ストライクウィッチーズ~約束の空~   作:カメクリオ

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今回からウィザード色強めになっていくと思います。


第三十八輪 魔法使いの客人

ソーマたち四人はそれとなく歩いて見つけた『ファーメ』という喫茶店で昼食を取ることにした。

店外の席で一つのテーブルを囲いながらケーキやクッキー、コーヒーにありつけている。

 

「んまーい!ヴェネツィアにこんないいところあったんだね!あ、すいませーん。バニラちょーだい」

 

「私はチョコレートケーキね。買い出しなんて押し付けられた時はうんざりしたけど収穫あったわね。こき使われた甲斐があったわ」

 

通りがかった店員に追加の注文をしながらマルチナとフェルは卓上のスイーツを食べ進める。

二人ともそれぞれ五個ほどはスイーツを胃袋に納めているというのに手が緩む気配はなく、会話と並行しながら食事を続ける。

 

「お、お二人さんや?た、頼み過ぎじゃありません…?足りるかこれ…?」

 

その豪快とも言える食べっぷりを目にして財布の中身を恐る恐る確認するソーマ。

自分から言い出したこととはいえこんな光景が訪れるとは予想していなかったようで『こんなことなら奢るなどと軽はずみに言うべきではなかった』と、先の自分の発言を悔いていた。

浮かべた表情から後悔の念を汲み取ったのかルチアナがソーマに小声で耳打ちする。

 

「大丈夫ですか?もし足りないようなら私も出しますよ」

 

「自分から言った手前そんな払ってもらうのは…大丈夫。ギリギリ、ギリギリいける気がする」

 

元より外で食事を済ませる予定だったので一応財布にそれなりの額はある。あるのだが

 

「お待たせいたしました。ご注文のバニラアイスとチョコレートケーキになります」

 

「ありがと。あと飲み物のお代わりもお願い。四人分」

 

「シフォンケーキも!ここにいる人数分欲しいなー」

 

「そうね、もし余るようなら誰かしら食べるなり最悪持って帰ればいいんだし頼めるだけ頼んでおきましょ」

 

「ぅん!?」

 

こちらの財布事情など気にもしていない素振りのフェルとマルチナの快進撃は留まることを知らず、追い打ちをかける始末。

ソーマは目を見開いて言葉を失う。

 

「本当に大丈夫ですか?」

 

「…やっぱりお金出してください。足りない分だけでいいんで」

 

「いいですよ。むしろ払わせてください。フェル隊長たちには基地に帰ってからちゃんと食べた分を返すように言っておくので」

 

「ありがとう。ルチアナがいてくれて本当によかった」

 

結果、見栄を張るのをやめてお言葉に甘えることにした。

ルチアナとしてもソーマにこれを全額支払ってもらうのは気が引けるのもあって快く受け入れてくれた。

ひとまず安堵して心に余裕が生まれたソーマは自分が注文したティラミスをフォークで切り取って口に運んで、さっきのフェルたちの行動への質問を投げかける。

 

「さっきのことだけど。そもそもなんで後なんかつけるような真似したんだ?」

 

「え?…ああ、たまたま花持ってるあんたを見かけてね。そんなもの持ってどこいくのか気になっただけよ」

 

一瞬何を言われているのかわかっていない様子で目を丸くして動きを止めたフェルだったがすぐに情景を思い浮かべて言葉を返す。

それはマルチナも同様でバニラアイスを口の端に付けながら会話に混ざる。

 

「もしかしたら女の人と会うのかなって話してたんだよ。でも違ったんだね」

 

「そっか、そっからか」

 

「こんな場所で聞くのも変な話ってのはわかってるんだけどあれ誰のお墓なの?あんたの知り合い?」

 

「そんなところだな。俺がまだ一桁くらいの年の小さな子どもだった時の知り合いだよ」

 

濁りなく語るソーマの話をフェルたちは手を動かしながら耳を傾けた。

するとそこにさっきとは別のブロンド髪の店員が品物を運んで来る。

 

「お待たせしました。こちらシフォンケーキです…あれ?」

 

「ん?」

 

マルチナが頼んだシフォンケーキとコーヒーのお代わり分を持って来た若い店員の少女。彼女は目が合ったソーマをじっと見つめた。

 

「あなたどこかで…」

 

「知り合い?」

 

「いや…俺は知らない、と思うけどな…」

 

ソーマも視線を交差させて店員の少女を見る。

 

「ソーマ、新聞に載るぐらいの有名人だしそれで顔知ってるんじゃないかな?」

 

マルチナは世界初の魔法使いウィザードとしてまたネウロイの巣を破壊してガリアを救ったストライクウィッチーズの一人だからではないかと予想する。

新聞や雑誌にウィザードとしての姿も素顔も掲載されたこともあるからその可能性も無きにしも非ず。

しかし少女はマルチナが発した言葉の中身ではなく『ソーマ』という名前に反応した。

 

「ソーマ?ソーマ……あー!!思い出した!そう、ソーマだ!貴方、昔ウチのパン食べてた!」

 

「パン?えっとごめん、誰かな?」

 

「ほら!ええっと、よく一緒に広場で座ってパン食べたの覚えてない?」

 

「…ああ!あのパン屋の女の子!?」

 

その言葉でようやくソーマも思い出したようだった。

目を丸くして椅子から立ち上がって店員の少女に体と顔を向ける。

 

「思い出してくれた?そう、その女の子よ」

 

「うっわ、え?だってあの時はこれくらいだったのに」

 

地に掌を向けた右手を己の腰の高さにして、当時の少女の背丈を表現する。

掌が示す意味に少女は口元を手で抑えて吹きだした笑いを隠す。

 

「あったり前でしょう?一体何年も前の話だと思ってるの?」

 

「それもそうか」

 

「あのー、喜んでるところ非常に申し訳ないんだけどもソーマ?私たちにも紹介してくださるかしら?」

 

向き合って笑顔を見せ合う二人の間にお嬢様口調のフェルが割って入る。

その言葉に店員の少女は悪びれた顔で頭を下げる。

 

「ごめんなさい。勝手に盛り上がってしまって」

 

「そんなに謝る程のことでもないのよ。聞いてた感じ久々の再会みたいだし?盛り上がる気持ちもわかるから」

 

なんて礼儀正しい少女なのだろうとフェルは思い、そしてその所作と言葉だけで彼女を気に入った。

 

「この人は子どもの頃お世話になった人で名前は…」

 

「ラフィーナよ」

 

「そう、ラフィーナ。よろしくお願いします」

 

「よろしく。私はフェルナンディア・マルヴェッツィ。フェルでいいわよ」

 

「ルチアナ・マッツェイです」

 

「マルチナ・クレスピ。よろしくね」

 

「フェルにルチアナにマルチナね。うん、ちゃんと覚えたわ」

 

店員の少女、ラフィーナに赤ズボン隊の三人も順番に名を名乗っていく。

完結し終えたところでマルチナが口を開く。

 

「さっきパン屋って言ってたけどパン屋さんの人なの?」

 

「私って言うよりお母さんがね。パン屋をやってて彼はよくウチのパンを食べに来てくれていたの」

 

「そうなんですね…あれ?でもここってパン屋、ではないですよね」

 

「ほんとだ。俺の記憶が確かならパン屋はもっと別の通りだった気がする。店の名前も違ってる…よな?」

 

ルチアナは卓に残っている料理を、ソーマは店名の記された看板を見て言う。

 

「あー、なくなっちゃったのよウチのパン屋。お母さんが病気で倒れちゃってね。その時にお店畳んで。で、どうするか迷ってた私をこのお店の店主さんが拾ってくれて今に至るってこと」

 

「そうなんだ…ごめんね、知らなかったとはいえ辛いこと話させちゃって」

 

「いいのよ。お母さん死んだわけでもないし。それにね、今が楽しければ昔の辛いことは気にせずその時間を楽しむって決めてるの」

 

知らなかったとはいえ悪いことをしたと話題の発端となったマルチナは詫びるが当のラフィーナはまるで気にしておらず、軽く流していた。

その際の彼女の言葉や表情から芯の通った強さを感じたフェルはますますラフィーナを気に入った。

 

「あなた、やーぱっり面白いわね。このお店、常連になっちゃうかも」

 

「それはもう大歓迎よ!でも、その代わり…」

 

そこでラフィーナはソーマを見つめる。

コーヒーを飲んでいる最中だったソーマは突然言葉を切った彼女のその視線に気付き『ん?』と眉を上げる。

 

「サインか写真もらっていい?」

 

「なんで?」

 

「だって貴方ガリアを解放した501部隊でウィザードなんでしょ?それだけの人御用達のお店ってなれば社会的な信用も目に見えてわかるし色んな国からのお客さんも増えるかもじゃない。そんなお店まだ他にないでしょ?…もちろんちゃんと貴方にメリットは出すわ。例えば今日の代金全額無料、とかどう?」

 

『全額無料』、元よりサインだろうが写真だろうがする気ではあったがその言葉を聞いてソーマはより前のめりになる。

なんという巡り合わせ、なんという幸運。彼女はまさに財布の窮地に現れた救いの女神。

 

「是非やらせてください」

 

「交渉成立ね。そうだ、フェルたちもいっかな?たぶんフェルたちも有名人でしょ?」

 

「愚問ね。私たちは赤ズボン隊よ。このロマーニャで知らない者はいないわ」

 

「じゃあフェルたちもお願い。待ってて、色紙とカメラ持ってくるから。ついでに店長に許可ももらってくる」

 

ソーマとついでにフェルからも承諾を得るなりラフィーナはは店内へと引っ込んでいく…というより駆けていくという表現の方が合っているかもしれない。

そのくらい発言から行動までの時間と歩くスピードが早かった。

 

「落ち着きないわね」

 

「でもああいう人好きだよねフェル隊長」

 

「ええ、もう完全に気に入ったわ。昔からあんな感じだったの?」

 

「…ん?何が?」

 

自分に向けての発言だと気付いていなかったのかソーマはフェルの言葉に遅れて反応し、コーヒーを飲む手を止める。

 

「ラフィーナよ。子どもの時からああいう感じだったのかって」

 

「…そうだったと思う…確か」

 

「おっまたせー!店長もいいって!」

 

「話は聞いたわ。ウィザードとウィッチが常連になってくれるなんて大歓迎よー!愛のこもったお得なサービスたくっさんしちゃう!あ、私はこのお店の店長のジュリア!よろしくね」

 

ラフィーナが連れて来た人物。その姿を見た途端に四人は陸に打ち上げられた魚と同じくギョッと目を大きく目を見開く。

流れる水のように透き通った青髪、粉雪のように白い肌…ここまではいい。問題なのは顔。

ラフィーナが店長と呼んだ人物の顔は化粧こそしているが、どこからどう見ても男だった。

しかも声色も妙に艶めかしさはあれどそれでも男だ。

 

「あ、貴方が店長?…ずいぶん風変わりね」

 

「少し癖のある人だけどね」

 

「…少し?少しかな…?」

 

少しの範疇を越えているのではと誰もが感じたがラフィーナとの差により、逆に自分たちの感覚がズレているのではとフェルやソーマは思ってしまう。

 

「ラフィーナから聞いたわ。こっちの男の子がウィザードのソーマちゃん、赤毛の娘が赤ズボン隊のフェルちゃん、黒髪の娘がルチアナちゃん、でこっちのちっこい娘がマルチナちゃんよね」

 

「ソーマちゃん?ちゃんって…」

 

「ち、ちっこい…なんか嫌だなぁ。その言い方」

 

男なのに女性陣と同様に『ちゃん』付けされたソーマ、三人の中で唯一髪色でなく身長で名前を挙げられたことに表情を変えるマルチナ。

そんな二人の反応を鮮やかに流してラフィーナはソーマに色紙を渡す。

 

「色紙これね。遠くからでも見やすくしたいから大きくお願い」

 

「ああ、はいはい。こういうサインって書いたことないんだよなぁ。軍の書類とかに書く時と同じ感じじゃ駄目だよな」

 

「好きなように書いてもいいわ。でもせっかくお店に飾るならちょっとかわいらしさっていうか親しみやすさは欲しいかも」

 

「親しみやすさ、親しみやすさかぁ…」

 

慣れないことである上に店の利益にも繋がるとあってなかなか手を動かせないソーマ。

彼が真剣に悩んでいるとマルチナとジュリアが善意から助言を出してくる。

 

「ハートでもつけちゃえば?」

 

「いいじゃないハート!私も好きな印だしお店にも合ってるわ!」

 

「でもあまり親しみやすさを重視し過ぎても見た人に偽物に思われませんか?あんまりこういうこと詳しくないからなんとも言えませんが」

 

「…そ、そうね…そういう可能性もあるのよね…」

 

フェルの意見に乗り気だったジュリアがルチアナの指摘に消沈する。

山から谷底に落ちたような落差である。

 

「写真も撮るんだしそれと一緒に置いとけば本物って証拠になると思う」

 

「そうだな。それがいいんじゃないかな」

 

検討を重ねた結果ラフィーナの案を採用することになり、ソーマは書類に書くのと同じサインを書く。

 

「これでいいかな」

 

「ありがとう。じゃ、このまま写真いっちゃおう。こっち来て」

 

「ああ、ああああ!そんな強く引っ張らなくても!」

 

言うが早いがラフィーナはソーマの手を取り、彼を引きずり込むように店内へと消えていく。

舌を噛みそうだな、と他人事のように思いながらフェルは無料となったケーキを食べる手とは別の手でサインを書く。

 

「さっきもだけど無駄がないってくらい行動が早いわねあの子。はい、これでどう?」

 

「それがラフィーナのいいところよ。ありがとー、まだまだたくさんあるから満足するまで遠慮なしに食べていってね」

 

フェルは店主の言葉に有難く従ってスイーツを食した。

 

 

「はい、これでおしまい。ありがとねここまで付き合わせちゃって」

 

「今日のあれが丸ごと無料になるってんなら安いもんさ。あれを払うことになるともう…」

 

ラフィーナによる写真撮影は終わり、ソーマは変身を解除する。

素顔が露わになった彼は妙な緊張感から解放されたせいか、食事代がタダになることが確定したからか心なしか笑顔だ。

 

「でもよかった。こんな顔ができるようになって…ちょっと心配だったんだよね。あんなことがあって、ちゃんとうまくやっていけてるか」

 

そんな彼の表情を見てそう呟いてカメラを置くラフィーナ。

両者の周囲を静寂が包む。

 

「きっと色んなことに恵まれたおかげ、かな。人にも力にも」

 

そう口にする言葉に反してソーマは物憂げな空気を漂わせる。

 

 

「戻ってきた」

 

店内から顔を出してきた二人を見てマルチナが一番に声をあげる。

ソーマは椅子に座り直し、ラフィーナはフェルに話しかける。

 

「お待たせ。次はフェルたちの写真。お願いしていい?」

 

「ええ喜んで。やるからにはいい写真撮ってよね」

 

意気込んでまずフェルがソーマと入れ替わる形でラフィーナと店内に移動する。

 

 

 

「きゃああああああ!!」

 

「うわあああああああ!ば、化物!!」

 

しかしその時近くから男女問わずの悲鳴のような叫びが彼らの耳に入った。

座っていたソーマたちも、店の中に入ろうとしていたラフィーナとフェルも、全員が一寸の狂いもなく声の場所へ目を向けるとそこには世にも奇妙な奇怪な姿をした生物がいた。

爬虫類に彷彿とさせる皮膚、胸の中心部には灰色に濁った球体がありそれを境とするように体は右半身が黒、左半身が白に染まっている。

左右の肩には口を開いた状態の竜と蛇を象った突起物が正面を向いている。

 

「よう、やっと会えたなウィザード。この時を待ち焦がれたぜ」

 

「喋った!?」

 

「あれがネウロイ?」

 

目の前の怪物が言葉を発した事実にマルチナが驚き、ラフィーナは初めて見たそれをネウロイと捉えた。

だがソーマの反応は彼女二人とは違った。

 

(ネウロイ…なのか?いやネウロイにしては何か違う?)

 

黒一色の体ではなく、人語を話すとネウロイの生態と異なる。

しかし以前宮藤が遭遇並びに接触した人型ネウロイのような変異種。その類である可能性も捨てきれなかった。

 

「お前、何者だ?」

 

だからこそそれを確かめるためにソーマは問いかけた。

人語を理解しているのなら何かしらの反応は期待できる。そう考えて

 

「挨拶代わりにいいもんくれてやるよ。ほら!」

 

だが相手から来たのは言葉と同時に肩の蛇と竜から発射された球体状の炎。

 

「皆!」

 

「伏せろ!」

 

その光を見て嫌な予感がしたソーマとフェルが咄嗟に前に出て、白い炎をディフェンドで黒い炎をシールドで受け止める。

 

「うおっ!」

 

ソーマだけが炎の威力に耐え切れず吹っ飛び、店の窓ガラスやカウンターに置かれていたグラスなどを巻き込んで奥の床へと倒れ伏す。

 

「「ソーマ!」」

 

「ソーマさん!」

 

「いやあああああああ!私のお店ー!」

 

フェルたち赤ズボン隊とラフィーナが名を呼びながら後ろを振り返る。

騒動に気付かなかった店内にいた客も外から人が窓ガラスを突き破って入店して来たのを目の当たりにして、ようやく異常事態を把握し、悲鳴を出しながら蜘蛛の子を散らすように店から逃げ去る。

割れた窓ガラスの奥、無人となったカウンターの奥からソーマが痛みに顔を歪めながらも起き上がって戻って来る。

ルチアナたちは彼の無事にひとまず安心して駆け寄る。

 

「大丈夫ですか?」

 

「なんとかな。それよりも」

 

「なんなのよあいつ。ネウロイじゃなさそうだけど」

 

人語を話す怪物などこれまで幾多の死線を乗り越えて来た赤ズボン隊の彼女たちも見たことも聞いたこともない。

まさに完全未知の生物。だがわかっていることもある。

碌なやり取りもなしにいきなり攻撃を仕掛けてきたのならばあれは完全に敵と見て間違いない。

 

「フェルたちはラフィーナたちを安全な場所に避難させてくれ。この場は俺が引き受ける」

 

「そんな、一人残してなんてできません!」

 

「そうだよ!私たちも-」

 

ウォーターの指輪を出して戦闘準備を整えだしたソーマの言葉にルチアナが異を唱える。

マルチナも同意見だったようでルチアナに加勢しようとするが、フェルがその流れを断ち切った。

 

「ルチアナ、マルチナ、私たちは基地に戻るわよ。どの道ストライカーも銃ないんじゃソーマの足手まといになるだけよ」

 

フェルの言葉にルチアナとマルチナは否定できなかった。

ウィザードのソーマと違ってウィッチの三人は武器がなければ怪物と満足に戦えない。

悔しいが今はフェルの言う通りソーマ一人に任せるしかないのだ。

 

「ソーマ、やられるんじゃないわよ。必ず後で私たちが助けてあげるからそれまで踏ん張って。ラフィーナとジュリアさんも一緒についてきて」

 

「ごめんなさいソーマさん。どうか無事で」

 

「私たちが来るまで負けちゃダメだからね」

 

「私の店を台無しにしたそんな奴なんかこてんぱんにしちゃってー!」

 

フェルたちは怪物の相手を任せてラフィーナとジュリアを安全な場所に誘導する。

 

「これで余計な邪魔者がいなくなったな」

 

五人が場を離れ、完全にウィザードと自分だけの空間になったことを確認してから怪物がそう口を開いた。

その言葉からソーマは彼の目的が自分にあるのだと気付く。

 

「一応改めて聞いておく。お前何者だ。ネウロイとは違うみたいだが」

 

「はっ、教えてやる理由なんてねぇな。だが名前くらいは教えてやる。俺はウロボロス」

 

「ウロボロス?」

 

「ああそうさ。今からてめぇをブチ殺す奴の名だ!」

 

無の空間から白と黒の二色に染まった長剣を手に取り、頭上で振りかぶりながら走り出す。

ソーマは横に動いてかわすと長剣は彼のいた地面を深く抉る。

初撃の失敗からすぐさま立ち直って第二撃を入れようと迫るウロボロスへソーマは椅子を蹴り上げ、接近の邪魔をしてから変身を成し遂げる。

 

「変身!」

 

『ウォーター、プリーズ!スィースィースィースィー!』

 

ウィザード・ウォータースタイルがウィザーソードガンで長剣を防ぐ。




二章突入前カメクリオ「せっかくだからウィザードに登場しなかったファントム出したいなーウロボロスとか出てなかったよな。よしウロボロスにしよう」

二章突入後カメクリオ「一応調べてみよう。『ウロボロス ウィザード』っと…え?いるの!?なに言ってんだ!ふざけるな!ウロボロスなんて本編で名前出てこなかったはず…」

ウロボロス…マジックランドのアンダーワールド戦に出てきたファントム。

検索後カメクリオ「こ、こいつかー…」

なんてことがありました。割と印象に残る出番とデザインだったのに完全に忘れてましたね。そのくせに一瞬しか出てこなかった上に名前も出なかったドレイクは覚えてたやつだったり
まぁ向こうが巨大なのに対してこっちは等身大版、なので実質オリジナル(苦し紛れの言い訳)ということでどうか別物としてよろしくお願いします。
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