ラウラ 視点
IS学園にやってきて約
「今日は好きに暴れても怒られる心配は無いな? ララ」
私の隣に立ち私を揶揄う様な笑みを浮かべた私を鏡写しにした様なのが言う
「そうだな、色々と気にせずに全力を出せる・・・狙うのは優勝のみ、優勝すればシャルルもきっと・・・」
私の言葉に
「恋は人を変えると言うが、あの箱入り娘がここまで」
と、感慨深そうにする。それを見ていて正直良く分からないが、敢えて放置する事にして
「出来れば専用機持ちとあまり当たりたくはないな」
「1年の総数が約240名、その内 専用機持ちが6名、6名全員がバラけても最大で6チームだ、同じトーナメントブロックになる可能性は低い」
私の呟きにマリーは そう答える、確かに可能性は低いが低いだけで当たらないと決まった訳ではない。無論 専用機持ちと当たった所で負けるつもりは無い、単純に損耗を考えると、と言う意味だ
とはいえ、何処かで必ず当たるだろう
今、1番警戒するべきは八月一日とシャルル、オルコットだ。正直、3人の専用機とシュヴァルツェア・レーゲンは あまり相性が良くない
八月一日とシャルルには一夏がついているから対シュヴァルツェア・レーゲン武装を用意してきているだろうし、オルコットのブルーティアーズはレーザー故にAICが効きづらい、まぁAICを使わずに戦えば良いだけではあるが
とか色々とマリーと話していると、背後の扉が開く音がした瞬間にマリーは消え、私が振り返ると そこには箒が立っていて
「ラウラ、組み合わせが発表された。我々の初戦の相手は八月一日とデュノアだ」
と箒が私へ報告してくる
「・・・そうか、初戦からか」
初戦で警戒していた2人と当たる事になり、少し何者かの陰謀を疑いたくなりつつ呟き
「箒、2人は手強い。頼むぞ」
「無論だラウラ」
この一月で箒とは交流を深め、友人になれたと感じる、少々不器用なようだが根は一夏程では無いがお人好しだ
「ラウラ、私達は第2試合だ。準備に入ろう」
「そうか、少し急がねばな」
私は箒の言葉を聞き頷き歩み始め更衣室を目指しながら作戦を考える
正直、2人の情報は多数有りはする。そして2人の専用機の機体特性を考慮するなら対シュヴァルツェア・レーゲン武装で来る
分かっているなら対策を取れるが、八月一日はともかくシャルルの実力は計り知れない
そんな事を考えながら歩いていると
「ラウラ、また高い場所へ行っていたのですか? 」
アリーナの入り口前で名を呼ばれて目線を上げると見慣れた美女が笑みを浮かべ立っていた
「クレア? 来ていたのか」
本国でシュヴァルツェア・レーゲンの姉妹機のテストを行なっている筈のクレアが目の前に居て少し驚いたが、約一月ぶりの再会に喜び歩み寄って抱きしめて尋ねる
「えぇ、ツヴァイクのコア意識が休みたいとストライキを起こしたので彼女が休暇中はマネージャーの方の仕事をする事になりました」
クレアは苦笑しながら私を抱きしめ返し言う
「そうか、クレアが見に来ているなら、ますます負けられないな」
私はクレアから離れ箒の横に立ち
「箒、紹介しよう。私が本国で所属している育成機関で首席マネージャーをしているクレアだ」
私は箒にクレアを紹介する
「はじめましてクレアです、本名はクラリッサ ・ハルフォーフと言います」
クレアはキリッとした表情になり箒に姿勢を正して自己紹介する
「篠ノ之 箒です、よろしく」
やはり箒は不器用なようで、少し言葉足らずの自己紹介をする、まぁ仕方ないか
「よろしくお願いします篠ノ之さん、ラウラの事、よろしくお願いしますね? この娘はISに乗ると人が変わるので」
クレアはキリッとしたまま箒へ言う、なんとも失礼なヤツだ
「分かっています、やり過ぎない様に見張っておきますから安心して下さい」
箒はクレアの言葉に強く頷き言う、箒も箒で失礼なヤツだな
私は自覚無いのだが、そんなに変わるのだろうか?分からん
「おっとそろそろ試合の準備をしなければ、失礼しますクレアさん」
「勝ってくる、期待していてくれ」
私達はクレアに そう言い歩き出すと
「2人共、御武運を」
とクレアが私達へ言う、その言葉を背に私達は更衣室へと歩く、数分で更衣室へ着き中に入り支度を始める
「箒、きっと2人は手強い。作戦としては比較的落しやすい八月一日を私が倒すまでの間、箒にはシャルルを引き付けて貰いたい」
私は支度をしながら私の背後で支度をしている箒へ作戦を伝える
「それは構わないが、正直あまり長くは持たないぞ? 」
恐らく箒もシャルルの実力が計り知れないと認識しているのだろう、そう言ってくる
「大丈夫だ、サポートはする。私の事は心配せずにシャルルを引き付ける事に集中してくれ」
とにかく箒がシャルルを引き付けている間に八月一日を倒してシャルルにプレッシャーを掛ける事が出来れば勝てる
お待たせしました
戦いは次回に持ち越しです、すみません