続 続 続 薫君 視点
IS学園研究区間D-35と名付けられた多目的倉庫に俺は居る、右を見れば綺麗に飾り付けされた壁と
そんなパーティー会場の様な場所の中心地に俺は1人立っていた
あれ? なんで此処にいるんだっけ・・・えーっと、一夏さんに告白してOKを貰って、ボーデヴィッヒさんに祝福されて、その後は・・・
俺は混乱している頭をフル活用して思い出す
そう、ボーデヴィッヒさんが祝福してくれた後、見計った様に篠ノ之さんと凰さんが保健室に入ってきて、なんか怖い顔で『一夏を泣かしたら殺す(意訳)』とか言われつつ祝福されたんだっけ
それから校医の先生が戻って来て、簡易的なメディカルチェックを受けて、それから・・・
そこから何故かモヤが掛かった様に曖昧に記憶を思い出せない、なんだっけ? と必死に思い出そうとしていると
「こんばんは」
「え? 」
記憶を探る事に集中していた俺の前に、セーラー服姿の銀髪で眼を閉じ真っ直ぐに俺を向き対峙している少女が いつの間にか居て驚く
「こんばんは」
「え? あ、はい。こんばんは」
彼女は再び同じ言葉を発したので戸惑いながら返事を返す、なんかボーデヴィッヒさんと顔の作りの雰囲気が似てる気がする
「はじめまして、私はクロエと申します。此方の都合で申し訳ありませんがあまり時間もまりません、貴方へどうしても尋ねたい事があるのです」
「俺に? 」
クロエと名乗った少女は落ち着いた声色で表情を変える事も眼を開く事も無く丁寧な言葉遣いで言い静かに頷く
「貴方は一夏の為ならば自分 又は 他者の命を差し出す覚悟がありますか? 」
クロエは静かに俺へ問う
今、俺はクロエに試されている。 間違いなくクロエは本気で一夏さんを救う為に自分の命を差し出すか、外敵を殺せるか を問うている
なら、答えは決まっている、だって俺は一夏さんの事を知っているのだから
「覚悟なら有る、でも俺は一夏さんの為 なんて免罪符を使うつもりは無い。俺は俺がやりたい様に、やれる事をやるだけだから」
俺は真っ直ぐクロエを見据えて宣言する様に答えると彼女は一瞬だけポカンとしてクスクスと数秒程笑い
「なるほど、一夏が貴方を選んだ
最初辺りは微笑みながらだったが、最後の方で彼女は眼を開き黄金の様に光る金色の瞳で俺を真っ直ぐ見据えて言う
俺、なんでこんなに脅されてるんだろ? もう今日で3人に釘刺されてるんだけど
「では私の役目は終わりましたし時間です、では楽しまれてください」
クロエがお嬢様然としたお辞儀をして言うと、世界が塗り変わる様な感じで さっきまで人が居なかった筈の場所に人が立っていて、過半数はニヤニヤしている
「え? な? え? 」
混乱して周りを見渡すと、顔を真っ赤にして顔を手で覆って微振動している一夏さんと愉快犯みたいな表情の篠ノ之博士、ニヤニヤしている篠ノ之さんと凰さん、 布仏さん率いる有志メンバー、床に正座してガタガタ震えているボーデヴィッヒさん と その前に仁王立ちしてボーデヴィッヒさんを見下ろして居るジークフリートさん、ソファーに丸くなって寝ている緑髪の娘、そして俺を見定める様に見る織斑先生
うん、よく分からないぞ? 特にボーデヴィッヒさんがなんで震えてるかが、よく分からない
「やぁやぁ八月一日君、約
と篠ノ之博士はニッコニコしながら説明する、なんか最後に人でなし な事を言ってた気がするけど気にしないでおこう、多分気にしたら負けだ、うん
と、いうか 色々と疑問が有る
まずパーティー会場の設備とか料理の手配とか、手際良すぎじゃね? とか
クロエのチカラって何?とか
なんで俺の認識情報操作して俺を問いただしたのか? とか
本当に色々と気になる、いや、マジで
「まぁとりあえず建前では、いーちゃん と君を祝う会だからね、楽しんでくれたら嬉しいかな? 」
「は、はぁ、ありがとうございます? 」
もう色々と情報が多過ぎて混乱している状態で篠ノ之博士にお礼をいうと、ニッコニコしながら織斑先生の方へ移動し、先生の肩を軽く叩く
「八月一日・・・一夏の姉として、お前に改めて問おう。 一夏を護り続けると誓えるか? 」
いつにも増して凄みがある織斑先生の言葉に頷き、真っ直ぐ先生を見て
「必ず護ります、もちろん死ぬ気もありません」
俺の問いに先生は頷き
「ならば私から言う事は1つだけだ・・・一夏を悲しませてみろ、私は地の果てまででも、お前を見つけ出し産まれた事を後悔させる。以上だ」
いや、以上だ じゃ無い、なんでこんなに脅されてるんだろ俺、いやマジで
まぁとにかく一夏さんを悲しませ無ければ大丈夫だ、きっと大丈夫、多分
お待たせしました
おかしいな、予定では既に千冬さんが酔っ払って酒瓶ラッパ飲みしてるぐらいのつもりだったんですがね?w
まぁいいかw