一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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告白と宣言

 

 

 

私は薫君の言葉を聞き内心喜びながらも、一部を除いた参加者の生暖かい眼差しに恥ずかしく感じて顔を両手で覆い少し身悶えていると、姉さんが薫君へ質問し、薫君の返答を聞き なんか物騒な事を言う

 

鈴も箒もだけど、なんで皆んな そんなに物騒なの? いやほんと

 

 

さてと、本当なら保健室で薫君に告白された時に話さなきゃいけなかった話がある、私の過去の事だ

 

元々は近い内に私から薫君に告白するつもりだったから、薫君が告白してくれた事に舞い上がってしまって話そびれてしまった、失敗したなぁ

 

改めて薫君へ話す、となると緊張する。でも私は真剣に彼を愛している、彼に隠し事をしていたくない

 

 

「一夏? どうかしましたか? 」

 

声を掛けられ目を向けると、いつもの様に目を閉じているクロエが私を軽く見上げて立っていたのでどうやら少し考え混みすぎた様だ

 

「え? あぁ少し考えごとをね? 」

 

クロエを安心させる為に言葉を繕い言うと

 

「そうですか、八月一日さん絡みでしょう? 」

 

クロエは穏やかな微笑みを浮かべ言う

 

「・・・なんで分かるの? 」

 

言い当てられて少し戦慄して尋ねると

 

「ふふ、これでも貴女よりほんの少し長く生きていますし? 見るからに、ですよ一夏」

 

と、なんか はぐらかされた様な気もするがクロエに舌戦で勝てた試しが無いので諦める事にする

 

「・・・アノ事を彼に話すのですね? わざわざ必要ですか? 」

 

クロエは目を開き黄金の瞳で私を真っ直ぐと見据えて尋ねてくる

 

「必要では無い、かな? でも・・・私は薫君に隠していたくない、かな? 」

 

 

「彼は普通の少年です、受け入れると確信が? 」

 

私の言葉にクロエは一切目を逸らさずに言う

 

本音を言えば不安だ、私の過去を知る事で薫君が私の側から居なくなってしまうのではないか? と、受け入れて貰えないのではないか? と、本当は不安だ

 

 

「私は信じているよ、薫君は受け入れてくれるって」

 

私は真っ直ぐクロエを見据えたまま言う

 

そう私は信じている、薫君は受け入れてくれる事を

 

「・・・そう、ですか。分かりました、私も信じます 貴女が信じる八月一日さんを」

 

クロエは目を閉じて再び微笑み言い私に歩み寄り軽く私の腰を叩き

 

「御武運を一夏、戻ってきたら来月の話をしましょう」

 

「ありがとうクロエ、またあとで」

 

 

力強く頷き私は薫君の元へ歩み寄り

 

「薫君、少し話しがあるのだけど大丈夫? 」

 

「話? うん、大丈夫だよ? 」

 

のほほんさん達に囲まれていじられていた薫君に声を掛けると、薫君を囲んでいたのほほんさん率いる有志メンバーが ささーっと退散していく、なんか凄い気を使わせてしまった様で少し罪悪感があるが、薫君以外には聞かれたくない話ではあるから良いのかな?

 

 

「・・・やはりするつもりか、私もついて行こう」

 

気配も無く現れた姉さんに私は驚く事もなく頷くと、薫君は少し緊張した様な表情になる

 

「私にとって、とても重要な話だから場所を変えよう? ついてきて欲しい」

 

「う、うん。分かった」

 

私の言葉に薫君が頷いたのを確認して歩み出す、ここは研究施設が犇く区画なので誰にも邪魔されない空部屋は沢山あるし、姉さんが居れば大抵の場所に入れる

 

数分も離れていない空部屋に入り窓から見える欠けた月を見上げると薫君に続いて入室した姉さんが扉に鍵をかけて私の隣に立つ

 

「・・・薫君、今から私の秘密を君に話から聞いて欲しい」

 

深呼吸をして私は薫君を真っ直ぐ見て言うと薫君は静かに頷く

 

「私、織斑一夏は数年前まで男だったんだ。具体的には第2回モンドグロッソ決勝の日までは・・・」

 

私の言葉に薫君はキョトンとしてパチパチと瞬きをする、その表情が少し可愛いな、と思ったが直ぐにあの日の記憶がフラッシュバックして身体が震え始める

 

「私は・・・第2回モンドグロッソ決勝の日、姉さんの2連覇を阻止する為って言う身勝手な理由で誘拐されて・・・」

 

そこまで私が言った所で姉さんが私を抱きしめ、大丈夫だ と私を安心させる様に言う

 

「・・・八月一日、誘拐された一夏は性転換する薬を投与され性転換させられた挙句に強姦されかけたんだよ」

 

抱きしめながら私の背中を摩り薫君へ説明をする姉さんの声には、怒りが含まれている

 

「八月一日、今話した事は全て事実だ。 故に今一度お前に問わせて欲しい、一夏が元男だと言う事実を知って尚、お前の気持ちは揺らがないのかを」

 

 

少し震えが治まってきた私を抱きしめたまま姉さんは薫君へ問う

 

 

「織斑先生・・・いえ、ここでは敢えて千冬さんと呼ばせてもらいますね? 千冬さん、正直今聞いた話は衝撃的でした。でも俺の気持ちは揺らいでいません、なぜなら俺は一夏さんが女の子だから好きになった訳じゃ無いと思うんです、俺は一夏さんが好きです 必ず幸せにしてみせます」

 

 

姉さんの腕の隙間から見える薫君は姉さんを真っ直ぐに見据えて言い切る、その表情はカッコ良すぎる

 

「・・・そうか、その言葉が偽りで無い事を信じよう」

 

 

姉さんはフッと笑い、肩の力を抜き そう言い

 

「私には出来過ぎた妹をよろしく頼む」

 

「はい、必ず幸せにすると誓います」

 

 

アレ? なんか結婚の挨拶をしに行った感じの展開になってるよ? なんで?

 

 

まぁいいか、姉さん公認だ、先の事は後に考える事にしよう

 

 






お待たせしました


薫君が漢を見せる話でした

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