ストライクウィッチーズ~約束の空~   作:カメクリオ

17 / 57
今回いつも以上に文章に自信がありません。
もし変に思うところ、こうした方がいいと思うところがありましたら遠慮なく教えてください


第十七輪 嵐の前の静けさ

洗濯当番だった宮藤とリーネが食堂に入るとハルトマンやシャーリーたちが座って卓上に目を向けている光景が目に入った。

 

「皆さん何を見てるんですか?」

 

「今朝出た新聞だよ。ほら、これ。見てみろよ、面白いのが載ってるぞ」

 

気になって訊ねた宮藤にシャーリーが机の上に広げていた新聞を手渡す。一体何なのだろうと紙面を見てみると宮藤とリーネは「あっ」と同時に小さく声を漏らす。

それはパ・ド・カレーでの戦いでの記録が記されていた。

 

だが二人の目を引いたのはそこではなく別の部分

『ウィッチすら苦戦する新型ネウロイを単独撃破』『人類の新たな希望の魔法使いウィザード現る』…という見出しと複数の写真。

写真にはそれぞれウィザードに変身する瞬間のソーマ、空中で蹴りを突き出すハリケーンスタイル、格闘戦を繰り広げるランドスタイル、銃を構えるフレイムスタイル、剣を握りケンタウロスネウロイを切り裂くウォータースタイルの姿が映っていた。

 

「この写真、これってこの間の戦闘の時の」

 

「ウィザードって、ソーマさんのことですよね。すごい、こんなに大きく取り上げられてるなんて」

 

新聞の内容を隅から隅まで事細かに読み進めながら宮藤とリーネはそれぞれ言葉を漏らす。

 

「でもなんか納得いかないんだよねー。なんか全部ソーマのおかげ!みたいな感じでさ、私たちだって戦ったのに」

 

一方でハルトマンが少々不満の色を混ぜてぼやく。

 

問題のケンタウロスネウロイを倒したのは確かにソーマだが、ハルトマンたちがまるで歯が立たなかったわけではない。むしろ撃墜数で言えば彼女やバルクホルンの方がずっと上であり、今回の戦いでも凄まじい戦果を上げておる。

にも関わらず誌面の文章はウィッチの功績には誰一人として一切触れずソーマを、ウィザードの活躍を褒める内容ばかり。ハルトマンでなくとも仲間に不満はなくともこの記事の内容には何か一言言いたくもなるだろう。

 

共に戦いに参加したペリーヌも多少なりともハルトマンの言い分に同意しつつも彼女とは別に気になる点があった。

 

「そもそもこの写真はどうやって撮られたのです?これだけ鮮明に撮影された写真、相当近くにいなければ取れるものではありませんわ。しかも何枚も」

 

ウィザードの写真は動いている瞬間は多少のブレがあるが、どれもあまりにもくっきりと姿が映されている。

これだけの質の高い写真を撮るにはペリーヌの言うように戦場にいなければ決して取れないはずだ。

 

「あの時私たちの周りに誰もいなかったよね」

 

「うん、もし人がいたならミーナ中佐が気付いてただろうし、その人が戦いに巻き込まれないように私たちに指示を出してたと思うよ。だから私たち以外の人はいなかったはずだよ」

 

戦場にはミーナがいた。

空間把握の能力を持ち、戦況を冷静に分析する視野を持つミーナが非戦闘員に危険が及ぶ状況下でその救助をネウロイの撃破より優先するはずがないと、宮藤に目を向けながらリーネは指摘する。

 

「でも実際写真が何枚も撮られてこうやって新聞に載ってる…妙な話だなぁ」

 

二人の会話から生まれた疑問にそう何気なく言葉を溢すシャーリー。

宮藤もリーネも戦場の風景を思い浮かべながら考え込む。けれども納得できるような答えは一向に出てこなかった。

 

 

 

執務室でもまさに宮藤たちがしていたのと同じ議論が交わされていた。坂本が椅子に座るミーナの真横に立ちながら新聞を眺めるミーナに意見を問うた。

 

「どう思う?」

 

「不自然だわ、内容といい写真といい何もかも」

 

「お前もやはり同じことを思っていたか」

 

返ってきた答えが自分と一致していたことに満足した坂本は腕を組んで話を進める。

 

「嫌な風が吹こうとしている、我々の知らないところで良からぬ何者かの作為が働いているような、そんな気がしてならない。私の思い過ごしでなければいいんだが」

 

神妙な表情の坂本。暫しじっとウィザードの写真に目を落としていた彼女だがふと何かを思い出して顔を上げる。

 

「そういえばソーマはどこにいるんだ?今日はまだ見てないが」

 

「今朝方バルクホルン大尉とロンドンに向かったわ」

 

「ロンドンに?」

 

「バルクホルン大尉の妹、クリスさんの意識が戻ったと連絡があったの。そのバルクホルン大尉の付き添いでね。最初は彼女、ストライカーで行こうとしていたのだけどさすがに私情でのストライカーの使用は認められないでしょう?…そうしたら彼、自分がバイクで送っていくと志願してくれたの」

 

「なるほど、それでか」

 

ミーナから経緯を聞いて坂本の頭にはその時の様子がいとも簡単に浮かんだ。そして同時に薄っすら微笑みを作った。

 

(それはぜひ見てみたかったものだな)

 

軍事機密であるストライカーを私用で使おうとするバルクホルン、それを止めるミーナとバルクホルンに苦笑しながも自ら代案を申し出るソーマ。

慌ただしくも温かみがあり、闘いの場からはかけ離れた平和な光景。

まさに何の変哲もない日常を象徴するようなそんな場に居合わせることができなかったことを坂本は残念に思った。

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって浴場。ここでは宮藤たちが訓練で疲れた体を癒していた。

 

「さっきの訓練本当にすごかったね芳佳ちゃん。私の方が先に軍に入ったのにどんどん抜かされちゃってるよ」

 

シャワーで身体を洗いながら隣に立つ芳佳に言うリーネ。

彼女が言うのは今朝方行われた模擬戦、シャーリーとルッキーニペアを相手に宮藤・ペリーヌペアが大健闘の末勝利したことだ。

 

「あれはペリーヌさんがいてくれたからだし。バルクホルンさんにもまだまだだって」

 

「それを言ったら私なんて全然だよ」

 

「そんなことないよ。私はリーネちゃんもすごいと思うけどな」

 

「えー、どこが?」

 

謙遜する言葉を返しながら宮藤の視線はリーネの顔から下、控えめな性格に反して大きな存在感を誇っている胸元に行く。

ほどけた髪がかかり着衣越しとはまた違った主張をする二つの大きな山には思わず宮藤は注目と羨望の眼差しを送らずにはいられなかった。

しかし当のリーネはそんな宮藤の目線の行く先に気付いていない。

 

「でも確かに腕を上げたのは間違いない」

 

浴槽につかっていたシャーリーが声を上げた。宮藤がそちらを振り向くとシャーリーは水泳でもしているかのようにバタ足で水飛沫を巻き上げるルッキーニを尻目にこちらに視線を合わせていた。

 

「この調子だとそのうちいつかとんでもない逸材に化けるかもな」

 

「本当ですかシャーリーさん!?」

 

ウイッチの先輩であるシャーリーからの賞賛に宮藤は目を輝かせる。

 

「強くなりたいって思う気持ちがあればそうなる可能性は充分にある。私はそう思うぞ」

 

「はい、そうなれるように私もっと頑張ります!」

 

「まぁ、胸の方はどうだかわからないけどね~にっひっひ」

 

「もう、ルッキーニちゃん!」

 

バタ足を止めて冗談交じりに茶化すルッキーニに宮藤はむすっと頬を膨らませる。

相も変わらず自分の胸小ささを指摘するルッキーニに対しては苦情を言いたくなったものの、彼女もまた自分の実力を認めてくれたことに宮藤は大きな喜びを感じていた。

 

 

 

 

 

「着いたぞ。ここだ」

 

バルクホルンの声を合図にソーマはマシンウィンガーを止める。

ブリタニア基地から長距離のドライブを経て二人は何事もなくロンドンの病院に着くことができた。

 

「よしっと、じゃあ行ってきなよ。俺はここで待ってるからさ」

 

後部座席から降りたバルクホルンはその言葉に少し戸惑うような表情を作る。

だがそんな彼女へソーマは屈託のない笑顔を浮かべてバルクホルンを促す。

 

「俺が行ったって邪魔だろ?家族水入らずで楽しんできなよ」

 

「気を遣わせてしまってすまないな。なるべくすぐ戻る」

 

「こっちのことは気にせずにゆっくりしてこいよー」

 

ソーマの気遣いに感謝を告げてバルクホルンはやや駆け足で病院の中に入っていく。

後ろから見ても明らかに急いでいるのがわかるその姿にソーマは微笑みつつ、腕を組む。

 

「さて、ああは言ったもののただ待つだけってのもな」

 

何しろ久々の家族の会話となるのだ。積もるに積もった話は山ほどあるだろう。

彼女が戻ってくるまでの間どう時間を潰そうか、マシンウィンガーに跨るソーマは空を見上げて考え込んだ。

 

 

大急ぎでバルクホルンはクリスのいる病室へと向かった。ほとんど走っている速度に近かったせいか途中で看護師から注意の声が飛んだが、今のバルクホルンはそんな些事に耳を傾けるゆとりはなかった。

目的の病室に辿り着くとノックもなしに飛び込むように思い切りドアを開けてバルクホルンは中へと踏み込んだ。

 

「クリス!」

 

「ちょっと病院ですよ!お静かに!」

 

彼女の五感に飛び込んだのはノックもなしに大声を出して部屋入り込んだ自分を注意する看護師、そしてベッドの上で叱られている自分を見てクスリと笑う妹。

その笑顔を見た瞬間、共に過ごした思い出の数々が自然と蘇る。

気が付けば彼女は妹を抱きしめていた。

 

確かな温もりと柔らかさが存在していた。幻なんかじゃない。紛れもなく現実だ。

それを理解する程彼女がクリスを抱きしめる力は強くなった。

 

「ああ、よかった…クリス」

 

「はは、ちょっと苦しいよお姉ちゃん」

 

「ああ、すまない」

 

言われてバルクホルンは腕を外してクリスから離れる。柄にもなく興奮してしまった自分に気付き、照れくさそうにしながら

そんな彼女の表情を見てクリスは嬉しさのこもった笑みをバルクホルンに向けた。

 

「なんだかお姉ちゃんちょっと変わったね」

 

「そうか?私は特に変わったとは思ってないが…だがひょっとしたらあの二人の影響かもな」

 

クリスの言葉に実感がなくやんわりと否定しようとしたバルクホルンだったが瞬間ある二人の顔が頭を過った。

 

「ミーナさんとハルトマンさん?」

 

「いや最近新しく加わった仲間がいるんだ」

 

「新しい人?どんな人たちなの?」

 

自分も知るミーナやハルトマンのような旧知の仲という程の付き合いでもなく、しかしそれでいてバルクホルンに変化を与えた存在。

それを知ってかクリスの興味はその二人に向いた。

 

「一人は扶桑から来たウィッチの新人だ。宮藤といってな、非常に危なっかしいところがあって困った奴だが気持ちは誰よりも真っ直ぐだ。どこかクリスに似ているところがあるな」

 

「私に?」

 

「ああ。あ、一応言っておくがもちろんお前の方がずっと可愛いがな」

 

恥じらいも躊躇いもなく自信満々で言ってのけるバルクホルン。

もしハルトマンかシャーリー辺りでもいたらからかいに走りそうなセリフだ。

 

クリスは姉の言葉を恥じらうわけでもなく、嬉しく思いながら質問に戻る。

 

「ねぇ、後の人は?」

 

「もう一人はロマーニャの軍人なんだが、これがまたなんというか変わった奴でな」

 

残るもう一人、ソーマについてバルクホルンが答えようとした時、外から微かに心地よい音が聞こえてきた。

 

「何の音だ?音楽のようだが」

 

「気持ちいい音…でも初めて聞く音だよ」

 

「ええ、いつもはこんな音楽聞こえてこないんですが」

 

バルクホルンに訊ねられたクリスも首を傾げる。

看護師にとっても耳馴染みのない音だったようで、その音が流れてくる原因を確かめるため窓を開けて下を覗き込む。

 

「誰か演奏してますね。ここの方ではありませんね。軍服を着ていらっしゃいますけど」

 

「なんだと?」

 

軍服を着た人間、それを聞いたバルクホルンはある人物を想像しながら看護師の隣で同じように外を見下ろす。

そこには彼女の予想通り草木の上に立ち、バイオリンを弾いているソーマがいた。

 

「ソーマの奴、何をしてるんだ」

 

「どうしたのお姉ちゃん?誰か来てるの?」

 

ソーマの行動に戸惑っているバルクホルンにクリスから質問が飛ぶ。

 

「あ、ああ、さっき話そうとしていた仲間だ。今日ここまで送ってもらってな、今下にいるんだ…そうだ、ちょうどいい。話してみるか」

 

「うん!会ってみたい」

 

「よし、ちょっと待ってろ」

 

妹の申し出に快く頷いたバルクホルンは真下にいるソーマへと呼びかける。

 

「おい!ソーマ!」

 

「…ん?」

 

音色を打ち負かそうと張り上げられたバルクホルンの声にソーマはバイオリンを弾く手を止める。

まず左右に目を向けてそれから上を見上げ、数ある窓から顔を覗かせているバルクホルンを発見する。

 

「どうしたんだ?バルクホルン大尉」

 

「クリスがお前を一目見たいと言っているんだ。来てくれないか?」

 

「オッケー、すぐいく」

 

嫌な顔一つせず頷き、ソーマはコネクトの魔法でバイオリンを収納しながら病院内に入る。

一旦クリスの病室を出たバルクホルンは階段に移動し、上がってくる彼を出迎えた。

 

「本当に何から何まですまないな」

 

「なぁ、俺が入っていいのか?」

 

「クリスがお前に会いたいと言ってるんだ。私に止める理由などないさ」

 

「でもまだたくさん話したいこととかあるんじゃ」

 

クリスから直々の頼みとはいえ正直言ってソーマには抵抗があった。

ただでさえ会えないというのにせっかくの姉妹の団欒の一時を自分などに割いてしまってよいのだろうか。

そんな思いがあった。

 

「大丈夫だ」

 

しかしバルクホルンは彼の言いかけた言葉を遮って真っ直ぐソーマを向き、穏やかな声色で言う。

 

「話す時間はこれからいつでもたっぷり作れる。だから今はクリスに会ってくれないか」

 

「ああ、わかった」

 

その一言で完全に抵抗がなくなったソーマは頷く。

バルクホルンも同じように頷き返すと病室のドアを開ける。

 

「お姉ちゃん、その人がソーマさん?」

 

バルクホルンに次いで顔を見せたソーマにクリスが反応する。

 

「初めましてクリスちゃん。俺はソーマ・スペランツァ、よろしく」

 

「クリスです。お姉ちゃんがお世話になってます」

 

年齢にしては珍しい礼儀正しい子だな、ソーマがクリスを見て数秒足らずで感じたのはそんな印象だった。

さすがはバルクホルンの妹といったところか

 

「そうだクリスちゃん、面白いもの見せてあげようか」

 

『ドライバー、オン。プリーズ』

 

「「えっ!?」」

 

そこで何を思いついたかソーマはウィザードライバーを起動する。

突然ソーマの腰に出現したベルトと鳴り響いた音声にクリスと看護師は困惑する。バルクホルンも一瞬身構え険しい表情になったが、彼がクリスに危害を加えるような真似をするなど絶対にないだろうと考え、すぐに落ち着きを取り戻す。

 

『フラワー、プリーズ!』

 

そしてソーマはフラワーの魔法で赤い花束を出現させる。

それを見たクリスと看護師は衝撃のあまり言葉を失くす。

 

「うわぁ…」

 

「すごい…」

 

「はい、どうぞクリスちゃん。クリスちゃんが元気になった俺からのお祝い」

 

「いいんですか?ありがとうございます!」

 

魔法で出現した花束をソーマはクリスに送り、彼女は嬉しそうに感謝を告げる。

彼女を笑顔を間近に満足気に微笑むソーマ。

 

「ちょっとこい」

 

「え、あ、はい?」

 

その彼の腕をバルクホルンは引っ張って病室の隅に誘導。クリスに聞こえぬよう声量で囁く。

 

「なんのつもりだ。あまり人の妹に粉をかけるような真似は…」

 

「粉かけって…そんなつもりじゃ、ちょっとした挨拶、挨拶のつもりだから」

 

「ならいいが、もし本当にそのつもりならいくら仲間といえども私は許さんからな」

 

「…はい、気を付けます」

 

比喩表現では済まされなさそうな程凄まじいプレッシャー。

バルクホルンの瞳と言葉の中に本気を感じたソーマは萎縮した返事で応える。

 

「お姉ちゃん何話してたの?」

 

「いやこっちの話だ。気にするな」

 

そう言ってはぐらかすバルクホルン。

 

「あの、さっきのって魔法ですよね?ソーマさんもウィッチなんですか?」

 

会話の内容が気になりながらもソーマへと芽生えた疑問をぶつける。

その問いかけにバルクホルンから解放されたソーマは再びクリスの横に移動すると、目線を彼女に合わせるように腰を落とし、左手の指に煌めくハリケーンウィザードリングを見せる。

 

「ウィッチとは少し違うかな。そうだなあえて言うなら…魔法使い。俺は魔法使い、ウィザードさ」

 

ソーマは自らをそう名乗った。

偶然か否か、今朝の新聞に載っていたばかりの自身に名付けられた名を。

 

 

「今日はすまないな。朝から私に付き合わせてしまって」

 

「いいって、これくらい」

 

また近いうちに会いに来ると、クリスに別れを告げて二人は病院を出た。

病院の前に止めたマシンウィンガーに向かう僅かな道すがらバルクホルンはまだ耳に残っていた音色を思い出して、彼に話しかけた。

 

「しかしお前がバイオリンを弾けるとはな。少し意外だった」

 

「言ってもちょっとだけだけどな。小さい頃家の近くに来た扶桑の人に教わったんだ。その人がすごくバイオリン上手でさ…ちょっと変わった人だったけど」

 

そんな話をしながら病院の敷地を出る二人。

マシンウィンガーに乗り込もうとするが、ソーマはフロントとグリップ部分の間に挟まっていた手紙に気付く。

 

「なんだこれ」

 

「どうした?」

 

「いやなんかこんなものが」

 

「手紙か?何故そんなところに」

 

ソーマの手に取った手紙を見つめ、そう口にしながらバルクホルンは考えていた。

風で飛ばされてきたものがたまたま挟まっただけの可能性もなくはないがそれにしては不自然な程に丁寧に刺さっていた。

何者かが意図してあえて挟み込んだのではないか、そんな疑念がまず頭に浮かんだ。

 

「さぁ、ただ一つ言えるのは」

 

「っ!」

 

ひっくり返した手紙の裏側をバルクホルンに見せつけると彼女の目が大きく開いた。

そこには文字が一言こう書かれていた。

『ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ殿』と

 

「この手紙を置いていった人間は俺たちのことをよくご存知みたいだ」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。