シンフォギアBR、第3話をお楽しみください。
唱子がカフェ・シエスタに来てから3日。
彼女は今、店の手伝いに駆り出されていた。
「ショーコちゃん、ごめんね?」
「いいんですよ、ここにいるためですから……」
接客や珈琲の淹れ方までを教えているのは、月峯ナナミ。
本来ならばマスターが教えるべきだ、とは彼女の弁だが、居ない者は仕方がない。
新達も教えられない訳ではないが、今店にいるスタッフの中で、1番長く勤めているのは紛れもなくナナミだ。故に、白羽の矢が立ったのだ。
「ほらショーコちゃん、新しいお客さん! 行ってきて行ってきて!」
「……は、はい」
扉が開かれ、鈴の音が鳴る。
入ってきたのは胸元の開いたチューブトップが特徴的な赤毛の女性と、青いポニーテールが印象的な女性だ。
どちらもサングラスをしており、帽子を被っている。
「い、いらっしゃいませ……2名様、ですね」
「ああ、そうだ」
「此方の席へどうぞ」
唱子が言葉に詰まったのは応対の最初だけで、そこからは練習通りに出来ている。
「ご注文がお決まりでしたら……」
「ああ、もう決まってるんだ。話題のパンケーキを頼むよ、2つ」
「かしこまりました。『シエスタのこだわりパンケーキ』2つですね」
そう言って唱子が店の厨房に注文を伝えに行くと、ナナミが興奮して話しかけてくる。
「ちょっとちょっとショーコちゃん! あの二人、ツヴァイウィングだよ!」
「ツヴァイウィング……? ああ、最近ナナミさんがCDを揃え始めた、あの?」
「そうだよ! なんでここのお店に来たのかは分からないけどさぁ!」
心の声と口に出す声が完全に一致していて、2重で騒がしい。
「ショーコちゃん、パンケーキ上がったよ。持って行ってあげて」
「はい」
「ああ待って! お願いだから色紙も持って行ってー!」
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「って、言われるがままに持ってきたんです。お手数掛けてすみません」
「いいんだよ、あたしらもここで気づかれるとは思ってなかったし」
苦笑しつつ、ショーコが持ち出したサインペンで色紙に文字を書いていくのは天羽奏。
自分の分を書き終えると、ショーコに話を振ってくる。
「そういや、宛名はどうする?」
「……すみません。こういうのよく分からないので、お店の名前でいいですか?」
「分かったわ。『カフェ・シエスタへ』って書けばいいのね?」
「はい。ありがとうございます」
パンケーキを運んだトレーと色紙を持って厨房へ行くと、ナナミがまた話しかけてくる。
「ねぇ、これお店のだよね!? 私の分は!?」
「自分で頼んでくださいよ」
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ツヴァイウィングが去った後、額に入れて飾られたサイン色紙を後目に、唱子は買い出しに出ていた。
「確か、ガムシロップと牛乳を追加で買ってきて欲しい……だっけ」
そう言ってメモを閉じ、店に入ろうとする唱子。
しかし、ドアから入ることはなかった。
滲み出るように現れる災害。
即ち、認定特定災害こと、『ノイズ』である。
店からも何人もの人が飛び出してくる。唱子も人波に呑まれるが、なんとか体勢を立て直して逃走を図った。
「……」
しかし、現実は非情。
三叉路に差し掛かった瞬間、唱子の先を行っていた集団が、まとめて炭へと変化した。
「……」
胸に掛けられたペンダントがまた、語りかける。
──Gnitaheidr Gram von raxel tron
如何でしたでしょうか。
次回をお楽しみに。
PS
シンフォギアXV12話、最高でした