一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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激戦

 

 

「八月一日さん、後続との距離が離れ過ぎです、速度25%で6時方向に20秒移動して下さい、箒さんは継続して前進。一夏は両名との間隔を維持を」

 

 

薫君と想いが通じた日から時は過ぎて週末、私達は織部模型店を訪れて慣らしと打ち合わせを兼ねて筐体を動かしている

 

 

練習でフリーミッションを受けているのだが、やはりクロエのオペレーターとしての技能は高く的確な指示を出してくれる

 

 

「八月一日さん、上方向2時に敵影を確認、数は2つ・・・熱紋照合、ジンハイマニューバですね、恐らく母艦か小規模基地が存在する可能性が高いですね」

 

「まだ見つかってないみたいだけど、どうする? 」

 

クロエの言葉を聞き薫君が指示を仰ぐ、クロエの言う通りジンハイマニューバが2機だけで行動するとは思えない

 

 

フリーミッションだから条件次第で様々な状況が起こり得るのだから、少し慎重になる必要がある

 

 

これが大会なら下手に突かずに様子見で撤退、と言うのも有りだろうけど 私達は練習でいる訳だから

 

「一夏が突いてみたそうなので、敢えて突いてみましょうか。八月一日さん、()っても構いませんよ、一夏がフォローします」

 

 

なんだかんだ私とクロエは付き合いが長いから私の思考を読んだクロエが薫君へ指示を出し

 

「了解、釣れたらフォローお願い」

 

「任せて」

 

私は薫君へ返答し、ムラサメと距離を詰めてビームライフル(ヒャクライ)を構えて周辺を警戒する

 

「む? 下方向11時に光が見えた、クロエ」

 

「はい、ただいま」

 

スゥィーとデブリ帯を進んでいた箒がクロエへ尋ね、すぐにクロエは仕事に取り掛かり

 

「熱紋照合、ゲイツが3つですね。八月一日さんと一夏はジンハイマニューバの相手を継続、箒さんは一旦下がって奇襲の準備を」

 

「了解」

 

「了解、行こう薫君」

 

「・・・是非も無し」

 

私達はクロエの指示に返事をし、私は周りを警戒しながらアカツキを操りつつエネミーの出方を予想する

 

 

明らかにジンハイマニューバは陽動なのだろうけど、後詰めにゲイツが3機は少ない気がしてならない、となれば恐らく大量の本隊か各個撃破出来るレベルの強敵が出現 又は 私達を一網打尽に出来るナニカが有る、と予想出来る

 

 

ともあれ目の前のジンハイマニューバを落とさないと箒と合流出来ないので困った物だ

 

 

それから薫君と連携してジンハイマニューバを撃破して箒と合流する為に移動していると

 

 

「敵艦影を確認、熱紋照合・・・ナスカ級? それにミネルバも・・・やはりゲイツも囮でしたか。一夏、タンホイザーの処理を任せますね?」

 

 

「了解、ギリギリ大丈夫だと思う」

 

クロエが指示を出してきたので返事をして言うが正直不安はある、原作では防ぎ切ったが私のアカツキは改造しているから防ぎ切れる保証がない

 

 

でもクロエが私に任せる、と言ったなら多分大丈夫なんだろう、きっと

 

 

「タンホイザー起動を確認、八月一日さん 箒さん両名は射線上より退避 または一夏の後ろへ」

 

此処で退けば2人がタンホイザーの餌食になる、大丈夫だ失敗したら私も一緒に焼かれるだけ、そうそれだけだ

 

 

そう腹を括りシールドを構えてタンホイザーに備える

 

「一夏、信用しているからな? 」

 

「任せてよ箒、ダメだったら一緒に焼かれて落ちるだけだから」

 

と私が言った言葉に信じられない、といった表情を箒がした瞬間、タンホイザーが発射されシールドに当たり粒子を撒き散らす

 

「ほら、大丈夫でしょ? 私って不可能を可能にする女なんだから」

 

防ぎ切り箒へ言うと

 

「・・・あぁ、そうだな」

 

なんか呆れた様な声と表情で返事をされてしまった、なんで? と首を傾げつつ腰部ビーム砲でタンホイザーを撃ち抜き破壊しておく

 

「上方よりミサイル接近、一夏 迎撃してください」

 

「了解」

 

クロエの指示に従い私は腰部ビーム砲とヒャクライ、ドラグーンを用いてミサイル群を一掃する

 

「ドラグーン系にも慣れてきたな」

 

ドラグーンでゲイツを蜂の巣にしながら呟き

 

「クロエ、次は? 」

 

「そうですね・・・ミネルバ攻略でもしますか? 」

 

クロエはミネルバを落とすのは簡単、みたいな軽い調子で聞き返してきたので

 

 

「ん〜流石にシンとかが出て来たら面倒じゃない? 」

 

 

デブリ帯のデブリに身を潜めながらクロエへ言う

 

 

「シンより強い人なんて地方予選会でも本選でも居ます、今日シンに負ける様では勝ち進む事は絶望的でしょう」

 

と何ともスパルタな事をクロエは言う、確かにクロエの言っている事は正しいかも知れない

 

NPCで有るシンに負ける様であれば予選や本選で勝てる可能性が低くなるだろうから

 

とはいえ、素人に毛が生えた程度の2人にシンを相手にしろ、と言うのは少し荷が重いかもしれない

 

まぁ勝つにしろ負けるにしろ、シンとの戦いは2人の糧になってくれる筈だ、多分

 

「それじゃ、第1目標はミネルバを撃沈、第2目標はシンの撃破にしておこうか、薫君 上手く撹乱しながらミネルバのCIWSを破壊して貰えるかな? 」

 

 

「OK、問題無いよ一夏さん、任せてよ」

 

私の言葉を聞き薫君は返事をしてデブリをスイスイ避けてミネルバへ飛んでいく

 

次は大気圏内の具合を見ないといけないかもな・・・まぁ元々ムラサメは大気圏内用だから、あまり気にしなくても良いかも知れないけれど

 

 

 







お待たせしました


気分が乗れば今回の続きを書くかも知れません

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