機動戦士ガンダム 俺の野望   作:ダルマ

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第三十二話 MSと文通

 第4253物資集積所をセモベンテ隊の脅威から守り、犠牲を出しながらも、彼らを返り討ちにした第046独立部隊は。

 日没後の薄明りの中、オデッサに戻るべく、撤収作業の只中にあった。

 

「オーライ! オーライ!! ストーップ!!」

 

 そんな中、先ほどまで死闘を繰り広げていたドムの内、コクピット部分を撃ち抜かれた一機が。

 撃ち抜いた本人の操るザクIIF型と、ザクキャノンの二機の手を借りて、行きは戦闘ヘリを搭載していたが、帰りは搭載容量に余裕のできたサムソン・トレーラーの荷台に運び込まれていた。

 

 ランドニー曰く、今回のミッションにはボーナスが設定されており、それが、ドムの回収なのだとか。

 そして、損傷の度合いが少なければ少ない程、ボーナスの金額も高額となる。

 その為、コクピットを撃ち抜かれている以外、あまり損傷の見られないこの個体が回収対象として選ばれたのだ。

 

 因みに、この回収されたドム。

 この後、オデッサにて調査等が行われた後、戦力化の為の修理などを経て。

 エマージェンシー・オブ・オデッサが終了後、以前にもジオンから連邦、そしてまたジオンという複雑な来歴を持ったザクを受領した事もある、闇夜の牙を持つジオン軍の特殊部隊に送られる事となるのだが。

 それはまた、別のお話。

 

「にしても、友軍機を回収するってのも、何だか複雑な心境だな……」

 

 見た目は本来友軍であるドム、だが、操っていたのは紛れもなく連邦の、敵の兵士。

 戦闘中は考える暇もなかったが、改めて友軍機に引き金を引いたという事実は、シモンに複雑な心境を抱かせた。

 

「固定完了! もういいぞ!」

 

「了解」

 

 程なく、整備士達の手によりドムは荷台に固定され、シートがかぶせられる。

 そこで、シモンとメノの手伝いも終了した。

 

 こうして、ドムの積み込みも終わり。

 同じく主不在ながらも、弾痕は多く見られるが四散せずに原型を保っていたロッシュの陸戦型ザクIIの回収も終わり。

 残った四人の愛機も各々のギャロップに収容し終えた所で、第046独立部隊はオデッサへの帰路につこうとしていた。

 

 しかし。

 

「待て、待て、待て、まてぇぇっぃい!」

 

 不意に、出発しようとするギャロップの前に、一台のPVN.3/2 サウロペルタと呼ばれる小型汎用車両が道を塞いだ。

 シンプルな構造ながら武装を施し様々な状況や環境に対応可能な、現実におけるジープ等と同様の性質を持つ、ジオン軍の小型汎用車両。

 

 そんなサウロペルタの助手席から、一人の男性軍人が、手にしたマイク越しにギャロップに対して待ったを掛けた。

 

「そこの部隊! 今すぐ止まりなさい!!」

 

「中隊長、もう止まってますよ」

 

「ん? あぁ、そうか。……では、部隊指揮官と直接話がしたい! ご足労願えるか!?」

 

 そして、男性はランドニーと直接話がしたい旨を伝えてきた。

 これに対して、ランドニーは素直に応じ、ギャロップを降りると、サウロペルタの方へと足を運んだ。

 

「ご足労いただき、感謝いたします! 私は、地球方面軍第一戦闘支援集団、管理部第三中隊中隊長を務めますブロンブルク少佐であります!」

 

 高身長のやせ型である壮年の男性軍人は、綺麗な敬礼しながら、自らを地球方面軍直轄である同軍の兵站を担う部隊に属している事を告げた。

 

「あぁ……、鍵盤の兵隊さん」

 

 それを聞いてランドニーは、答礼を行いながら、自身の自己紹介を終えると、ぼそりと彼の実体を簡潔に表す表現を零した。

 

 鍵盤の兵隊。

 それはジオン公国軍内において、物資の配給や整備、更には衛生や施設の建築等々、所謂兵站、特にその管理に従事する者達を現す呼び名で。

 その由来は、命の危険が少ない後方の安全地帯でのデスクワークで、銃の代わりにキーボード(鍵盤)を打っている事からきている。

 

 古今東西、戦争において、幾ら最新鋭の技術の結晶である兵器を揃えても、百戦錬磨の兵士達を集めても、それを戦争が終わるまでその戦闘行為の継続、即ち継戦能力を維持させ、時に向上させなければ、戦争に勝利し得ない。

 その事実は、枚挙にいとまがない程、歴史の中で証明されてきた。

 戦争の先兵である兵士たちの継戦能力を維持し、時に向上させる。その為に必要なのが"兵站"である。

 

 一説によれば、最前線で戦う一人の兵士の継戦能力を維持する為には、八倍の人数による後方支援が必要と言う説もあり。

 それだけでも、兵站というものが、いかに重要であるかが伺える。

 

 調達された必需品、弾薬や食料などを適切に管理し、必要な所に必要とされる量を配分する。

 そんな兵站の中にあって最も重要となる活動に従事している軍人達を、最前線で、実際の戦場で命を懸けて戦う兵士達の中には、自分達の置かれた環境と比較し、あまりの隔たりに彼らの事を鍵盤の兵隊と呼び、自身の溜飲を下げていた。

 

「それで、ブロンブルク少佐。一体何の用でしょうか?」

 

「ハート中佐! 先ほどの戦闘は見事であります。と、賛辞を述べて別れたい所ではありますが。……先ほどサムソン・トレーラーに運び込んでいたドムに関してですが」

 

「あぁ、あれ」

 

「あれは、いかがなさるおつもりでしょうか!?」

 

「いかがなさる、と言われても……。マ・クベ司令からは、可能ならば回収してくるようにと言われていたので、オデッサに持ち帰って、向こうの調査チームに引き渡す予定ですが」

 

「ま、ま……。またあの司令の……。あぁ、また……」

 

「? ブロンブルク少佐、何か言いました?」

 

 ランドニーから回収したドムの処遇の予定を聞いたブロンブルク少佐は、何やら小声でぶつぶつと呟き始める。

 

「多分、調査が終わったら修理して、再戦力化の後に何処かの部隊にでも送られるんじゃないでしょうか。"員数外"とは言え、なんせドムですから……」

 

「いんずうがいぃぃぃぃぃっ!!!!」

 

 だが、ブロンブルク少佐はランドニーが員数外と言う単語を口にした瞬間、突如として声を張り上げた。

 

「員数外!! それはまさに悪魔の言葉!!! 私がこの世でもっとも忌み嫌う穢れた言葉!! 員数外は心の乱れ、心の乱れは規律の乱れを招き、それ即ち! 組織の崩壊を意味する!!」

 

 そして、唖然とするランドニーを他所に、ブロンブルク少佐は員数外に対する自身の気持ちを興奮した様子で語り始めた。

 

 因みに員数外とは。

 既定の数量、即ち員数に含まれない、イレギュラーな余剰品の事を指す言葉である。

 

「あ、すいません。自分、管理部第三中隊のストリチナ・S・ジョールチ中尉と言います。よろしく」

 

 そんな唖然としているランドニーのもとに、ブロンブルク少佐の後ろで一部始終を見ていた男性。

 三十代ながら、上官であるブロンブルク少佐とは対照的に恰幅の良い体形をしたストリチナ中尉は。

 簡単な自己紹介を済ませると、ヒステリーを起こしている自身の上官について小声で説明を始めた。

 

「すいませんね、ブロンブルク少佐は優秀な人なんですけど、優秀過ぎるというか、生真面目過ぎるというか、そのせいで"員数外"という単語に過剰に反応してしまうんで。できれば、今後は少佐の前でその単語を使うのはよしといたほうがいいですよ」

 

「はぁ……」

 

「ま、ここだけの話、これでも地球侵攻作戦が開始された当時よりは、大分落ち着いてはきてるんですよ。……当時なんてもう、そりゃ毎日色んな部隊からあーだこーだと要望やら苦情やらが舞い込んで、ブロンブルク少佐はそりゃもう。と、中佐殿にはあまり関係ない話でしたね、失礼」

 

「あ、いや。……俺達がこうして戦っていられるのも、君達が陰で支えてくれているからだと思ってる。あまり直接礼を述べる機会はないが、感謝しているよ」

 

「はは、こりゃまいったな。そんな事言われたの二回目ですよ」

 

 あまり言われ慣れていない感謝の言葉を受けて、ストリチナ中尉は照れくさそうにはにかんだ。

 

「っと、そうだ。礼を言われたお返しって言うんじゃないですが、ここは自分が何とか丸く収めてみますから、中佐殿は出発準備を」

 

「え? いいのか?」

 

「自分達管理部第三中隊はヨーロッパ方面担当の部署でして、今回この第4253物資集積所に足を運んでいたのも、業務の一環でして……」

 

 ストリチナ中尉曰く。

 第046独立部隊がセモベンテ隊を返り討ちにしたまではよかったものの、その後、第046独立部隊がセモベンテ隊のドムを回収している様子を目にしたブロンブルク少佐は、明らかな員数外であるドムを回収した事による管理の修正と混乱が起こる事を予見し。

 生真面目の為見過ごせないブロンブルク少佐は、回収している第046独立部隊に注意すべく声をかけたのだとか。

 

「ただまぁ、話を聞いた限り、ドムを回収したのはれっきとした任務の一環らしいので。ブロンブルク少佐の注意は、逆に中佐殿に対してご迷惑をかけてしまう結果となったので。上官のお騒がせは、自分が処理しておきます」

 

 勘違いして騒がせた非礼をブロンブルク少佐に代わり詫びたストリチナ中尉は、未だ興奮冷めやらぬ様子のブロンブルク少佐のもとへと駆け寄ると、彼の耳元で何かを呟き始めた。

 すると、ブロンブルク少佐は落ち着きを取り戻し。

 一度ランドニーの方を振り向き敬礼すると、再び背を向け、そのまま何も言わずにサウロペルタへと乗り込むと、運転手のストリチナ中尉と共に、第4253物資集積所のプレハブ事務所に向かっていくのであった。

 

「なんだかなぁ……」

 

 生真面目さが生んだ騒動に巻き込まれたランドニーは、サウロペルタを見送ると、再びギャロップへと乗艦する。

 こうして、ひと悶着あったものの。

 第046独立部隊は、今度こそ、オデッサへの帰路についたのであった。

 

 

 

 

 

 

 それから、三日後。

 オデッサの軍事基地の一角、地球方面軍の司令部として利用されている施設に隣接する施設。

 その施設内に、地球方面軍第一戦闘支援集団管理部第三中隊の職場であるオフィスは存在していた。

 

「全く、あの司令はいつもいつも、こっちは通常業務もあると言うのに……」

 

 自身のデスクで力強くキーボードを叩きながら、文句を垂れ流しているブロンブルク少佐。

 隣のデスクで業務に勤しんでいるストリチナ中尉は、そんな上官の文句に対して時折相槌を打ちながら、その内容は右から左に聞き流していた。

 

 何故、ブロンブルク少佐がこれ程までに不機嫌で文句を垂れ流しているのかと言えば。

 それは数十分前の事。

 

 第一戦闘支援集団の幹部会議に出席していたブロンブルク少佐は、そこで、彼らの上官であるマ・クベ中将が、連邦軍の攻勢に備えて前線の兵士達の士気昂揚策を求めている事を聞かされる。

 会議の議題として前線の兵士達の士気を昂揚させる方法を少佐を含め出席者達は考えてみるも、結局、これといった妙案は出ず。

 この為、参加者達に次回の会議までに妙案を考えておくとの課題が課せられたのだが。

 

 業務の傍ら、本来は司令部が考えるべきそんな士気昂揚策を自分達に丸投げにして、代わりに考えなければならなくなった事に対して、ブロンブルク少佐は大変怒り心頭であった。

 

 ただ、その生真面目な性格故、文句を言いつつもとりあえず色々と策は考えていた。

 

「これまでの戦績の中で勇敢な兵に勲章を授与させるというのはどうだ?」

 

「少佐、そんな惜しげもなく与えると、勲章がペーパーウェイトと同等になりますよ」

 

「うむむ……」

 

 だが、結局妙案らしいものは何一つ出てこず。

 気付けば、業務の合間の小休止を迎えていた。

 

「あぁ、何かないのか……」

 

「ん~、そうですねぇ」

 

 湯気の立つ、淹れたてのコーヒーが入ったカップを手に、眉間にしわを寄せるブロンブルク少佐と、おやつの一口チョコを口に放り込むストリチナ中尉。

 

「あ、そうだ。少佐、こんなのはどうです?」

 

「ん?」

 

 と、不意にストリチナ中尉が思いついた案を、ブロンブルク少佐に話し始めた。

 

「手紙ですよ、銃後(一般国民)からの激励の手紙を届けるんです。それも印刷じゃなく、手書きの、人のぬくもりを感じさせるやつです。家族や恋人からじゃ届く兵士は疎らですから、まんべんなく届けられるように本国(サイド3)の学校や職場から最前線で戦う兵士達への激励の手紙という事で、どうでしょう?」

 

「おぉ、それはいいかもしれないな。……いや、しかし。今から依頼して実際に書かれた手紙を検閲して、そして前線の兵士達の手元に手紙が届くまで、それなりの時間は要する。……連邦の大規模な攻勢が始まる前に、手紙が届くかどうかは不透明だ」

 

「あ、じゃぁ、自分達で書くってのはどうです? 幸い便箋ならいくらでも融通はつきますし」

 

「そそ! それは私達が銃後のふりをして書くという事かね!? それはれっきとしたペテンではないか! 不誠実だ!」

 

 ストリチナ中尉の案を聞いたブロンブルク少佐は、内容には賛同したものの、詐欺まがいの方法に異議を唱えた。

 

「でも少佐、時間ないんでしょ。なら、ちんたらやってちゃ間に合いませんよ」

 

「しかし……」

 

「それに、考えてみてください。激励の手紙を書いて兵士達の士気を上げる。これも、立派な兵站業務の一環ですよ」

 

「うぬぬ……。だが中尉。前線には数十万と言う兵がいる、そんな彼らへ激励の手紙を私達だけで書くのは、通常業務にも支障をきたすと思うのだが?」

 

「あぁ、勿論。銃後のふりして偽の手紙書き続けるのもしんどいですし、それにあまり回数を重ねると怪しまれますんで、ちゃんと本国(サイド3)の学校や職場の方に依頼もしますよ。ですから、依頼した本物の手紙が届くまでの一時しのぎの間だけ、ですよ」

 

「うーむ……」

 

 自身の使命と理性の間で揺れ動くブロンブルク少佐。

 暫し、眉間に更にしわを寄せて考えると。

 やがて、導き出した答えを語り始めた。

 

「し、仕方ない。これも、業務の一環だ」

 

 言いくるめられた感は否めなかったが、ブロンブルク少佐はストリチナ中尉の案に賛同を示すのであった。

 

「では少佐、第一戦闘支援集団の他の部隊にも、通知をお願いします。自分は便箋の調達をしますので」

 

「う、うむ。……あぁ、そうだ中尉」

 

「はい? 何です?」

 

「手紙を書いて届けるのはいいが、やはりまずは小規模な部隊に出してみて、そこで評判を確かめたい」

 

「あぁ、確かにそれはそうですね。……あ、それじゃ、丁度いい候補がありますから、先ずはそこに届けてみましょう!」

 

 こうして、激励の手紙大作戦が幕を開けたのであった。

 

 

 

 

 

 数時間後。

 ストリチナ中尉は、オデッサ軍事基地内の一角にある、倉庫群にいた。

 

「あぁ、どうも中佐殿」

 

「あ、確か第4253物資集積所で会った」

 

「ストリチナ・S・ジョールチ中尉です」

 

 そこで彼は、ランドニーと接触を図っていた。

 

「それで、ジョールチ中尉、今日はお一人で、何の用で?」

 

「実は、最前線で戦う中佐殿たちのような兵士の為に、サイド3の善良な国民から激励の手紙を預かっておりまして、そのお届けに」

 

「手紙?」

 

「はい。で、出来れば読んだ後で、感想などを聞かせていただければと」

 

「あ、あぁ……」

 

 そこで、ストリチナ中尉はランドニーに数枚の封筒を手渡すと、業務に戻るべくその場を後にした。

 一方、封筒を受け取ったランドニーは、ストリチナ中尉の言う通り、他の面々に手紙を配布すべく、第046独立部隊用のロビーへと戻るのであった。

 

 

 

「という訳で、一人一通、有難いお手紙を読んで感想を書いてくれ」

 

 そして、各々、好きな封筒を手に取ると、早速中の便箋に書かれている内容に目を通していく。

 

「えっと……。『頑張れ! 頑張れ! できるできるできる! ぜったいできるっ!! 頑張るんだ! やれる、もっとやれるって気持ちの問題だ! 頑張れ頑張れ! あきらめんなよ! 絶対に諦めるなよ!! 頑張れるってやれるって、ズムシティだって頑張ってるんだから!!』……なにこれ」

 

 差出人は小学生ながら、その熱すぎる内容という乖離に、メノは目が点となる。

 

「何々? 『拝啓、戦地に赴かれました兵士の皆様。開戦以来、身を粉にして戦地で戦う皆様のお姿は、報道等でご拝見させていただいております──、敬具』。……むぅ、有難いねぇ」

 

 地元のご高齢が差出人となっている手紙を受け取ったシモンは、しみじみと有難味を感じ。

 

「……。『さぁ、自分自身の心に問いかけるのだ。"何故、全力を尽くさないのか!?" と』……ベスト?」

 

 ロッシュは、簡潔ながらも意味不明な内容の手紙に、困惑し。

 

 残りのユーリアンと沙亜の二人に関しても。

 それぞれ手紙の内容を読み、差出人に感謝の念を抱く。

 

 そして、ランドニーは。

 

「『初めまして、私はジオン公国大学に通うアーデルハイトと申します。私の書いた手紙を読んでくださるのは、さぞや勇敢な兵士の方、そう、まるで神話の中に登場する勇敢なる騎士の如く──。そんなあなたが、何れズムシティに凱旋されますよう、今日も、ズムシティを一望できる丘の上からお祈り申し上げています。』……うおおっっ!!」

 

 手紙の内容に目を通すや、歓喜の雄たけびを挙げた。

 

「これは間違いない! 差出人のアーデルハイトさんは、きっと白のワンピースが似合う、綺麗な金の髪を靡かせた美しい女性に違いない!! あぁ、手紙からほのかに甘酸っぱい香りがする。あぁ、こんな素敵な手紙を貰えるなんて、感激だなぁ」

 

 そんなランドニーの様子を、他の面々は一歩引いて眺めるのであった。

 

 

 

 

 

 同じ頃、管理部第三中隊のオフィス。

 

「へっくしょい!!」

 

「少佐、風邪ですか?」

 

「いや、体調管理も軍人としての責務。疎かにしているつもりはないのだが……。何だか、急に寒気が」

 

「気を付けてくださいよ。……それよりも、この書類にサイン、お願いします」

 

「あぁ、分かった」

 

「……にしても、相変わらず少佐の字って綺麗ですよね。まるで女性の書く字みたいです」

 

「褒めても何も出ないぞ」

 

 自身のデスクで、ブロンブルク少佐とストリチナ中尉は、業務に勤しんでいた。

 その際、ストリチナ中尉はブロンブルク少佐の文字の綺麗さを褒めるのであった。




いつもご愛読いただき、本当にありがとうございます。
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