってる筈なんだけど・・・いや それ以前になんか様子がおかしい、妙に頬が赤みを帯びているような気がする

 

 

「何かな? ボーデヴィッヒさん」

 

シャルは少し怪訝そうな表情でピットの淵に立つラウラを見上げて返答をする、とりあえずラウラはシャルに用が有るみたいたがら見守る事にしよう

 

 

そう考えて薫君の方を見ると、薫君は不思議そうな表情で2人の様子を見ていた

 

 

「う、うむ・・・」

 

いつになく緊張した様子でシャルを真っ直ぐ見ていたラウラは1度深呼吸をして

 

「シャルル・デュノア、私と交際を前提に結婚してくれないか? 」

 

とラウラはキリッとした表情でシャルへ告白をした、でもラウラ? それ多分 順序が逆だよね? 余程緊張してるんだね とか思いつつ傍観していると

 

 

「え、えぇっと・・・ボーデヴィッヒさん? 多分だけど、結婚を前提に交際 が正しいのかな? 」

 

シャルは少し戸惑いながらラウラへ指摘すると

 

 

「ん? そうだな? 順序を間違えてたか? まぁ最終的に結婚するなら過程は変わらんだろう? 」

 

なんかドヤ顔気味に凄い事を言い始めたラウラを軽く尊敬しつつ傍観を続けていると、シャルが少し考える仕草をしてから

 

 

「ボーデヴィッヒさん、申し訳無いけれど僕はボーデヴィッヒさんの事をほとんど知らない、そんな状態で貴女と交際するのは貴女に失礼だと思うから貴女と交際は出来ない」

 

とシャルは、普段は可愛い雰囲気だが少しカッコいい雰囲気でラウラへ返事をすると

 

「ふむ、確かに一理あるな? 分かった今日の所は退くとしよう、だがシャルル・デュノア、私は諦めが悪い性分なんだ、覚悟していてくれ」

 

シャルの返事を聞きラウラは そう言ってフッと笑みを浮かべてピットの中へ歩んで去ってゆく

 

 

さてと、とりあえずシャルが受け入れるかは別として、友達の恋路は応援しとこう、多分シャルが堕ちるだろうけどね?

 

 

 






お待たせしました


すまねぇ、入れたかったんですw


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。