Re:START of “DECADE” ~輝きの世界より~   作:私だ

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Ep.29:「世界、支配 ~DARK~」

「『仮面ライダー』…人間の自由と平和の為に悪と戦う戦士達の総称、とでも言っておこうか。」

 

 士が掌を翻すと、メンバーの回りに次々と小さなオーロラが現れ、様々な仮面ライダー達の映像が流れる。

 40にも迫る数の仮面ライダーと名が付く者達の姿が辺りを覆い、メンバーはしどろもどろとするばかり。

 

「あっ、あれって…!」

 

 するとルビィがとあるライダーの姿を見つけて声を上げる。

 1台のバイクを駆るライダーが灰色のオーロラを突き破り画面を横切る。

 すると同時に9人の異なるライダーの姿が次々と画面に浮かび上がる。

 そしてその9人のライダーの姿を背景に表示された、“通りすがりの仮面ライダー”の名は…。

 

「あれは俺だ、そいつじゃない。」

 

 “仮面ライダーディケイド”であった。

 しかし画面に写ったディケイドの姿は千歌達の知るツカサの変身したそれと酷似していながらも、全く別のものであった。

 ツカサの変身するディケイドは、()()()()()()()()()()()()()()

 

「我ながら今まで軽々しくオリジナルだのリ・イマジネーションだの言っていたが、実際にそういった事象に干渉出来る奴はごく僅かだ。」

 

 すると士は展開させていたオーロラを全て閉じ、代わりに懐から1枚カードを取り出す。

 ディケイドの姿が描かれたカードだ。

 

「そんなごく僅かの内の1つが“ディケイドの力”だ。ディケイドには世界の壁を超え、世界に干渉する力が秘められている…それを使えば本来誰も入り込めない物語の中に介入し、思うがままに物語を破綻させる事が出来る。」

 

 だが実際のディケイドという存在は()()()()()()()()()()…。

 世界を破壊するという事実でさえ十分であると言うのに、士はさらにディケイドの本質をツカサ達に説明し始める。

 “世界の破壊者”たるその力の、本当の姿を…。

 

「元々ディケイドというのはある強大な悪の組織が作り出した物だ。その目的はただ1つ…“世界征服”だ。そしてディケイドにはそれを為す為の使命が与えられた…つまりディケイドの本来の力は世界を“破壊”するものじゃない、世界を“支配”するものだ。並み居る敵を尽く屈し、あらゆる世界を手中に収める…その為に世界を構成する物語に介入し、物語を破綻させ、しかしその破綻させた物語こそが正しい歴史なのだと強い意思で以て支配する事で、それを世界に認めさせる…かつてのディケイドの在りし姿、お前が使っているのはその力なんだよ…なあ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の支配者、“ダークディケイド”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダーク、ディケイド…!?」

 

ダークディケイド…それはかつて強大な悪の組織が開発した、世界征服の為の力。

 

 

 

 

 

「それがお前の正体だ。」

 

 かつてその存在そのものであった士が拒み手放した、ディケイドの本来の姿。

 

 

 

 

 

「世界の…支配者…!?」

 

 それがツカサの持つ力の正体。

 そして、ツカサという男の正体だ。

 

 

 

 

 

「この世界の物語が変わった理由…それは世界の支配者たる力を持つお前が物語に介入したからだ。このまま事態を放置しておけば、いずれこの世界の中心はお前になる…お前の自由気ままに世界は形を変え、他の存在に影響を及ぼす。崩壊以上の、未知の影響がな…。」

 

 どうだ、全てを知った感想は…と、わざとらしく腕を拡げながら問い掛ける士。

 それに対してツカサは初めこそ話の内容の衝撃に声を出せずにいたが、次第に身体をわなつかせ声を張り上げた。

 

「だからって…だからって!!それで何がどうなるってんだ!!世界の事なんて…俺には…俺達には関係無い!!俺は…!!」

「そいつらと共に居るってか?」

 

 しかし最後の一言を取られてしまい、張り上げた声は一気に収束してしまう。

 そんな彼の意見を聞いた士は分かってないなぁ…と溜息を吐くや、また掌を翳す。

 するとツカサとAqours9人との間にオーロラが現れ、それが壁の役割を以て彼等を引き離した。

 

「ツカっち!!」

「皆!!」

 

 灰色の壁を強く叩く。

 しかしその壁はとても強固で破れそうも無い。

 ツカサはその元凶である士の方を見るや、一体何をと彼を睨み付ける。

 だがそうやって睨み付けたのは士も同じであった。

 

「『ラブライブ!サンシャイン!!』…お前がこの世界を求めているように、どこかの誰かもまた、この世界を求めている。それは決して汚す事の許されない、高嶺の花…。」

 

 お前はそれを汚したんだ…と言って睨む彼の視線は尋常なものでは無く、それを真っ向から受けたツカサはもちろん、その対象となっていない筈のAqoursのメンバーも思わず萎縮してしまう程であった。

 

「被害に遭っているのはここを起点にしたリ・イマジネーションの世界だけじゃ無い…この世界を知る誰もがその被害に遭っているんだ。それをお前1人の“輝き(穢れ)”の為に野放しにする訳にはいかない…。」

 

 彼はそう言うと懐からネオディケイドライバーを取り出し、それを腰に着け…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この世界を…“破壊”する。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カードをドライバーに挿入した。

 

 

 

 

 

KAMEN(カメン) RIDE(ライド) DECADE(ディケイド)

 

 

 

 

 

 そしてベルトのバックルが閉じられ、彼の姿が変化する。

 “世界の破壊者”、ディケイドの姿だ。

 

「ふざけるなよ…!」

 

 対してツカサもまた自身のベルト…“ダークディケイドライバー”を取り出し、腹部に当てる。

 ベルトが巻かれ、腰には専用のカードホルダー…“ダークライドブッカー”が備え付けられる。

 

「俺は…俺は負けない!!」

 

 彼はそこから1枚の“ライダーカード”を取り出し、そして…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「変身!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベルトに挿填した。

 

 

 

 

 

KAMEN(カメン) RIDE(ライド) DECADE(ディケイド)

 

 

 

 

 

 現れる幾つもの幻影…それらがツカサの下に1つになる時、彼は異形たる仮面の戦士へと姿を変える。

 世界の支配者、ダークディケイドの姿へ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相対する士とツカサ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 望む破壊者たるディケイドと、望まぬ支配者たるダークディケイド。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どちらが正義で、どちらが悪か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ツカっち…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語の完結まで、残り僅か…。

 

 

 

 

 




仮面ライダー界のカリスマ的存在である武田 航平氏がご結婚されたそうで
御相手は松山 メアリ嬢…知っている人からは所謂“特撮婚”として大いに祝福を受けているそうな
私もそんなウォズ軍団の中に入りたいという事でこの場を借りて一言…

御結婚、おめでとうございま~す!!

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