一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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地方予選 拾

 

 

真っ赤なアルケーベースの機体のOとエンカウントして約10分、彼女は口が悪いがファイターとしての腕は上位に位置していると思う

 

前回のアグリッサ、今回のアルケーを見る限りOは紅が好きな様だし、たまたまかも知れないけどアリー・アル・サーシェスの乗機を使ってるのも それが理由なのかも知れない

 

 

「おらおら、どんどん行くぜぇ? 」

 

「あぁもう、本当は近接戦タイプだったな? 」

 

 

真紅のルガーランスをサーシェス宜しくブンブン振り回してガンガン攻めてくるOにクレームを呟きつつタマモノシズイシで防いだりビームサーベルで応戦したり距離を取ろうとするが、ユキカゼが中距離戦向きの機体だと気付かれている様で距離をなかなか取らせてくれない

 

 

「わりぃな、大会だから本気なんだよ」

 

「なるほど、ね! 」

 

悪びれる様子も無くOは楽しそうに笑い言う、私はドラグーンを射出してOを引き離し漸く距離を取る事に成功する

 

まぁ距離が取れたからと言っても私が有利になった訳ではないのだけどね?

 

 

「ちっちょこさいな、行けファング! 」

 

「何度だって受けて立つよ! 」

 

私はファングから放たれたビームをドラグーンとキリシマ、ヒャクライ改で撃ち落とす

 

「またそれか、本当どうなんてんだ」

 

「あー・・・一種の才能、かな? 」

 

Oが不満そうに言うので、それに答えと

 

「そうかい、ならぶっ潰すだけだ! 」

 

Oは私へルガーランスの切っ先を向け言うと、ルガーランスが展開し嫌な予感がしたのでドラグーンでビームシールドを張ると、ルガーランスからビームは放たれビームシールドに当たり消える

 

「ちっ、やっぱりビームシールドが張れたか」

 

やはり不満そうに言うOの言葉を聞きつつ接敵した時の射撃戦の謎に気付く事が出来た

 

Oの機体には目立った射撃武装が無いので不思議だったんだよね

 

まさか見ただけじゃなくて射撃機能まで再現されてるとは思わなかった

 

 

さてルガーランスの機能が再現されている、と仮定して次の手を考えなければならない、出来たらOを無傷で撃破出来る事が望ましいけどそうは行かないだろう

 

可能なら薫君と合流したい所だけど、それも望み薄いし・・・

 

「一夏、残念なお知らせです。八月一日さんがMと相打ちになりました、また箒さんもSと交戦中につき対処は出来ません、Oは何をするか分からないタイプです、気を付けて下さい」

 

 

「了解、なんとか乗り切るしか無いか」

 

クロエがプライベートチャネルを開き状況を知らせてくれたので、目の前のOを自力で勝つしかないと腹を決める

 

「機体仕様とプレイスタイルの傾向から推測すると、Oは近接戦タイプで貴女は中距離タイプなので距離を保ちつつ射撃戦をする事を推奨します。決して完全思考制御は使用しない様に」

 

「分かってるよクロエ、分かってる」

 

とにかく距離を詰められない様にしながら射撃戦に持ち込み隙を探すが、Oは なかなか隙を作ってくれない

 

 

「と言うか、ルガーランスって照準器付いてない筈なのに精度高いなぁ・・・いや、Oの腕が良すぎる感じかな」

 

ファングのビームを避けたりルガーランスのビームを避けたりしながら応射をしつつ呟く、仮にそうだとしたらOは かなり長時間アルケーに乗り続けてルガーランスを使っているか、実際にルガーランスに似たものを使いこなせる、と言う事になる

 

前者なら納得出来るけど、後者ならOはルガーランス使いのIS搭乗者と予想するしかない、考えたく無いがヤバイ職業の人、と言う可能性もある

 

 

「このまま射撃戦をしてても埒が開かないしな、少し無茶するか・・・トランザム! 」

 

射撃戦に飽きたのかOは、そう言うとトランザムを発動させ距離を詰めて来くる、それをドラグーンで迎撃するが容易く躱されてしまったので、直ぐにビームシールドを張り直す

 

「そんなんじゃアタシは止められないぜ? 」

 

Oは楽しそうに言いビームシールドにルガーランスの切っ先を突き立て、ビームシールドの0.3秒程の抵抗を受けたのちルガーランスはビームシールドを突き破り刀身が展開し、ビームが飛んできたのでタマモノシズイシで防ぎビームを反射して返すとドラグーンのビームシールドに当たり光子が散り一瞬だけ視界が白くなりOを見失う

 

「しまった、どこだ? 」

 

急いで探し、嫌な気配を感じてユキカゼを反転させタマモノシズイシを構えるとビームシールド発信器中央にルガーランスの切っ先が突き刺さり

 

「お、良い反応するじゃねーか」

 

楽しそうに言うOの声が聞こえルガーランスの刀身が展開しビームを撃ち込まれタマモノシズイシと左腕を持っていかれてしまう

 

「マズい、本当にマズい」

 

爆発の影響で左側のヤタノカガミが傷付いて使い物にならないし、ビームサーベルと左側ドラグーンターミナル、左側キリシマが破損した様で使用不可の表示がされている

 

「もう時間ねーから決めさせて貰うぜ? 」

 

「しまった」

 

とOの声が聞こえた瞬間、アルケーの回し蹴りビームサーベルでヒャクライ改が両断され、ルガーランスで突き刺されビームを撃ち込まれて撃墜されてしまった

 

「あー・・・やられちゃった・・・」

 

視界に広がる撃墜の文字を見て項垂れ呟く

 

少しOを見縊っていたのかも知れないな、と反省し溜息を吐く

 

まぁなんだかんだで楽しいバトルでは有ったから良いかな、うん

 

 






お待たせしました


ルガーランスの正しい使い方をしてみましたw


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