B級パニック映画系主人公アトラさん   作:ちゅーに菌

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橋を架ける蜘蛛

 

 

 

 オチマ連邦の北部の氷雪地域の一角。人里から離れ、草木もあまりないその場所には、空の果てまで通じているのではないかと思わせるほど長く、何らかの糸で作られた縄梯子のようなものが、地面から二本伸びていた。

 

 そして、現在はハンター協会のロゴが描かれた金属壁である程度囲われて立ち入りが禁止されており、この一帯も封鎖されている。

 

 その囲いの中に多数の機械機材と数人の人間がおり、そのひとりの白髪の老人男性――ハンター協会の会長、アイザック=ネテロが、長い自身の髭を触りながら興味深そうに、天に聳える糸を眺めていた。

 

 その糸はここ数日で、突如出現した謎の糸であり、人智を超えた強度と弾力と温度耐性を持っており、サンプルの採取が不可能だったため、その場で成分分析をしたところ、"蜘蛛糸"に近いが、ほとんどがオーラを含む未知の物質で構成された何かであった。更に糸の表面に見ているだけで、心が言いようもないざわつきを覚える暗く奇妙なオーラが薄くまとわされており、大多数の念能力者から見ても人間業ではないことを感じさせる。

 

(この世界の未知の物質か……その上、でけぇ放物線を描いて暗黒大陸の方向に張られてやがる。とすると、問題は"来た"か"帰ったか"のどちらかだな)

 

 しばらく糸を眺めていた会長は小さく溜め息を吐く。そして、自身の付き人を務めている者の名を呼んだ。

 

「"チィトカア"」

 

「はぁい! 会長!」

 

 チィトカアと呼ばれ、ネテロ会長の後ろに控えており元気のいい返事をしたのは、タランチュラに姿形が似た全長3mほどの神話のアラクネのような半人半蜘蛛の美女であり、淡い緑色の髪をしていた。

 

 彼女は女性用のスーツを着用しており、掛けられた眼鏡がどことなく知的な雰囲気を醸し出している。そんな彼女に対して――ネテロ会長は当たり前のような様子で、声を掛けた。

 

「何か情報はあるかのう?」

 

「えーと……オチマ連邦の砕氷船のスタッフ二人が暗黒大陸の方向から、オチマ連邦へ向けて移動していた空を駆ける蜘蛛を見たとの情報がありました。見ただけだそうですが、一応二人ともハンター協会の病院に搬送しました。命に別状はないそうですが、片方は軽いPTSDを発症していたそうで、現在は精神科に転院して、休養と薬剤調整のため入院中です」

 

「暗黒大陸から来た蜘蛛か……その上、見ただけでPTSDとは思わしくないのう」

 

「ちなみに話が聞けた方からの事情聴取から、糸と比べて考えられる大きさは全長約10m。情報を元に作成した絵は――このように」

 

 彼女がネテロ会長に渡した絵にはクロゴケグモに酷似した黒檀色で、複眼が紅色と黒色の二色に別れた色をしている蜘蛛が描かれていた。

 

「私が描きました。上手いでしょう?」

 

「はいはい、そうじゃな。他は?」

 

「ああん、冷たい。そうですね。興味深い事としては、蜘蛛と双眼鏡越しに目があったとき、深淵に引きずり込まれるような感覚を覚えたそうです。心的外傷を負った方もそれに近い言葉を言おうとしていましたね」

 

「深淵に引きずり込まれる……?」

 

 並みの表現ではなく、そう形容する感覚を実際に覚えたのだろう。だとすると、目を合わせることがトリガーの念能力を持っている暗黒大陸の生き物か。仮にそうならば、既に被害を出していてもおかしくはないが、現状の被害は軽いPTSDのみで、その後の足取りは不明。

 

 最悪の場合を想定すると、目を合わせることで、対象に何かを植え付け、時間経過によって発動する念能力を持っていることだろうか。

 

「二人の処遇は?」

 

「ええ、何かが起これば、いつでも処分可能です。とはいえ、貴重なサンプルですから、細心の注意を払っています。また、既に暗黒大陸を知るハンターには、蜘蛛の情報を流布しております。探知・捜索能力を持つ念能力者に細かな概要は伝えずに依頼もしていますが……暗黒大陸の生物のせいか、蜘蛛にそれをはね除ける念能力があるのか、結果は芳しくありません」

 

「そうか。ならばよい」

 

 ひとまずは今打てるだけの手は全て打っているということだろう。ネテロ会長が現地に来たのは今日だと言うのに、とんでもない根回しの早さと言えるだろう。後は情報規制ぐらいのものだが、この分では言う必要もないとネテロ会長は判断した。

 

「そういやお前さん――」

 

 一旦、暗黒大陸の蜘蛛のことは置き、チィトカアと呼んだ半人半蜘蛛の頭から臀部の先までゆっくりと見つめ、ポツリと呟いた。

 

「ビーンズくんとは仲良くしているかの?」

 

「も……もう、何言ってるんですか会長!」

 

 チィトカアとは記録が正しければ、500年代に暗黒大陸からこの世界にやって来た"亜人種"である。また、暗黒大陸に人間が行くに当たり、"案内人"も務めており、ハンター協会や世界各国とは切っても切り離せない関係にある。

 

 種族としての最大の特性は、全てのチィトカア個体は精神及び記憶を共有し、特殊な共同意識を持つ生命体であることだ。すなわち、チィトカアという種族全体でひとつの個体となっており、世界中に散らばることで巨大な生体ネットワークを構築している機械的な生物なのである。よって、チィトカアは少なくとも人間と交わってからの約1500年分の記憶全てを保有しており、生きるデータバンクと言っても遜色ない。

 

 しかし、個性がないというわけでなく、微妙に性格が異なるため、趣味・趣向や異性の好みなどが個々で違い、好きな職に就いたり、現地の人型の生物と結婚をして家庭を築くこともある。

 

 ある意味、過酷極まる暗黒大陸の環境で、個を捨てつつも最低限の個を保ちながら、種族として生きるための究極体と言っても過言ではない進化を遂げた生物だろう。尤も何よりも恐ろしいのはチィトカア"本来の繁殖方法"なのだが。

 

 一般には人間に極めて近い魔獣と流布されており、チィトカアもそれに従って行動している。しかし、懸念点としてはふたつあり、ひとつはチィトカアが数千年どころか数十万年、下手をすると億年単位の記憶を有していることが考えられ、人間側に全ての情報は明らかに開示していないこと。ふたつは実質上秘匿の匙加減が全て、チィトカア任せになっているため、とんでもないリスクを孕んでいることだろう。しかし、ハンター協会が影も形もない、約1500年前から共存している生き物のため、信用せざるをえない状況だと言うこともある。

 

 しかし、既に人間の世界へ蔓延したチィトカアと事を構えるよりも、利用し、利用されつつ共存することがより大きなリターンに繋がると現在まで判断されているのだ。それにそもそもチィトカアにとって人間とは、所詮メビウス巨大湖の中央で外界からの関わりを受けずに過ごすだけの種であり、全く重要視していないことも、逆に信用に足る理由として挙げられる。

 

 彼女にとっては、人類など長過ぎる記憶のページの端に書かれた落書きのようなものだとしても、ハンター協会のいちハンターとして、それを理解した上でネテロ会長は憂う。

 

「旦那様を愛するのは当然じゃないですか! もう、三児の母ですよ私! ニヘヘ……」

 

 チィトカアはふとした軽口に頬を赤く染め、幸せそうな反応を見せる。しかし、己が言わずとも既にほとんどのことを終わらせ、清濁関わらず仕事をこなせるほどまで有能でありながら、まるで腹のうちを見せない。

 

 チィトカアの内に秘める感情や奥にある思考を想像するだけで、吐き気を催しそうだと。質の悪さだけならば、五大災厄など足元にも及ばないだろう。

 

 ネテロ会長に言わせれば、彼女は"生きる蜘蛛の巣"そのものだ。あらゆる場所や文明に対して勝手に拡がっていき、自らの糸を張り、生き易い環境を構築し続ける。

 

 ならば問題は誰にとって生き易い環境を作り上げたかということだろう。例えば、蜘蛛の巣の上を歩く蜘蛛――チィトカアの主がいるのではないかと考えることも自然というものだ。

 

「……そうじゃな。ふむ……大したことではないんじゃ。忘れてくれ」

 

「うふふ……変な会長ですねぇ!」

 

 手を口元に当て、可愛らしく笑うチィトカア。仮にチィトカアに主たる蜘蛛が、今回こちら側に来た蜘蛛ならば、1500年も前からチィトカアはこの日を計画し、待ちわびていたことになる。それならば、元より決して人間と相容れるような精神構造ではないだろう。そして、世界中に広がり、今の今まで人間に対して友好的だったチィトカアが、人類に対して、一斉に牙を剥く理由にもなり得る。

 

「あっ! そうです会長!」

 

 パチンと手を叩いて鳴らしたチィトカアは、それまでの笑顔をより強め、少しだけ薄目を開きながらネテロ会長だけに聞こえるような小さな囁きでポツリと呟いた。

 

()()()()は私の知り合いなどでは決してありませんよ……知り合いでは、ね……」

 

「誰も聞いとらんわい」

 

 ネテロ会長はいつものように素っ気なくチィトカアに返事を返す。そのたった一言と、これまでに見せたことのない色を宿した瞳をしていることで、答えなど決まったようなものだが、彼はそれ以上の言及は一切せず、特に誰かに指示を出すこともなかった。

 

(それなりに捜索はしつつ、発見しても向こうから目に余る被害を出さぬ限りは観察に留める……こやつの様子を見るに、その辺りの対応が妥当じゃな)

 

 ハンター協会の創立以来、なぜか実権を握るような高職には決して就かず、雑務担当や高職の秘書として、何代も代替わりをしながら勤めてきたこの暗黒大陸の怪物には"ある程度好きにやらせておく"ことこそが、最善策なのである。ある意味、最も人類を脅かしている存在でありながら、如何なる災厄よりも対応が簡単ということは一体なんの皮肉であろうか。

 

 そして、結果として、人類圏にいるチィトカアの総数は"十万体"前後で数百年間安定しており、全ての個体の居場所はハンター協会とV5が把握している。また、人類に対して、ほとんどはメリットしか生み出していない。

 

 尤も彼がどれほど考えようと、そもそもの発端は彼が生まれるずっと前に人類が、チィトカアを拒まなかったことから全てが始まっている。端から彼が個人でどうこうできる問題の範疇を超えていた。

 

(だが――)

 

 己の役職を切り離し、彼はただひとりの念能力者として純粋に考える。

 

 かつて彼は私的に暗黒大陸に行ったとき、その入り口から見えた過激過ぎる弱肉強食の景色を見たのみで、武術家として失望し、敷居を跨ぐことさえなかった。しかし、それは半分は間違いだったと言えるだろう。もし、その環境を意に介さず、一個体で頂点に君臨するような知的生命体が存在し――。

 

 そして、仮に念能力でもなんでもなく、高高度からのただの視線のみで対象の心を折れるだけの超越した念能力者ならば――。

 

(つえーんだろうなぁ……そのアトラって奴はよぉ……)

 

 彼は外の世界からの新たな来訪者に、久しく忘れていた血が騒ぐ感覚を思い出していた。

 

 

 

 

 

 その後、蜘蛛の捜索は多数のハンターを動員して行われ、いくつかの目撃証言からルートが予測された。その結果、"くじら島"と呼ばれる島に滞在していることが判明し、ハンター協会が関わったハンター全てに箝口令を敷いた上で、観察対象となる。

 

 だが、そのまま一年の歳月が過ぎようとも、くじら島にいる人間に対しては明確な攻撃行動など一切確認されておらず、逆に幻獣ハンターから見ても"行儀がよい"と呼べるだけの利口な行動を取るだけであった。また、現状の段階で唯一蜘蛛と直接目を合わせた二人に変調もない。

 

 しかし、揺れぬ水面のようなあまりにも生物らしからぬ静寂さと、非常に知的な行儀のよさが、かえって警戒を強め、底の見えない何かを人間は恐れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ち、ちくしょう……なんだってこんな!?」

 

「いいから走れ!」

 

 くじら島の尾に当たる場所の深い森。まだ辺りは朝靄に覆われ、視界のよくない時間帯にも関わらず、猟銃を装備した数人の男達が海岸へと向かって駆けていた。

 

 男達は一様に酷く怯えた表情をしており、何かから逃げていることがわかる。

 

 彼らは陸上の大型動物を主に狙う密猟者であり、くじら島に棲息しているこの国の固有種であるキツネグマを密猟しに来たのであった。

 

 そして、彼らを湿った目で見つめるだけで動かない"化け物"と、化け物の脚を抱き枕代わりにして眠っているキツネグマを見つけ――彼らはより稀少で利益になり得る化け物を一斉に銃撃したのである。

 

 結果として、彼らは既に来た当初の半数まで人数を減らし、撤退を余儀なくされていた。

 

「ヒィ!? 助け――」

 

 そんな中、朝靄に浮かぶひとりのシルエットが、引き込まれるように不自然に森へ跳ぶ。残りの男達は目もくれずに走り続けると、後方でぐしゃりと何か柔らかいものが噛まれ、咀嚼される音が響き渡る。

 

 その上、どれだけ走ろうとも決して音源は離れず、喰われながら死んでいない者の絶叫が絶えず聞こえる。そして、それが無くなると次の男が拐われるということが繰り返されているのだ。

 

 既に男達の頭の中には、密猟者としての下世話な優越感はどこにもなく、ただ得体の知れない恐怖に塗り潰されていた。

 

「やった……! 海岸だ!」

 

 ようやく男達は海岸に辿り着く。その頃には彼らの人数は5人まで減っていた。そして、僅かな安堵を覚えながら――。

 

 

 

 自分達が乗ってきた大型クルーザーが、陸地に張られた巨大な蜘蛛の巣に引っ掛かって宙に浮いている光景が広がっていることを認識した。

 

 

 

 男達はあまりに異様で、現実味のない光景に言葉を失って放心する。そして、そんな彼らの背後の森から化け物――全長10mほどの巨大な蜘蛛のような生物が姿を現した。

 

 10mといえば、クロコダイル科のワニの平均全長約4mであり、単純に比較すればジャポンの平均的な電信柱の高さが約10mから12.5mと言われているため、虫としては規格外の大きさであることが窺える。更に蜘蛛は上から見るとほぼ円形のため、想像以上の質量からくる威圧感を放っていた。

 

 大蜘蛛は丸太のように太い脚をゆっくりと動かしながら、徐々に男達へと迫る。

 

「う……ぅぁ…………わぁぁぁぁぁ!!!?」

 

 そして、高まり過ぎ、遂に振り切れた恐怖はひとりを狂わせ、抱えていた猟銃を大蜘蛛の顔に目掛けて撃つ。それを皮切りに他の男達も最後の抵抗とばかりに銃撃した。的確に銃弾のほとんどは大蜘蛛の頭部へと命中する。

 

『――――――』

 

 しかし、大蜘蛛は猟銃の弾丸を顔面どころか、眼に着弾しているにも関わらず、金属に当たるような異音と共に、逆に銃弾が砕け散り、まるで効いている様子はない。その様は男達にとっての化け物以外の何物でもなかった。

 

 大蜘蛛は銃弾の衝撃すらあるような様子もなく銃弾を受ける最中、上顎が開き、口内で白い光のような何かが収束して射出される。

 

 それはさながら白い光線であった。男達へと横一線に放たれた白い糸は異様な切れ味と破壊力を持ち、容易く男達の体を引き裂く。その上で勢いを全く失わない糸は背後の砂浜に着弾し、高い砂柱を巻き起こした。

 

「ひ……ひぃ……ば、化け物……」

 

 砂柱が晴れると、そこには頭部や胴体を糸が通り過ぎて死んだ四人の死体と、奇跡的に糸を避けた男が怯えきった様子で、それでも這いながら大蜘蛛から逃げようとしていた。見れば彼は足に糸を受けたようで片足の膝から先、もう一方の片足の足首から先が無くなっていた。

 

「た、頼む……ゆるしてくれ……も、もうこんなことはしない……だから――」

 

 それに対する蜘蛛の答えは、実に自然界の上位者らしいもの――捕食であった。

 

 背中に大蜘蛛の鎌状の鋏角(きょうかく)に突き刺された男の小さな悲鳴は、すぐに声にならない悲鳴になった後、ただの肉と骨と皮の塊へと変わり、しばらく咀嚼した後に飲み込まれる。

 

 生きていた最後のひとりを食べた大蜘蛛は、溜め息を漏らすように頭部を小さく上下させた。

 

 

 

(やっぱり薄い味ねぇ……全然見掛けないし、ひょっとして、この世界の生き物って"生命力"をろくに扱えないのかしら?)

 

 

 

 大蜘蛛――アトラは味気ない食事にそんな感想を抱いた。しかし、殺したものは食べることをポリシーにしているため、辺りに散乱する死体を全て平らげる。

 

(ごちそうさまでした……ん――)

 

 アトラは自身が糸で吊るした彼らの大型クルーザーを眺め、少し考えた後、ふと思い立ち、大型クルーザーの真下に移動した。

 

 すると煙のように糸が消滅し、重力に従って大型クルーザーはアトラの背中へと落下する。そして、当たり前のように彼女は大型クルーザーを頭胸部と腹部で受け止めた。さながらイソギンチャクを背負うモクズショイのような光景である。

 

(これお金になるかしらね? ミトのとこに持って行きましょう)

 

 思い立ったが吉日とばかりにアトラは丸っこい背で器用にバランスを取りながら、知り合いになった人間の元へと向かうことにするのだった。

 

 

 

 







Q:アトラさんってどんな奴なの?
A:性格アシダカ軍曹、見た目クロゴケグモ、毛深さタランチュラ(矛盾塊)。友好を結ぶとなつく。

Q:チィトカアさんたちってアトラさん以外に何か隠してるの?
A:仕事に私情を挟まず、プライベートと仕事は切って考えているだけです。チィトカアにとっての仕事とは無論、アトラク=ナクアに仕えることです。

Q:SCPのクラスで例えるとアトラさんとチィトカアってどのぐらい?
A:チィトカア→keter(Explained) アトラク=ナクア→Euclid(Apollyon or Thaumiel)


アトラク=ナクア その2
・念能力
蜘蛛糸・大化生(ねんし・だいけしょう)
 操作系念能力。自由に糸を操作し、投げれば荒縄、振るえば剣、飛ばせば弾丸、編み込めば盾となり、空間に対して直接貼り付けることも可能。更に対象に糸を突き刺すことで自由に操作もできる。応用として、自身に糸を突き刺してまとわせることで、肉体そのものを操作し、他の生物に擬態することも可能だが、窮屈なのであまりしたがらない。衣服も自前の糸で作成できる。尚、擬態している場合、全身が糸に包み込まれていることになるため、あらゆる箇所から全く制限なく攻撃や防御が可能となる


チィトカア その1
 アトラク=ナクアの念能力によって生み出される神話のアラクネのような姿をした奉仕種族。全てのチィトカア個体は精神及び記憶を共有し、特殊な共同意識を持つ生命体であり、チィトカア全体でひとつの個体となっており、世界中に散らばることで巨大な生体ネットワークを構築している機械的な生物。しかし、個性がないというわけでなく、趣味・趣向や異性の好みなどが個々で違い、好きな職に就いたり、現地の人型の生物と結婚をして家庭を築いたりしている。誓約なのか、奉仕種族として造られた割には主に対する態度が慇懃無礼(いんぎんぶれい)


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