一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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続 ラウラ 視点



タッグマッチ戦 開戦 後 いち

 

 

 

支度を終え箒と作戦を煮詰めていると第1試合が終わった事を告げるアナウスと私達へピットへ向かう様に指示がアナウスされる

 

 

「行くか」

 

「あぁ」

 

私達は短く言葉を交わし更衣室からピットへ移動する、本当ならもう少し言葉を交わすべきかも知れないが元々私も箒も口数が多い方では無いから仕方ないかも知れない

 

 

私達はピットに入り箒は事前に申請していた打鉄の方へ行き、私は安全確認をしてからシュヴァルツェア・レーゲンを展開して問題がないか最終チェックを行う

 

『もうすぐ開戦だなララ』

 

「そうだな、箒には少し誤魔化して作戦を伝えたが私には確かめたい事がある」

 

 

私の左肩付近に浮かぶマリーの言葉に答え言う、私は少し箒に真実では無い事を作戦として伝えた

 

 

確かに消耗を考えれば専用機持ちとの試合は避けたかった、だが八月一日は別だタッグマッチ戦で当たらなくても、いずれ試合を申し込むつもりだった

 

 

私は八月一日が一夏にふさわしい男か、一夏を守るチカラを有しているかを確かめる為だ、まぁ箒や鈴が八月一日ならば、と言っている手間 大っぴらに否定も確認もしにくいからな

 

『あぁ、打鉄改のマスターの力量を測るつもりなのだろう? 期待しようじゃないか、一夏が選んだ男が(おとこ)である事を』

 

 

「私が眼帯(コレ)を外す事は無いだろうが・・・外させたら無条件で合格だな」

 

マリーの言葉に頷き、左目を覆う眼帯を撫で言うとマリーは期待に満ちた表情で微笑む

 

 

それから然程の時間も経たずに箒の準備が整ったようで発進の指示がされたのでリニアカタパルトへ乗り

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ、シュヴァルツェア・レーゲン出撃()る」

 

やはり様式美は必要だと私は思うので口上を言ってからリニアカタパルトで加速されピットからアリーナへ吐き出され、滞空から接地までの間に左手にフォルケイトソード、右手にスパイク付き対物シールド(シェルツェン)右肩にチェインガンを展開し、わざと地面を軽く削り滑り着地しフォルケイトソードを軽く斬り払い、滞空している八月一日を見据える

 

 

八月一日は私が思っていたより緊張していないのか、はたまた一夏を信用しているのか、そこまで表情は硬くない

 

さらに言えば八月一日の纏う打鉄改のバックパックユニットは見るからにビーム砲が付いている、やはり一夏が対レーゲン装備を作成していた様だ。幸いリィン・カーネーションを見る限りバックパックユニットは対レーゲン装備ではないが打鉄とリィン・カーネーションのバススロット内にビームライフルとかビーム系の武装が有る可能性が高い

 

 

「・・・しかし千載一遇、逃せん」

 

私の言葉に八月一日は少し怪訝そうな表情をするが無視し

 

「八月一日、悪いが今から貴様を叩き潰す、恨めよ」

 

 

「試合だから全力で戦わせて貰うよ、でも俺ボーデヴィッヒさんに何かしたかな? 」

 

 

少し焦った様な表情で八月一日が言うので少し面白い、と感じつつ

 

 

「いやなに、お前が直接どうこうした訳じゃない・・・これは私のワガママだ」

 

 

フォルケイトソードの切っ先を八月一日に向けて言い、空間投影されたカウントダウンを横目で見て八月一日とシャルルへ視線を戻し配置を確認する

 

 

シャルルの位置は八月一日の左斜め後ろ約3m、八月一日と私の距離は直線距離で約10m、ISを用いれば1秒と掛からずに刃が届く距離だ

 

 

私はシャルルから八月一日へと目線を動かし

 

「頼むぞ? 箒」

 

「あぁ、分かっている。最善を尽くす」

 

箒へ声を掛けて意識を集中させる、普通に考えば対策をされているとはいえ私が八月一日に負ける事は無い、何故なら圧倒的に経験値に差が有るからだ

 

他者より1つでも知識が多ければ答えと至る道を1つ増やす事が出来るのだから

 

だからこそ、格下と侮らずに全力を持って八月一日を叩き潰す、狙うは開幕直後の突貫

 

 

私が初手を決めた数秒後、カウントダウンがゼロになり試合開始が告げられ

 

 

「叩き潰す!! 」

 

「くっっ重い」

 

私は真っ直ぐ八月一日へと突撃してフォルケイトソードを振り下ろすが八月一日は打鉄改の対物シールドで受け止め苦しそうにぼやく

 

 

「ほぉ、受け止めたか。初手は合格と言った所か・・・貴様がふさわしい男か否か測らせて貰う」

 

「よく分からないけど、負けるつもりは無いよ!!」

 

鍔迫り合いの状態でチェインガンで撃とうとした瞬間に嫌な予感がしてフォルケイトソードを持ち上げるようにしながら後ろへ飛び退くと目の前をビームが通過して行く

 

『ビット兵器だな、色が違うから気付かなかったが、アレはアカツキのシラヌイじゃないか? 」

 

 

「なるほど、厄介だな」

 

 

マリーの推測を聞き、私も同じ考えに行き着いたので同調し呟く、やはり一夏のテコ入れが有った様だ、全く惚れた男の為とは言え少々やり過ぎでは無いか?一夏 と思わなくも無いが友より愛する人を優先するのは当たり前だし、一夏には そうして欲しいと思っている

 

そう一夏は、もっとワガママになった方が良い

 

 

ひとまず作戦通り箒がシャルルを引き付けてくれている間に八月一日を測り終えないとな

 

 







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