部屋にあった旭日旗触ったら変なのが出て来た   作:はち   .

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再開脱出

 ホームズが最後にアドバイスをくれたので敵の少ない方から少数で浸透していく事にした。

 敵が居た場合はフェイカーが影から反対側の通路に陽動を出して敵を引きつけてくれる。

 

「こんなに一杯の兵士を出して大丈夫なの?」

「我等大日本帝国軍総数で言えば五千万は下りません。

 我々は戊辰戦争の折に時の天皇陛下、明治天皇陛下が戦死した我々や警官達を祀った靖国神社建立を元に英霊となっております。

 そして靖国神社に奉られた日本兵は勿論皇軍兵士全てが我々なのです。

 最盛期の関東軍100万人を再現しても痛くも痒くもないないでしょう」

 

 スゲーなおい……

 

「戦車とか戦闘機も出せるの?」

「勿論。しかしながらこの施設内で出せるのは精々重機関銃や対戦車砲が関の山。

 戦車を出したらこのカルデアが潰れてしまうでしょう」

 

 安心しろフェイカー、対戦車砲でもカルデアは洒落にならない損害が出る。

 そんな事を話していると管制室に辿り着いた。カルデアス、地球を小さくした様なソレが置かれており観測レンズ、シバにて地球上のあらゆる地点、時代に異常がないかを見る事ができるのだ。

 そんなカルデアスが今は灰色に変色しヒビ割れているのだ。

 

「アレがカルデアスとか言う物か……

 壊れているな。我々には修復も回収も不可能」

 

 フェイカーが双眼鏡を覗きながら独り言ちた。確かにあの大きさだと回収するにも大規模な工事が必要になる。基盤を掘り起こしてクレーンで吊るだろうし、魔術的な何かをする必要があるのかだろう。なにするのかは分からないけど。

 

「おっと……マスター彼処に牝狐が敵に囚われていますよ」

 

 フェイカーが指差す先を見るとコヤンスカヤが襲撃してきた殺戮猟兵と居るのが目に見えた。双眼鏡を渡されたのでそれを覗くとコヤンスカヤは何かを探している様子であり、周りの殺戮猟兵達もそれを止める様子はない。

 

「只々殺せば良いと思ってるお前達のせいで目的の物が見つからないじゃない!最初に言ったはずよ!例のグラフはここの制圧に続いて重要な物だって、

 お陰で鍵を握るあのキャスターには逃げられるし、オプリチニキと言いつつ何も使えないわね」

「我らは皇帝の栄光を示す者。逆らう者は皆殺す」

「これだからオプリチニキは……

 皇女の出迎えでも準備なさい。その程度なら貴方達能無しでも出来るでしょ?」

 

 コヤンスカヤは殺戮猟兵を睨み付けると何処かに去っていく。その後を殺戮猟兵が続いて行った。

 

「どうやら、あの牝狐は敵に与していたらしいですな」

「彼奴が!」

「しかし、オプリチニキか……」

 

 そう言えば今そんなことを言っていたな。

 

「フェイカーは知ってるの?その、オプリンなんたらって?」

「オプリチニキ、日本ではオプリーチニキとも言われイヴァン雷帝が自身の直轄領、オプリーチニナを治めるために用意した部隊です。

 日本で言えば特高警察、ドイツで言えばゲシュタポに類する存在です。

 黒い服を纏い犬の首と箒を持っていたそうですよ」

「ん〜……あぁ!

 ゲートに出て来た!」

「げーと?

 以前にも出会ったことがあるので?」

「えっとね……」

 

 ゲート、とあるネット小説の説明を軽くしたところでフェイカーは成程と頷くだけだった。

 うむ。

 

「取り敢えず、先に向かいましょう。

 目的地は目の前です」

「そ、そうだね」

 

 フェイカーと共にダ・ヴィンチの工房に向う。入り口は巧妙に偽装されていたのでダ・ヴィンチが逃げ込んでなにかしたのだろう。

 もっとも視覚的なそれだけで元の位置さえ分かれば扉はすんなり開いた。

 

「ダ・ヴィンチちゃん!」

 

 中に入ると何時もどおりの笑みを湛えたダ・ヴィンチが待っていた。

 

「やぁやぁ!立香ちゃん!フェイカー!

 君たちならきっと助けに来てくれると信じて待っていた甲斐があったよ!

 ホームズとは出逢ったかい?」

「はい。

 格納庫に向かってます」

「よろしい。

 では行くとしようか。そうそう、君にこれを渡しておくよ」

 

 ダ・ヴィンチは一つのカバンを私に差し出した。

 

「これは?」

「これには君が今迄に契約した英霊達の霊基情報がコピーされているんだ。

 もっともマザーコンピューターをぶっ壊したおかげで情報はこれしか無いんだけどね」

 

 つまり此処にあるグラフがあれば何時でも任意の英霊を呼べるという事だ。

 そりゃ大事だね。

 

「重要な物ですね。

 警護を増やします」

 

 完全武装した日本兵が二人現れた。

 

「わぉ、聞いてはいたが生で見るとこれまた圧巻だね。

 コピーでも無ければゴーレムでもない。群であり個、個であり群とはまさにこの事なんだろう。

 同じ霊基でありながら同じ英霊では無い!ジャックちゃんとも違う!

 凄い事だよこれは!」

 

 ダ・ヴィンチが大興奮しながらフェイカーの周りをウロウロしだすので早く行こうと先を促す。

 

「おっと!そうだったね!

 管制室での戦闘は避けたい。今のカルデアスは少しの衝撃でもどうなるのかわからない。

 管制室を抜けたら最大戦速で格納庫に向かおうじゃないか!」

 

 こうして私達は格納庫を目指し道中フェイカーの一人無双で無事に格納庫に辿り着いた。

 其処には大きなコンテナがあった。

 

「戦車でも入っているのかね?」

 

 フェイカーが指を鳴らすと文字通り戦車が現れた。

 ゴツゴツとボルト留の装甲板に短い大砲がちょこんと乗ったかわいい戦車である。

 

「九七式中戦車チハだね。

 これも宝具かい?」

 

 ダ・ヴィンチが戦車の方へ行こうとするので襟首を掴んで阻止。

 

「似たようなものさ。

 さぁ、此処は我々が押し留めておく。マスターとダ・ヴィンチ殿は避難を」

「うん、ありがとう」

「君の仲間達は残しても大丈夫なのかい?」

 

 ダ・ヴィンチがふと戦車や重機関銃、大砲などが設置された陣地を見ながら告げる。

 そう言えばそうだ。幾ら群集体とは言えそこをはっきりさせないと撤退が出来ない。

 

「それなら問題無い。

 我々は群であり個、一人でもマスターの側にいれば後は草葉の陰に戻り、我々は1つになる。

 心遣い痛み入ります」

「便利、と言ってしまえば便利だが、まぁ、チートだね」

 

 ダ・ヴィンチが呆れたように告げるので私もそれに賛同しておく。

 私達の言葉を聞いたフェイカーは苦笑しながらノーコメントを貫いた。

 

「立香!フェイカー!ダ・ヴィンチ女史!

 早く中に!」

 

 外でまごまごしていたらムニエルが態々外に出て来て中に入るよう促してきた。

 確かに、我々は未知の敵に攻撃されているのだ。

 

「他の奴等は既に中にいる!

 後はお前達だけだ!」

「全員無事だったの!?

 流石ホームズだ!」

 

 名探偵の名前は伊達じゃない。

 

「ああ、西館に逃げて来た奴は全員助けれた筈だ!」

「西館に?

 東館の人達は!?」

「氷漬けにされちまってたらしい……」

 

 どういう事だ?

 

「敵のサーヴァントでありますな。

 我々も東館に向かった友軍が戦闘に入り氷に阻まれたところで氷漬けにされました。

 閉所では極めて不利です。開豁地にて遠方より迎え撃つが最適な対処法であります、マスター」

 

 無線を担いだフェイカーが私の隣りにいる将校のフェイカーに首を振った。

 

「第5次東館突入隊からの通信途絶。

 氷に関しても破壊する端から再生していくので進行出来ず、工兵隊の発破による突破許可が来ています」

「そんな事したら外壁に穴が空いて余計に混乱するだけだ!やめたまえ!」

 

 ダ・ヴィンチが慌てて告げると通信兵は発破は許可出来ないと告げた。

 

「そういう訳だ。

 今ここに居る我々だけでの出発だ!」

「先輩!早く行きましょう!フェイカーさんが持ちこたえている間に!」

 

 マシュも姿を見せた。

 

「わかった!今《誰かおらんのか!?》

 

 突如アナウンスが響きわたった。

 まだ生き残りが居たようだ。

 

「まだ生き残りが!」

「彼には悪いがもう時間切れだ!」

 

 糞!

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