アレ、これ前も言ったような……ちなみに終わったというのは絶望的なわけではありませんのであしからず!
あと、pixivに投稿するの止めてこっちだけにします(多分)
桜が散った。
いや、なんだか思わせぶりな導入ではあるけどそんなこと全然無い。これっぽっちの伏線とかも考えてない。面倒だし。
ただ単純に、桜が散っちゃったなぁって。
ただ単純に、葉桜の季節になったなぁって。
そう思っただけ。
そう思っただけ。
大切なことなので二回言ったけど何がどう大切なのかわからない。
所謂ノリだコレェ!
まぁ何を言いたかったかというと、年中眠ることしか考えてなかった僕としては、こうして日本に来てはや一ヶ月経過し、教師として未だに僕自身が教鞭を取ったことがないにも関わらずかれこれ十数回の講義を無事に終え、生徒達も少々難はあれど着実に覚え始めてきていることに関心を抱かずにはいられなかった。
すごい。うんすごい。
これはもうアレかな、僕ってばいらない子なんじゃね?
だって大概のことは式にしている十天君達にやらせてるし。
性格と容姿、加えて本人の言動に難ありと陰陽塾からもティーチャーストップを頂いている王天君を除く九人にはローテーションで三学年の講義を任せている。一学年三人で担当し、式としての通信は常に僕という回線を通してON状態だから情報共有が出来る。ここ最近はよく僕の夢の中に来てまで職員会議をやるから五月蠅い。別にマンションワンフロア貸切なんだからそこでやってればいいじゃないか、と思うのだがそう言うと皆こぞって笑い出す。解せぬ。
ていうか、
もっとツッコむと
どこがだよ。
じゃあお前がやれって? お、おおおおお落ち着けよ、なぁ?
僕主人。分かる? うん良し。
君達式。分かる? うん良し。
分かりきってることだよね! 式は主に忠義を尽くすんだよ! つまりつまりぃ? 授業方針は口出ししないからみんながやってってことなの。分かるよねこの理論。
……え? 崑崙山Ⅱからビデオレター? ああだから今日はマンションでやってるんだね。いつもここでやれよ。
さて、だーれかなだーれかな。母さんだったらいいなぁ~。はぁ、またあの谷間に埋もれて寝たい…え? 何巨乳好き? んなアホな、母さんは4000年経っても未だに母性溢れるお方なんだぞ。未婚だけど。
シスコンなクソジジイのせいでいつまで経っても嫁にいけない…なんて可哀想なんだ母さん……。
お、映った映った。封神台のぬらりひょんじゃん。何仕事サボってビデオなんか撮ってんだよオラ辛らつな鬼獄卒にでもしょっ引かれてろよ………え?
……はぁ? 生徒と交流持たないと魂魄引っこ抜くぞって……え、あ、おいおいおいやめろ、やめろぉ!! 関係ない生徒巻き込むなよなぁおい!? あ、その娘ダメダメダメダメだから僕が狙ってるから、空間挟んで腕ちょん切るぞてめぇ。
そういえばこれビデオじゃん、いかんいかん平常心を……あ? 千里眼で見てた? うん今度中国に帰ったら額の千里眼潰すからなぬらりひょん。
と、いよいよ僕のぐうたらな教育指導にも目を光らせ始めたみたいなので。
※ ※ ※
「は、はじめましてっ」
「あぁうん、はじめまして」
ちょっとお昼の時間に一年生に会ってみた。
一応講義では僕を媒体に十天君達が立ち会って講義を進めているんだけどね、こうして面向かって話すのは初めてか。
生身の肉体に『安眠スーツ』を着込んでその上に呪術で普通の姿に見せている上に、そもそも仙人だから飲食を必要としてないから僕には何もいらないんだけど、相手が食べてて僕が食べないっていうのもアレだからね。食堂のメニューを適当に頼んで座っている。
目の前にいるのは、眼鏡を掛けた気弱そうな男の子だ。
たしか名前は――そうそう、
「
「はっ、はい! 名前を覚えて頂けて光栄ですっ」
「え? なんで?」
「え?」
いきなり『光栄』だなんて言われて聞き返すと、天馬君は不思議そうにこちらを見上げた。
ん、なんか悪いこと言ったかな? 日本に来た最初の頃は目上の人や講師陣なんかに特に言葉遣いに気をつけてたせいで若干コミュ症だったけど、よくよく考えれば同僚って訳だし、生徒なんて教えてる立場なんだから蓬莱島にいた連中と同じ感覚で話せばいいってことだよね。
「なんで光栄なの?」
「だ、だって…天下の中国道教界の総元締めこと〝太上老君〟様ですよ!? ボク等陰陽塾の生徒が話せないような偉い地位に就いている方と話せるなんて…! ボクの家なら末代まで自慢出来ます!」
そんな大層なことかなぁ。
「あー…別にいいよ、そんな身構えなくて」
「えっ、でも」
「教師命令。ダメ、絶対」
「ブフッ」
あ、吹いた。
「げほげほげほっ…! す、すみません見苦しいところを…!」
「いやだからいーんだって。別に権力を拳みたいに唸らせる気はサラサラ無いし、今日は天馬君とは生徒として……いや、これから仲良くなる友人として接したいと思ってるんだよ」
「ボク…が…!?」
なにそのショッキングフェイス。若干傷付くんだけど。
「そう、天馬君が」
「いやいやいやいやいや! ボクなんて落ちこぼれよりももっと優秀な人は沢山いますよ! それになんでボクなんかが…!」
「一番最初に目が合ったから」
「え」
「ホラ、最初の授業の時。一番最初に目が合った」
そう、別にただ適当に指名したわけではない。
袖すり合うも他生の縁。
あの時目が合った三人は、何かがどこか違うと思った。もももももも勿論最後の栗毛巨乳ちゃんこと倉橋さん(あとで塾長に教えてもらったらえもいわれぬ呪気に充てられたが)は故意じゃないよ? そう故意じゃない!
兎に角。
最低限、僕の目に留まった三人だけは、最低限気軽に話せるくらいの交友関係でも持っていたい。二番目の子は、半分は別の意図が含まれそうだけど。
「無論僕の思い過ごしかもしれないけど、天馬君が僕を誰よりも初めて僕という存在を捉えたんじゃないかな。ただそれだけ」
「そ…それだけ…?」
「あとは、単純に仲良くなれるかなって思ったからかなぁ、そこまで萎縮しなくていいよ。僕だって〝太上老君〟なんて大層な位に就いたのはここに来る数週間前なんだから」
「そうなの?」
うん。そうなの。
段々話がノって来たので(いいノリだ)この際だから遠慮無くぶちまけた。そう、怠惰で安寧な生活を悉く打ち壊されるまで、その一幕を。
まるで愚痴のように話していると、天馬君も僕の生態系に呆れ返ったり災難そうに憐憫の眼差しを向けてきた。
「……ま、そんな感じで陰陽塾へ来たってわけ」
「へぇ…そんなことがあったんだ。
なんとか、お互いタメで話すことはできたっぽい。ただ僕が語った体験談は一部、内容的に機密らしいところもあるのでそこは上手く伏せておいた。バレては不味いこともあるからね。
中国リスペクト精神でもあるのか、天馬君はチャーハンの最後の一粒を食べて水を飲むと、最初から比べれば緊張で硬かった表情は解れてほっこりした顔になってる。
「でもそんな急に講師になれて大丈夫だったの?」
「講義内容のこと? あぁ、いまやってる段階なんて
「えっ!? 嘘!?」
「ホントホント」
タブンネ!
確かに僕は生まれてから十数年程度だし、オマケに本来道士の魂魄に蓄積されるはずのいままでの記憶もスッカラカンだったけど、知識量と精神的経過年数だけなら封神台のぬらりひょんより明らかに上なんじゃないかなぁ。世界が軽く何度か滅んでる感じだし。
「いまは十天君…式達にやらせてるけど、そろそろ誤魔化しが利かなくなりそうだから、嫌々だけど僕が教鞭を持つことになるかも。やだなぁ」
「十天君って講師やってた方々だよね、奕杜君の式神なんだ。十体も使役するなんて凄いなぁ」
「使役っていうより…友達感覚かな。家に帰ったら普通にPS4とか人生ゲームとかジェンガとかやってるし」
「ゴメン、古いのか新しいのかわからなくなったかも」
「未来に生きてる日本人の文化に触れればそーなるって」
「よくそれ言われるよね…」
「こっちじゃ精々トランプとか麻雀とかヤギの積み骨とかそういう遊びくらいだし」
「最後のすっごく怖いんだけど!?」
「いや、遊牧民族結構多いから割とこっちじゃ普通だよ? あとベーゴマ」
「…カルチャーショック? ジェネレーションギャップ?」
「どっちもなんじゃないかな」
4000年は生きてる訳だしね。
「いやぁ天馬君と話すと楽しいなぁ! 軽く眠気が吹っ飛ぶよ」
「ホント?」
「うん、一月寝た後の爽快感みたいに…ぐーっ」
「あ、寝てる」
てなわけで、原作でも天然眼鏡な天馬君に来てもらいました
え? 主人公が結構働いてる? そんな馬鹿な(汗)
これがあと二回くらい続いて漸く原作時系列第一巻相当になります
感想、誤字訂正よろしくお願いします!