バスに揺られる事数時間、臨海学校の目的地へと到着したのでバスを降りて、なかなかに長時間座っていたかは少し凝ってしまった肩を軽く回す
「日差しが強いなぁ・・・」
まだ7月になったばかりだと言うのに容赦ない日差しを受けつつ呟くと
「そうだね、これは日焼け止めないと明日は悲惨な状態になりそうだ」
初夏の日差しを浴びて当社比50%程 金髪が輝いている様に見えるシャルが俺の隣に立って軽く空を見上げて言う
「確かに」
ひとまずシャルの言葉に頷きクラス毎に整列していたので列に加わって少しすると織斑先生が拡声器を使い臨海学校のスケジュールを軽く説明して注意事項を話した後、順番に旅館へ入る様に指示を出す
やはり約240人が一気には入れないので俺達が旅館へ入るのに少し時間がかかるので今の内に指定された部屋を改めて確認しておく
「入り口からエントランスホールを抜けて左側の奥手の通路を進んで突き当たりを左折、か」
やはり教職員含めて約260人が宿泊できるだけあって中々に広い旅館だから下手すると迷子になりそうだなぁ、と考えて ふと思う
IS学園は多国籍学園、つまり様々な宗教信者が居るわけで宗教によっては禁忌に抵触する食べ物や飲み物があるし、宗教上の理由で大浴室が使えないとか色々とあるんだろうけど、それに対応出来るって凄いんじゃ? と思ってしまった
と、人知れず噛み締めていると
「薫、そろそろ僕達も行こう? 」
「そうだね、行こうか」
シャルに声をかけられたので返事をして自分の荷物を持って旅館へ入り靴箱へ靴を収納しスリッパを履いて、日本建築の意匠に目を奪われているシャルと共にエントランスホールを抜けて俺達の割り振られた部屋へ向かう
「薫、薫、これが日本庭園ってゆうのかな? 」
普段は大人しいシャルが年相応に目をキラキラさせて廊下から見える日本庭園調の中庭を見て俺に尋ねてくる
「多分、そうかな? 俺は全く詳しくないから良く分からないけど」
割と本気でシャルが弟だったら良かったのに、と思いつつ答え割り振られた部屋へ入り荷物を下ろして、部屋の奥を見ると露天風呂が有って凄いなぁと感じる
まぁ俺達は大浴室を使えないから、風呂付きの部屋を割り振られた訳だけどね
とりあえず外履きを履いて露天風呂の向こう側の柵に近寄り柵の向こう側を見ると、蒼い海と蒼穹が広がっていて目を奪われてしまう
「・・・・・凄い」
こんな凄い部屋を用意出来るIS学園は本当凄いな、と言う語彙力の欠片も無い感想を抱きつつ、思う
同室がシャルじゃなく一夏さんだったら最高だったな、と
いやまぁ、学校行事だから男女混合とか有り得ない訳だけど、俺も男子高校生だ・・・邪な感情だって持ち合わせている。だから欲を言えば一夏さんとこうゆう部屋に泊まってみたい、と思うのも仕方ないじゃないか? うん
と、誰に言い訳してるか分からない自問自答? をしてから室内に戻り旅行鞄を開き中から水着と他一式を取り出しなから疑問が浮かんだので
「シャル、待機状態のISってアクセサリーじゃん? 海水に浸けても錆びないのかな? 」
「うーん・・・事実上、錆はするけど自己修復で修復されるから錆びない、で良いのかな? 」
俺の背後でガサガサ準備をしていたシャルが少し困った声色で答えてくれたので、ありがとう と伝え制服を脱いで水着へ着替える
流石に日焼けが怖いから日焼け止めを全身に塗り込んでからラッシュガードを着て振り向くと、自分の髪を三つ編みにし終わったシャルがいた
ちなみにシャルもラッシュガードを着ている、
にしても、三つ編みにしたら益々女の子みたいだなシャルは、本当に俺と同じ男か疑いたくなる、まぁ付いてるんだけどね、うん
と今日は少し思考が邪念に支配されがちだが男の娘なシャルと共に部屋を出て浜に向かう為に移動を始める
さて、その道中に俺はアル事に気付いてしまった
隣を歩くシャル以外、同級生は女子であり。彼女達も水着姿で浜へ向かっている、普段からスク水みたいなISスーツ姿を見ていて多少は慣れているけど、明らかに布面積が少ない人がチラホラ居るんだ、正直に言って目のやり場に困る、割と本気で
そんな感じで意識して意識しない様にして浜に降りると、既に同級生が居て様々な事をしている
なんか浜の端でクレー射撃してるんだけど、それは大丈夫なのかな? とか思うけど、多分大丈夫なんだろう、多分
とか考えて浜を歩いていると、ビーチパラソルが並んで立ててあり、へぇ良いなぁ とか思い通り過ぎようとしたらミイラが居て二度見して、晒された銀髪を見てミイラ状態の美少女の正体を察していると
「ラウラ? どうしたの? 」
俺の隣を歩いていたシャルも彼女に気付いた様で声をかけると、ボーデヴィッヒさんはビクッと身体を揺らし
「しゃ、シャルル、待っていたぞ!! 」
となんかうわずった声でシャルルの名前を呼んだので空気を読み
「シャル、俺は一夏さん探しに行ってくるから。また後で」
「あ、ちょっと、薫? 」
俺は早口で言い返事を聞かずに、その場を後にする
頑張ってボーデヴィッヒさん、俺は君を応援してるよ?
お待たせしました