一夏ちゃんは戦わない   作:銭湯妖精 島風

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新しい朝が来た

 

 

アレから部屋に帰って部活一覧を見て模型部の存在と部室の位置を確認して お風呂に入ってから眠った

 

そんな訳で学園生活2日目を迎える

 

私は髪が長めなので寝癖を直すついでに朝にシャワーを浴びるのが日課になっているので簪を起こさない様に起きてシャワーを浴びてしっかり髪を乾かして浴室から出ると簪は起きているが寝惚けているのかベッドに座った状態でボーっとしていた

 

それを横目で見ながら身支度をしていると簪はメガネをベッドのサイドテーブルに置いたまま洗面台に向かい身支度を始めた

 

 

「簪? メガネを掛けなくて鏡、見えるの? 」

 

それを見て、少し気になったので尋ねてみると

 

「ん? あぁ私は別に目が悪い訳じゃないの、あのメガネはIS整備とかで使うメガネ型のデバイス、どこでも作業出来るから便利で ずっとつけたままにしてるだけ」

 

簪は洗面台で自分の髪をブラシですきながら私の質問に答える

 

「へぇ、そうなんだ」

 

束さんも私も作業用ISを使っているから気にしてなかったけど、普通はISの情報を見るデバイスが必要なのは当たり前

 

流石に専用の工具を使うけどね

 

それから身支度を終え朝食を食べて、簪と途中まで一緒に登校する

 

そんなこんな教室に入ると既に箒が登校していて文庫本を読んでいた、絵になるな、うん

 

そんな事を考えつつ自席に通学鞄から教科書を移し箒に話掛けようと思い席を立った瞬間

 

「織斑、話が有る。来てくれ」

 

と姉が何か神妙な表情をして教室に入ってきて私を呼び出すので首を傾げつつ姉について行き生徒指導室へ入り

 

「少し面倒な事が起こった」

 

と姉は本当に面倒くさそうな表情をして言い

 

「今朝、八月一日の専用機が届いたが少し面倒な仕様で、ユニット換装仕様らしい。専用の設備が必要なんだが手違いで工期がズレてしまった為、お前に白羽の矢が立ってしまった。入学時に明石は学園に登録されているからな」

 

要は私に 八月一日 君の機体換装をやれ、と言えと学園上層部・・・いや政府辺りに言われた様だ

 

まだ少し男性恐怖症気味だが、多分 八月一日 君は悪い人ではないだろうし、ぜひオルコットさんに痛い目を見せて欲しいので

 

「分かりました、やります。資料貰えますか? 」

 

と私が言うと姉は少し心配そうな表情をし

 

「助かるが、無理はするなよ? 人数を確保すれば お前でなくても出来なくは無い筈だ」

 

姉は そう言い教師の顔では無く妹を心配する姉の顔で言う

 

「大丈夫だよ姉さん、なんとなくだけど・・・彼は大丈夫な気がするんだ」

 

そう言うと姉は教師の顔になり

 

「わかった、仕様書などの資料は後程、纏めた物を用意しておく」

 

 

「ありがとうございます」

 

そんな訳で形はどうであれ、実機を触れる口実が出来たのは素直に喜ばしいので少しワクワクしながら教室へ戻りSHRを受ける

 

 

SHRで模擬戦の日時が申し伝えられ、八月一日 君 に専用機が届いた事が伝えられる、私の専門は整備関連だけど彼よりはISに触れている時間は長い、無理のない範囲でアドバイスをする事にしよう

 

いざとなれば4組にいる簪にヘルプをお願いしよう、ん? のほほんさん の幼馴染も4組にいるって言ってた様な? まぁたまたまかな、うん

 

そんな感じでSHRが終わり、少し緊張しながら八月一日 君の方へ向き

 

 

「ほ、八月一日 君、君の専用機の整備や換装を私が任されたんだ。よろしくね? 」

 

少し緊張で頭がクラクラしているが何とか言葉を絞り出して言うと

 

「あ、うん。よろしく織斑さん」

 

と八月一日 君は返答してくる

 

「受領は昼休みだったよね? 先に仕様書とか資料は貰ったかな? 」

 

次第に緊張より実機に触れるワクワクが勝り始めて私は彼に尋ねる、すると

 

「貰ったよ、最初のページからチンプンカンプンだったけど、見る? 」

 

そう苦笑して彼は茶色のファイルを私に見せ、尋ねてくる

 

「是非、整備や調整、換装をするのに仕様を知っておかないとね? 少し借りるね? 」

 

彼からファイルを受け取り軽く目を通す

 

機体名は打鉄 改、バックパックをユニット化し換装する事で防御型の打鉄の特性を生かしつつ汎用性を上げている、と

 

ユニットの部分は別として、本体自体は打鉄と基本構造は変わらない様なので、私でも修理・改修は ある程度可能そうだ

 

流石にオーバーホールとかになると私1人では無理が有るだろうが

 

とりあえずファイルの中身を一通り目を通して

 

「だいたい分かったかな? ユニットは別として本体だけなら何とか出来そう、ユニットの換装作業についても問題は無いかな? あとは実際にやりながらじゃないと分からない所だね」

 

ファイルを彼に返し言うと、彼は驚いた表情をして

 

「織斑さん、凄いな。俺はサッパリだったのに」

 

と言う、そりゃ予備知識も何も無い状態で読んで理解出来る物じゃない、だって仕様書だし

 

「いやぁ予備知識が無い状態なら仕方ないと思うよ? 八月一日 君、それに私は凄くないよ、師匠が教えるのが上手かっただけ」

 

まぁ、その師匠はISの産みの親であり、IS技術の最先端を常に行く人な訳だけどね?

 

とりあえず彼と仲良くなれたみたいだ、良かった

 

多分 短くない付き合いになるだろうから、ある程度は信頼関係を築いておかなければ

 

とはいえ操縦面でアドバイスなんて殆ど出来ないから、誰かにお願いしないとなぁ

 

 

 






模型部まで書くつもりが溢れました、すみません


次回に繰り越しにします


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