一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

75 / 112
地方予選 伍

 

 

 

 

軽く落ち込んだ気持ちを意図的に切り替えようと決意し、姉さん(仮)の機体をよく見る

 

「バイアランがベースかな? 見た所・・・両腕部にビームマシンガン、背中にGNミサイルコンテナとGNドライブがあるな」

 

 

私は機体の機動を見つつ武装を見て、予想を立てる。恐らく両腕部のビームマシンガンはビームサーベル兼用の仕様だろう、とか 機動性を見るに庵さんが製作した姉さん専用機だろう、とか

 

 

恐らく姉さんなら鉄血MS相手にもビーム兵器主体の機体でも圧勝出来るだろう、うん

 

 

「まるで生き物みたいに動くね」

 

私の隣で中継を見ていた薫君が呟く

 

「そうだね、さながら阿頼耶識を使ってるみたいな機動だよね」

 

私は薫君の言葉に同調して言う、姉さんの操縦技術は群を抜いて高い、理論上は阿頼耶識と同じ挙動をする事は可能だ、理論上は

 

短時間なら私でも出来る、ほんの数分が限界だが出来はする、まぁ向き不向きがあるから一概には出来ないが、常識的に考えて常人なら数分が限界だ

 

 

それを平然と軽く1時間はやってのけるのが姉さんだ、そう阿頼耶識と同じ様に自身の思考を直接反映させるフルマニュアルを姉さんは使えるのだ、我が姉ながら人の枠を超えている

 

 

さて、そんな生後288ヶ月児の姉さんだが前回大会で優勝したチームメンバーの1人だったのだけど、あまりに全力でバトルをした結果 チームメンバー全員が無傷で優勝してしまい、チームは出禁を食らってしまった

 

そして大会出場する場合の制約が言い渡された、ファイター単機のみでなら出場を許可する、と 実質の出禁宣告だと私は思っていたのだけど

 

「その結果が目の前の意気揚々と敵機を蹂躙している光景、と」

 

本当に遊びに手を抜かないな288ヶ月児、逆に清々しいぐらいに暴れまわっている

 

 

そんなこんなで、見てわかる範囲の情報収集が終わったと同時に姉さんは最後の1機を撃破しバトルが終了したので

 

「願わくば当たりたくないなぁ」

 

「ははは、確かに」

 

私の呟きに薫君は苦笑し同意をする

 

「千冬さん、やはり出場していましたか」

 

相変わらず気配を感じさせずにクロエが隣に立っていて、そう言う

 

「私的には今回は出場見送るかな? とは思ってたんだけどね?」

 

いつもの事なので特に驚かずにクロエへ言うと

 

「彼女が我慢出来る訳無いじゃないですか、幸い最近 厄介ごとが片付いたらしい と真耶さんも言っていましたし」

 

と少しドヤ顔気味でクロエは言い、私は 真耶さん? となったが そういえば山田先生の名前だったな と思い出して納得する

 

 

それはそれとして、いったいいつクロエは山田先生と仲良くなったんだろう? まぁ私も四六時中 山田先生がIS学園に居るとは思ってないけど・・・ん? 姉さんが月に2回しか帰って来なかったのは寮監してたからだから、一般教員の山田先生は そうでもないのか、最寄りの駅までなら そこまで時間掛からないし、IS学園の職員寮に住んで無い可能性も有るのかな?

 

 

なんだかんだ言ってもIS学園って福利厚生しっかりしてるらしいし、山田先生も実はマイカー通勤とかしてるのかも知れない、少しイメージ出来ないけど

 

 

まぁそれはそれとして、山田先生とクロエがいつのにか仲良くなってるのは驚いたけど、クロエの交友関係が広くなっているのは良かった

 

「さて、そろそろ次のバトルの開始時間になりますね? いきましょう」

 

相変わらず眼を閉じたままクロエは言い歩み始める

 

「そうだね、行こう?」

 

私は薫君の手を引きクロエの後を追いつつ、薫君の手はあったかいなぁ とか かなり私的(してき)な事を考えてしまう

 

ひとまず1回目のバトルが終わってから ずっと渋い表情をしている箒が付いてきてるのを確認しつつ筐体へ向かう

 

 

少しして筐体についてしまったので仕方なく薫君の手を離して筐体に入り準備する

 

「それではブリーフィングを始めます、現在分かっている敵チームの情報は多く有りませんが、チーム名はMOSです」

 

頃合いを見てクロエがブリーフィングを始め、チーム名を口にした瞬間、私と薫君は思わず驚いてしまう

 

「アナタ方が約一月(ひとつき)程前に対戦したチームだと思います、プレイヤーネームも同じ様ですし」

 

とクロエは何故か先月に対戦した事が有るのを知っていて更に言葉を続ける

 

 

「・・・これが運命ってヤツなのかな? 」

 

会いたいと思っていなくても、会いたくないと思っていても、引き合い出会ってしまうのは運命、と言うしかないのかもしれない、とか少し大袈裟な事を考えつつ

 

「出来れば私はMとは戦いたくないなぁ、またキレたら次のバトル出れないかも知れないし」

 

それに今回は実体装備を殆ど積んできてないからMと戦うのは少し分が悪いしね?

 

かと言って箒や薫君に任せるのも悪い気もするしなぉ とか考えていると

 

 

「ならMとは俺が戦うよ、リベンジしたいと思っていたんだ」

 

「では、それでいきましょう」

 

と薫君が力強く言う、その姿にカッコいいなぁと思い少し惚けている間にクロエが方針を決めてしまい、ブリーフィングが終わる

 

Oはともかく、Sがどんな機体を出してくるか分からないので、少し気を引き締める事にした

 

 





お待たせしました


そろそろガンプラ大会の話を終わらせて次のネタに持っていきたいのですが、ガンプラバトルはまだ終わらなそうですw


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